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管理栄養士「食べ過ぎは避けて」→体調不良を引き起こす場合も…注意したい『秋の味覚』とは?

  • 2025.10.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

秋になると、さまざまな美味しい食材が食卓に並びます。栗やさつまいも、きのこ、秋刀魚、柿など、季節の旬を感じられる「秋の味覚」は食欲をそそりますよね。ただ、管理栄養士の視点からは「食べ過ぎは避けて」との声も聞かれます。なぜなら、うっかり大量に食べてしまうことで体の調子を崩すことがあるからです。

今回は、特に注意したい秋の味覚を取り上げ、どのような理由で食べ過ぎに気を付けたいのか、その背景をわかりやすく解説します。

食べ過ぎに注意したい秋の味覚は…

秋の味覚は美味しいものが豊富ですが、注意が必要だと言われる食材が「銀杏」です。

銀杏はイチョウの木から取れる種子のことで、秋に収穫されます。一般的には薄い茶色の殻を除いた中身を炒めたり、煮たりして食べられることが多いです。香ばしい味わいとほのかな甘みが特徴で、栗やかぼちゃと並ぶ秋の味覚として親しまれています。特に居酒屋の定番おつまみとしても人気があります。

栄養面では、銀杏は炭水化物や脂質、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンCなどをほどよく含む食品です。また、独特の食感は加熱調理によって楽しむことができますが、生食は一般的に推奨されていません。殻の周りの臭いが苦手な人もいますが、その香りこそが銀杏ならではの味わいなのです。

ただし、銀杏には「ギンコール酸」や「メトキシピリドキシン」という成分が微量含まれています。これらは一定量を超えて摂取すると、体に負担をかける恐れがあるというのです。

銀杏を食べるときの注意点を知っておこう

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

美味しいからといって銀杏をたくさん食べたくなる気持ちはわかりますが、実は大量に摂取すると体調を崩す可能性も指摘されています。特に、子どもや体質的に敏感な人は注意が必要です。

銀杏には「メトキシピリドキシン」という成分が含まれており、これはビタミンB6の働きを妨げます。ビタミンB6は神経の興奮を抑える物質「GABA」の合成に必要なため、銀杏を食べすぎるとGABAが作られにくくなり、吐き気や痙攣などの中毒症状が出ることがあります。

中毒量の目安は、小児で5〜150粒、大人で40〜300粒とされていますが、個人差があり、特に子どもやビタミンB6が不足しやすい人は注意が必要です。お子さんは少量でも影響を受けやすいため、安全を優先し、5歳未満のお子さんには銀杏を食べさせないことをお勧めします。秋の味覚として楽しむ際は、食べ過ぎに気をつけましょう。

適量を守って秋の味覚を楽しもう!

銀杏は、秋の風物詩として昔ながらに愛されている食材です。その香ばしさやほのかな甘みは季節の料理を華やかに彩ってくれます。しかし、食べ過ぎによる体調不良の可能性もあるため、適量を意識することが賢い楽しみ方と言えそうです。

健やかな秋の食卓を楽しむために、銀杏の正しい知識を持って、季節の味を満喫してみてはいかがでしょうか。


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(InstagramブログX

管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。