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「再放送は絶望的」約25年間“封印されている”幻の一作…「死ぬまでにもう一度観たい」“切望の声”が続出する神アニメ

  • 2025.11.2

アニメの中には、さまざまな事情から再放送や配信が叶わず、“幻の名作”と呼ばれる作品があります。今回は、そんな中から"地上波放送が不可能と囁かれる名作アニメ"を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、アニメ『キャンディ・キャンディ』(NET:現テレビ朝日系)をご紹介します。昭和の少女漫画ブームをけん引し、社会現象を巻き起こした本作が、なぜ地上波から姿を消したのか――その封印の真相とは?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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  • 作品名(放送局):アニメ『キャンディ・キャンディ』(NET:現テレビ朝日系)
  • 放送期間:1976年10月1日 - 1979年2月2日
  • 出演声優:松島みのり( キャンディ役)

孤児院「ポニーの家」で育った少女キャンディ(CV:故・松島みのりさん)は、名門アードレー一族のラガン家に引き取られます。そこの子どもたち、ニール(CV:小宮山清)とイライザ(CV:中谷ゆみ)にいじめられながらも、キャンディは持ち前の明るさで苦境を乗り越え、丘の上で出会った初恋の少年によく似たアンソニー(CV:井上和彦)と心を通わせるように。

しかし、幸せな時間は長くは続きません。狐狩りの最中、アンソニーが落馬し、命を落としてしまうのです。キャンディは深い悲しみを抱えながらも、それでも前を向き、ロンドンの名門・聖ポール学院へ留学します。そこで、不良少年テリュース(CV:故・富山敬さん)通称・テリィと出会いました。最初は衝突ばかりだった二人でしたが、次第に惹かれ合い、いつしか恋に落ちていきます。けれども、テリィに思いを寄せるイライザの策略によって、退学処分になってしまう二人。

その後、テリィは俳優を志して劇団に入団し、キャンディはロンドンを離れて再びアメリカへ戻ります。シカゴの看護学校に入学した彼女は、白衣の似合う看護婦として患者に寄り添いながら、新たな日々を重ねるのですが――。

世界を魅了した昭和の少女漫画――国境を越えて愛された理由とは

漫画『キャンディ・キャンディ』は、原作を水木杏子名木田恵子)さん、作画をいがらしゆみこさんが担当し、1975年に講談社の少女漫画誌『なかよし』で連載がスタートしました。

20世紀初頭のアメリカとイギリスを舞台に、孤児の少女キャンディがさまざまな出会いや別れを通して成長していく物語で、少女漫画史に残る名作として知られています。

連載はたちまち人気を集め、1976年から1979年にかけてテレビアニメ化され、全115話が放送されました。主人公キャンディを演じた故・松島みのりさんの明るく芯のある声は、今もなお多くの人々の記憶に深く刻まれています。

そばかすなんて気にしないわ」のフレーズで知られる主題歌『キャンディ・キャンディ』(歌:堀江美都子)は、当時の子どもたちの間で大ヒット。関連グッズも次々に発売され、最盛期にはキャラクター人形が年間200万個を売り上げる社会現象となりました。

当時を知る世代からは「昭和の少女マンガの傑作」「何度見ても心が動かされる」といった声が寄せられています。「歴史と恋模様が交差する名作」「最高傑作」と称されるように、本作はまさに昭和を象徴する不朽の名作アニメです。

さらに、戦争や身分の違いを通して、「人を思う優しさ」や「前向きに生きることの大切さ」が丁寧に描かれ、恋愛だけにとどまらない深い人間ドラマとなっています。日本だけでなく、フランスや韓国、中国・香港など、国境を越えて多くの人々に愛された作品です。

著作権トラブルと“封印”された名作

『キャンディ・キャンディ』は、1970年代に社会現象を巻き起こした名作でありながら、今もなお再版や再放送が叶わない“封印作品”として知られています。

その理由は、原作者の水木杏子さん(名木田恵子)と、作画を担当したいがらしゆみこさんの間で起きた著作権トラブルにあります。

1990年代後半、いがらしさんが原作者の同意を得ないまま、キャンディのキャラクターを使ったリトグラフや絵はがき、グッズなどを販売したことが発端となり、水木さん側が著作権侵害を主張して提訴しました。

この訴訟は「キャンディ・キャンディ事件」と呼ばれ、長期にわたる法廷闘争の末、2001年10月25日に最高裁判所が水木さん側の勝訴を確定させました。

判決では、「『キャンディ・キャンディ』の連載漫画は、原作者が創作した物語をもとに、作画者が絵を描いた二次的著作物である」と認定され、作品の作成・複製・販売には、原作者と作画者の双方の合意が必要であると示されました。しかし、この最高裁判決の後も作画者は態度を改めず、結果として原作者との関係は完全に断たれてしまったといいます。

そのため、漫画の再版やアニメの再放送、DVD化や配信、関連商品の販売など、あらゆる形での再展開が極めて難しい状況です。

特にアニメ版は、1976年から1979年に放送された本編以降、2001年の再放送を最後に地上波から姿を消し、現在(2025年)まで約25年間放送されていません。

この“封印”により、DVDや配信は存在せず、コミックスも長く絶版のままです。中古市場ではコミック全9巻セットが高額で取引されるなど、いまや幻の名作となりました。

SNSでは今も、「著作権トラブルで泥沼化なんて残念」「再放送は絶望的」「悲しすぎる」「死ぬまでにもう一度観たい」「再放送してほしい」といった声が絶えません。

放送が途絶えた今もなお、『キャンディ・キャンディ』は“地上波放送が不可能な名作アニメ”として、多くの人々の心に生き続けています。


※記事は執筆時点の情報です