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家具集荷で「不法侵入だ!出てけ!」と警察を呼ぶ夫。後日、集配員に知らされた“真相”に顔面蒼白…「胸が締めつけられる」

  • 2025.10.14
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。引っ越し・家具家電の集配をしているしーやんです。

引っ越しや家具・家電の集配業務の現場では、思わぬトラブルに遭遇することがあります。

今日は集配作業の中で最も記憶に鮮明に残っている「警察沙汰」のエピソードをご紹介します。

様々なトラブルを経験しましたが、これ以上のトラブルはこれまでもこれからもないと思います。

依頼があった家具を集荷に

戸建てにお住まいの女性から依頼があり、チェストの集荷に伺いました。お宅には依頼した女性が1人でいて、玄関先で女性の許可を得て室内へ入りました。

チェストは2階にあり、重量もあったため、男性社員と二人がかりで慎重に運び出す予定でした。

通常通り、チェストの縦、横、高さをメジャーで計測し、3辺の合計から料金を割り出す作業をし始めたそのとき、予想外の出来事が起こりました。

ご主人の帰宅、そして一変した空気

突然、玄関の扉が開き、スーツ姿の男性が入ってきました。

「誰だ!勝手に家に上がるな!」と大声を上げたのです。

私たちは驚きながらも、「奥さまからご依頼をいただき、許可を得て入っています」と説明しました。

しかし、ご主人の怒りは収まりません。「家長である自分の許しなしに入るのは不法侵入だ!」と主張し、ついには警察へ通報されてしまいました。

警察到着までの緊迫した時間

その場の空気は張りつめ、私たちは動くこともできませんでした。奥さまは何も言わず黙ったままでしたが、明らかに動揺しており、顔色も青ざめていました。

私たちは依頼内容を記した書類などを示しながら、できる限り冷静に事情を説明しましたが、ご主人は「出ていけ」の一点張り。

やがてパトカーが到着し、警察の方が間に入って事情を確認。

私たちも順に説明を求められました。

幸い、集荷依頼の履歴や奥さまの署名入りの書類があったため、警察の方も理解してくれて、チェストの集荷は後日ということになりました。

その後に知った衝撃の事実

数日後、上長から驚くべき話を聞きました。

集荷を依頼した女性は、ご主人から日常的に暴力を受けており、警察にも何度も相談していたそうです。

あの日は女性にとって、大切なチェストと共に「夫から逃げる日」だったのです。

その背景を知ったとき、胸が締めつけられる思いがしました。

そこで私はようやく、あのときの女性の不安げな表情の理由がわかりました。

現場で学んだ「対応力」と「想像力」

私たちの仕事は、単なる荷物運びではありません。

お客様一人ひとりの事情や背景があり、表には見えない事情を抱えていることもあります。

今回のようなケースでは、

  • 書面や依頼履歴を必ず携行する
  • 現場判断で勝手に進めず、確認を怠らない
  • 相手の感情や状況を察し、冷静に対応する

これらの基本が、何よりも大切だと痛感しました。

そのチェストの集荷は後日、別の社員によって行われました。作業を終えたあと、女性は「ありがとうございました」と、深々と頭を下げたそうです。

引っ越しや家具・家電の集配業務の現場では、人の人生が交差しています。

作業員としてできることは限られていますが、目の前にある「物」だけでなく、その奥にある「人の心」を大切にする姿勢を忘れずにいたいと思います。

予期せぬ現場ほど、プロの冷静さが試される

トラブルの現場は、いつどこで起きるかわかりません。だからこそ、「記録を残す」「感情的にならない」「人としての礼節を守る」。この3つを常に意識することが、信頼されるプロへの第一歩です。

引っ越しや集配の仕事は、単なる運搬作業ではなく、人と人との信頼関係で成り立つ仕事です。

あのときの経験は、私にとって一生忘れられない「教訓の現場」になりました。


ライター:しーやん

日本語教師をしながら、ライター業、引っ越し・家財の運搬業務をしております。現在は、鉄道、受付、テーマパークなど様々な業種で培った経験をもとに「正しい日本語で心に刺さる文章を」をモットーに執筆中。