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「もはや犯罪」「到底受け入れられない」放送から55年、今なお物議醸すも…だけど「虜になった」“大ヒットを記録”した名ドラマ

  • 2025.10.24

時を経てもなお、多くの人々の心に深く刻まれる名作たち。派手な話題や高視聴率に左右されず、それぞれ独自の世界観や物語の力で、観る者を引き込み、忘れられない感動や衝撃を与え続けています。本シリーズでは、そんな“語り継がれる名作”の中から、特に印象深い作品をピックアップ。本記事では第3弾としてドラマ『おくさまは18歳』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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松坂慶子(1970年頃撮影)(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『おくさまは18歳』(TBS系列)
  • 放送期間:1970年9月29日〜1971年9月28日
  • 出演:岡崎友紀、石立鉄男、松坂慶子

高校3年生の飛鳥(岡崎友紀)は、病気の祖母の「花嫁姿を見たい」という願いを叶えるため、許嫁であり高校教師の高木哲也(石立鉄男)と結婚します。しかし、二人が通う学校の学園長から「結婚していることがバレたら、哲也は退職、飛鳥は転校」という厳しい条件を突きつけられ、秘密を守りながら学園生活を送ることに。女生徒に大人気の哲也と、男子生徒の視線を集める飛鳥は、それぞれの周囲の関心や好奇心に振り回されながらも、ドタバタ劇を繰り広げます。授業やクラブ活動、休み時間や放課後の学校生活の中で、二人は秘密の結婚生活を隠すために奮闘し、思わぬトラブルやハプニングに巻き込まれます。甘酸っぱい恋愛模様や笑いあふれる日常、そして二人の絆の成長が描かれ、視聴者を笑いと胸キュンで包み込むラブコメディです。秘密を守り抜けるのか、そして飛鳥の祖母の願いは叶うのか――。見逃せないドキドキの学園新婚生活が始まります。 

教師も生徒もドキドキ!誰にも言えない新婚生活

1970年、放送開始と同時に視聴者を騒然とさせたラブコメディドラマ『おくさまは18歳』。主人公は、まだ18歳の高校生・飛鳥と、彼女の許婚であり教師の高木哲也。新婚夫婦として学園生活を送る二人の秘密は、教室でも廊下でも、ドキドキの連続です。原作は本村三四子による人気少女漫画で、秘密の結婚生活に潜む甘酸っぱい恋模様とトラブルが、当時の視聴者を釘付けにしました。

当時のテレビ界では若者向けのラブコメディが人気を集めており、岡崎友紀さんのアイドル的な人気を活かした企画としてスタートしました。岡崎友紀さんはこの作品で一躍スターとなり、彼女の明るく元気なキャラクターが視聴者の心をつかみました。 

その中でも松坂慶子さんの演技は、若々しくも芯のある存在感で、エミというキャラクターに深みを与えました。エミは一見クールで勝気な印象を持ちながらも、飛鳥とのやり取りを通じて人間味のある一面を見せていきます。彼女の自然体でありながらも力強い演技は、後の大女優としての片鱗を感じさせるものでした。視聴者からは「美しくて気品がある」「演技に説得力がある」といった声が多く寄せられ、彼女のキャリア初期の代表的な出演回の一つとなっています。

この作品のヒット要素としては、まず「高校生が結婚している」という当時としては斬新な設定が視聴者の好奇心を刺激しました。また、秘密を抱えながら日常を送るスリルと、恋愛の甘酸っぱさが絶妙にミックスされており、毎回の展開にドキドキさせられる構成が人気の理由です。驚異的な視聴率を記録し、岡崎友紀さんはテレビ大賞新人賞を受賞。主題歌もヒットし、ドラマと音楽の相乗効果で社会現象的な人気を博しました。

結婚は秘密、でも恋は全力――学園ラブコメの決定版

今作のヒットの大きなポイントは、なんといっても大胆なストーリー設定です。高校生の主人公・飛鳥が、通っている学校の教師と秘密裏に結婚しているという斬新な設定は、お茶の間を驚かせ、大ヒットを記録。

SNSでは、「令和の価値観では到底受け入れられない」「もはや犯罪」とリアルな意見がある一方で、「当時は夢のようなラブストーリーだった」「魅力的だった」「虜になった」など、今なおこの作品に対する感想が多く見られます。

また、人気の高さからメインキャストを引き継いだ続編ドラマ『なんたって18歳』が制作されたことも、当時の熱狂ぶりを物語っています。スピンオフのような構成は、今のドラマ制作にも通じる先駆的な試みだったと言えるでしょう。

時代を超えて語られる『奥様は18歳』は、昭和のテレビドラマの自由さと挑戦精神を象徴する作品として、今なお多くの人々の記憶に残っています。


※記事は執筆時点の情報です