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「駅徒歩10分で日当たり良好」なのに1年で解約…入居者を襲った“大誤算”【賃貸営業マンは見た】

  • 2025.10.14
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出典:photoAC(写真はイメージです)

不動産賃貸の仲介・管理をしているマネーピラミッドです。

部屋探しの際に、【徒歩10分】【南向き】【日当たり良好】といった条件を重要視する方も多いのではないでしょうか。実際に対応するお客様でも多くの方が希望します。

ただ、そこには意外な盲点が隠されているのはご存知でしょうか。今回は、お客様が実際に体験した「大誤算」エピソードを紹介します。

駅徒歩10分を実際に歩いてみたら

約20年前、1人の女性が予約無しでふらっと来店されました。

話を聞くと、遠方から転勤のため入居を急いでいるとのことで、その日に物件を決めなければならない状況でした。しかし帰りの新幹線の時間が迫っていたということで物件を見ずに申し込みとなりました。

紹介した物件は【徒歩10分】【南向き】【日当たり良好】。しかし、地図で見ると道が細い印象だったので実際に歩いてみることに。

ところが最後の2分前後でビックリ!目の前には高くて長い階段が…100段ほどあったでしょうか。

息を切らしながら着いた頃には駅から15分ほどかかって汗だくになりました。お客様へその旨をお伝えしましたが、『5分くらいオーバーなら』とそれほど深刻に捉えておらず契約手続きへ。

1年もしないうちに解約の連絡

その後、お客様から1年もしないうちに解約の連絡がありました。

理由を聞いたところ、片道たった5分と思っていたが足腰にかなりの負担だったとのこと。

1日10分、1年で3650分(約61時間)もあれば、読書や副業など別のことに時間を費やせる、という考えに至ったのだそうです。

筋トレがてら、という見方もできますが、若くないと膝を痛めたり生活に支障が出ることもありますよね。お客様は、住んでいるうちに徒歩5分以内が理想ということに気付いたそうです。

さらに、解約にはもう一つ理由がありました。

それは、南向きのお部屋だったのに、目の前に建物がありほとんど日が当たらなかったということ。

ご案内したときはバルコニー側は更地だったと記憶していましたが、入居直後に戸建の建築が始まり、目の前に2階建てが建ってしまったようです。

洗濯物が乾きにくくなっただけでなく、強風の際は吹き溜まりのゴミが入ってくるなどの弊害が出たため、入居後の早い段階で解約を検討するようになったそうです。

別の物件を探して契約金を支払って、さらに時間とお金がかかる結果となってしまい、私としては大変申し訳ない気持ちになりました。

物件情報のウラ側

物件情報には駅から物件までの距離が記載されていますが、ここにも盲点があります。

それは信号待ちの時間は考慮されないということ。また坂道のある道路は通常よりも時間がかかりますが、1分80mで測定するのでどんなに高低差があっても距離で計測されます。

以前は直線距離で計測していたので、距離が離れるほど誤差が大きかったのです。

また、周辺環境にも注意が必要です。

駅によっては周辺が飲み屋街となっているところもあり、昼は静かでも夜は酔っ払いがたくさんいて、うるさくて眠れないということも十分考えられます。これは図面には載っておらず、実際に複数の道路を自分の足で歩いて初めて感じることができるものでGoogleのストリートビューでは把握しきれません。

したがって物件を見に行く際は部屋の中だけでなく、必ず周辺のお店などの住環境をしっかり把握するようにしましょう。

現地に足を運ぶ大切さ

物件を選ぶ際は、図面だけで判断したり営業の言うことを鵜呑みにせず、実際に駅からその物件まで歩いてみることが大切です。

朝、昼、夜と違う時間帯にその周辺を訪れて、そこで見たり聞いたりすることも重要な判断材料になります。

また、意外と指摘されにくいのですが、平日は問題なくても、金曜日や土曜日の夜は印象が異なることもあります。少々手間ではありますが、日時を変えて物件まで歩くこともおすすめです。

入念な下見が、後悔しない家探しにつながるかもしれません。


ライター情報:マネーピラミッド

不動産業界歴20年。不動産賃貸の仲介・管理を経験。独学で1級FP技能士、CFP認定者、宅地建物取引士に合格。長年の現場経験と資格に基づく専門知識により、顧客の課題解決に積極的に取り組んでいます。