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「タクシー代を払え、電車が遅れたせいだ」と駅員を責める客。だが、他の乗客の正論で表情が一変【短編小説】

  • 2026.2.20

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

遅れてる電車

残業続きの金曜日。

心身ともにクタクタで駅に着いた私を待っていたのは、「トラブルによる運転見合わせ」のアナウンスでした。

「嘘でしょ……」と思わず天を仰ぎました。

再開のめどは立っていないらしく、改札付近は殺気立った乗客たちでごった返しています。

蒸し暑さと湿気も相まって、駅の空気は最悪でした。

そんな中、駅員室の前でひときわ大きな怒声が響き渡りました。

「おい!どうやって帰れって言うんだよ!電車が動かねえならタクシー代出せよ!」

声の主は、顔を真っ赤にした中年の男性客。対応しているのは、まだあどけなさの残る若い駅員さんです。

「申し訳ございません。他社線への振替輸送は行っておりますが、タクシー代のお支払いは規定によりできかねます……」

駅員さんが必死に頭を下げて説明しても、男性は聞く耳を持ちません。

「俺は客だぞ!お前らのミスで遅れてるんだから、責任取って金払え!今すぐだ!」

周囲の人々も「気持ちはわかるけど……」「うるさいなあ」という顔をしていますが、男性の剣幕に押され、関わりたくなくて遠巻きに見ているだけ。

私も怖くて動けずにいました。

その時です。一人のスーツ姿の男性が、スッと二人の間に割って入りました。

そして、驚くほど冷静な声でこう言ったのです。

「あの、さっきから聞いていればみっともないですよ。彼女を怒鳴りつけたら、解決するんですか?」

クレーマーの男性は「ああん? なんだお前、関係ねえだろ」と凄みましたが、スーツの男性は動じません。

スマホの画面を見せながら淡々と続けました。

スーツの男の正論

「あなたがここで10分怒鳴り散らしている間に、タクシー乗り場に並べばもう順番が来ていましたよね?時間が惜しいと言いながら、自分で時間を無駄にしていることに気づかないんですか?それとも何か、大の大人が『駅員にお小遣いをもらわないと家に帰るお金もない』と仰っているんですか?」

その言葉は、まさにその場の全員が思っていた正論でした。

「ぐっ……」と言葉に詰まったクレーマー男性。

周囲からの「そうだそうだ」と言わんばかりの冷ややかな視線にようやく気づいたのか、急にバツが悪そうな顔になり、何か捨て台詞を吐いて足早に去っていきました。

助けに入った男性は、呆然とする駅員さんに「大変ですね」と短く声をかけ、何事もなかったかのように雑踏に消えていきました。

まるでドラマのような鮮やかな解決劇。駅員さんのホッとした顔を見て、私の疲れも少しだけ吹き飛んだような気がしました。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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