管理栄養士「なるべく食べて」　『脂肪肝』予防に効果的だった…積極的に取り入れたい『食材』とは

脂肪肝は今や珍しい病気ではなく、気付かないまま抱えている人も多い生活習慣病のひとつです。以前は成人の肥満者に多いイメージでしたが、現在では痩せている人や若い世代注意が必要とされています。

そんな中、管理栄養士も「なるべく食べてほしい」と推奨する食材があることをご存じでしょうか？今回は脂肪肝の予防に効果的な食材について、わかりやすく解説していきます。

じわじわ広がる脂肪肝の悩みと食生活の関係性

脂肪肝は肝臓に脂肪がたまり、正常な働きが妨げられる状態を指します。原因は過食や偏った食生活、運動不足、肥満に加え、アルコールの飲みすぎなどさまざま。初期は自覚症状が少なく気づきにくいことから、「知らないうちに症状が進んでいた」という方も多いのが現状です。

また近年は、糖質の摂りすぎや質の悪い脂質も脂肪肝の原因になることもわかっています。そこで注目されているのが、「食物繊維」や「難消化性デンプン」などの成分です。これらは腸内環境の改善や血糖コントロールに役立ち、結果的に肝臓への負担軽減につながると考えられています。

グリーンバナナが脂肪肝予防に理想的な理由と活用法

そんな脂肪肝の予防に効果的とされているのは「グリーンバナナ」です。まだ熟していない青めのバナナのことで、黄色いバナナよりデンプンが多く、デンプンの含有量が多く、中でも難消化性デンプン（レジスタントスターチ）を豊富に含みます。難消化性デンプンは小腸で吸収されにくく、大腸で善玉菌のエサとなることで腸内環境を整え、炎症の抑制や脂肪代謝改善に効果が期待されているのです。

グリーンバナナの摂取が血糖値の上昇を緩やかにする効果や、インスリン抵抗性の改善に役立つという効果が報告されており、脂肪肝の進行抑制につながる可能性があるとされています。特に脂肪肝予防のためには、糖質の量だけでなく、その種類や質を調整することが大切で、グリーンバナナの成分はこの点で理想的といえます。

ただし、グリーンバナナは黄色いバナナと違って、生のままだと固くて食べづらいため調理して食べる必要があります。茹でたり蒸したりして消化しやすくすると良いでしょう。カレーやスープに加えたり、マッシュしておかずの付け合わせにするのもおすすめです。継続的に適量を取り入れることで、腸活と肝臓ケアの両方に効果を期待できます。

栄養豊富なグリーンバナナを日常に取り入れてみて

脂肪肝の予防・改善には、バランスの良い食生活が基本ですが、グリーンバナナはその助けとなる存在です。食物繊維豊富で、血糖値や脂肪代謝のコントロールに役立つ難消化性デンプンを含むため、肝臓の負担軽減や脂肪肝の悪化予防に効果的だとされています。

グリーンバナナは、普通のスーパーではあまり見かけませんが、業務用食材を取り扱うスーパーや、輸入食品店、アジア食材店、通販などで手に入ります。最近は冷凍品や粉末タイプ（グリーンバナナフラワー）を扱っているお店もあります。

無理な食事制限をするより、“続けやすい形で少し取り入れる”のがポイントです。グリーンバナナを活用して、脂肪肝予防に前向きに取り組んでみませんか？

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監修者：工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。