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『寿司』にガリは必要?→管理栄養士が教える“一緒に食べる目的”とは

  • 2025.10.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

寿司を楽しむとき、必ずと言っていいほど一緒に出されるのが『ガリ(ショウガの甘酢漬け)』です。多くの人が「口直し」や「さっぱりさせるため」と思っていますが、実はガリにはもっと深い意味や目的があることをご存知でしょうか?

管理栄養士の視点から、寿司にガリは必要なのか、その理由や背景について分かりやすく解説します。

ガリの役割とは?味覚のリセットと口内環境をサポートする存在

まず、ガリが寿司に添えられる理由について考えてみましょう。ガリはショウガを甘酢に漬けたもので、その爽やかな酸味と辛みが特徴です。口の中をリセットし、次に食べる味を楽しむための“箸休め”的な役割があります。

さらに、ガリには殺菌効果があり、口内のさっぱり感をもたらし、魚の生臭さを和らげるだけでなく食中毒を予防する効果もあります。

ガリは健康面でも役割があった

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、健康面でのガリの役割についても紐解いていきます。ショウガは古くから食養生としても知られており、 血行促進や消化サポート効果があり、寿司の生魚による冷え対策にも有用です。

また、ショウガに含まれるジンゲロンという成分には、脂肪の燃焼効果があったり、香り成分のガラノラクトン、辛み成分のジンゲロールには咳やのどの痛みを緩和したりする効果もあります。一方で、ガリはたくさんの砂糖と塩、酢で漬けられているので、糖質を控えている方や、塩分を控える必要のある方は、特に食べすぎに注意が必要です。

管理栄養士の観点から『寿司』にガリは必要かどうかを考えたとき、ガリは「寿司ネタと一緒に味のコントラストを楽しみつつ、口内環境をリフレッシュする役割」がある食材ですが、絶対に必要というわけではなく、好みや食べるネタによって有無を選んでも問題ありません。特に、脂の多いネタや濃い味付けの寿司の後に取り入れると、その効果をより実感しやすいでしょう。

ガリと一緒に寿司を楽しんでみよう

寿司にガリが「絶対に必要」とは限らないものの、味の調整や衛生面、文化的な側面から見て意義のある存在であることがわかります。食べる人の好みや体調、シーンに応じてガリを取り入れるとよいでしょう。

例えば、脂の多いネタを食べたあとや濃い味付けの寿司を味わうときは、ガリを食べると味の切り替えや口内のリフレッシュに役立ちます。さまざまな役割をサポートするガリ。今まで食べたことがなかった人は、一度その魅力を試してみてはいかがでしょうか。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。