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“料理は女性が作るもの”凝り固まった価値観に違和感も…初回から話題沸騰の『新火曜ドラマ』が“クセ”になるワケ

  • 2025.10.23

毎週火曜よる10時から放送中のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が、話題を呼んでいる。

女子は料理ができて当たり前という凝り固まった価値観を持っている海老原勝男(竹内涼真)と、その期待に応えようとがんばっていた山岸鮎美(夏帆)。結婚間近に思われたふたりだったが、鮎美は勝男のプロポーズを断るところから物語は始まる。

目立つ、勝男の化石ぶり

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【競馬中山】プレゼンターの竹内涼真 (C)SANKEI

とにかく、勝男の価値観が凝り固まっていることがよく分かったのが第1話だ。女性は料理を作ってしかるべき。鮎美の料理にダメ出しをするけれど、それも鮎美のことを思って言っている。悪気はない。

会社の後輩(男)が料理が好きだと言っているのに「彼女が料理を作ってくれないんだ」と決めつけ。

勝男にかかれば、バインミーはサンドウィッチと一緒だし、ベーグルとドーナツも一緒。周りに正す人もいたのだろうけれど、どうにも勝男は上から目線。こちらが嫌な思いをしてまで注意してあげたい、と思ってくれる人もいなかったのだろう。化石は化石のまま、スクスクと成長してしまった。

価値観が化石であることに意識が捉われてしまいがちだが、ファッションも全体的に昭和のトレンディドラマ風なのが気になる。出かけるときにハンドバッグを持っているのも、真面目に肌着を着ていたり、プロデューサー巻きも昭和の巻き方というか……。ダサい浮かないギリギリのラインを攻めている感じがすごい。おかげで常に勝男に対する違和感がまとわりつく。ただ、この勝男の感じが2話までですでにクセになっているし、だんだん応援したい気持ちになってくるから不思議だ。

誰かに合わせることに慣れてしまった鮎美

鮎美はそんな勝男の被害者なのか……というとちょっと違うように思う。彼女は彼女で異性にモテることに全ベットしていた。学生時代からモテテクを駆使していたし、勝男と付き合い始めてからは、勝男に愛されることだけに重点を置いていた。なぜなら勝男は優良物件なので。

付き合い始めてから、ふたりだけの世界にいた勝男と鮎美の価値観がアップデートされるはずがないのだ。勝男は鮎美のことしか見てないし、鮎美がOKだと言えば問題ない。「あなただけを見つめている」と言えば聞こえは良いけれど、それは「私は視野が狭いです」と言っているのと同義だ。

きっと、鮎美がもっと早い段階で「おかしい」と言えば勝男も考え方を変えただろう。後輩にアドバイスをされて、自分で筑前煮を作ってみようとする男なのだから。

ただ、鮎美も鮎美で、勝男がいいならそれでいいと思っていたタイプ。勝男がイエスと言えばイエスの世界線にいた。鮎美の場合は突然、外の世界に連れ出されて、ハッと自分の気持ちに気がついたのだろう。「私はこのままでいいんだろうか」と考え始めたところで、いつも通りの勝男を目の当たりにしたら、そりゃあ全てが色あせて見えてしまうに違いない。些細なきっかけが、ふたりの間の大きな亀裂となった。

あなたは勝男を笑えるか

鮎美も勝男も、それぞれ新しい相手と出会い、何かしらの発展がありそうな気配。大学生のころから、長く同じ相手と付き合っていたふたりの時間は止まってしまっていた。新たな出会いによって、ひとつ前の恋を忘れられるほどの変化が生まれるのかも注目ポイントのひとつだ。

もうひとつ、このドラマで気になるのが、果たして人は好きに生きられるのだろうか、ということ。凝り固まってしまっていた勝男や鮎美のことを笑う人もいるかもしれないけれど、はたと自分はどうかと振り返ってみる。ひとつの世界で生き続けてしまったら、どうしても価値観は固定化されてしまうし、視野は狭くなる。

鮎美を外の世界に連れ出したこととなる美容師の渚(サーヤ)だって、凝り固まった価値観を持っているかもしれない。異質なキャラクターたちが混ざり合う『じゃああんたが作ってみろよ』。

最終的に、それぞれがどのように変化していくのか、今から楽しみだ。


※記事は執筆時点の情報です