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「地上波でやっていいの?」“まさかのドラマ化決定”に原作ファン騒然…だけど「生きがいになった」反響を呼んだ名ドラマ

  • 2025.11.2

観客の倫理観や社会通念を揺るがす過激な表現。タブーに挑んだ描写は時に物議を醸し、批判や苦情の的となることも…。しかし、その衝撃は人々の記憶に深く刻まれ、時を超えて「名作」として語り継がれています。そこで今回、視聴者に衝撃を与えた数々の作品を5つセレクト。

“過激描写に衝撃走る名作 第1弾”として紹介するのは、ドラマ『こういうのがいい』です。“恋愛”という言葉に縛られず、飽きたらすぐ離れられ、でもまた戻れる関係を描いたこの作品は、現代の恋愛基準をあざ笑うように、ゆるくて大胆な“自由な大人の恋”が描かれています。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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写真集「みれい」の発売記念イベントを行った田中美麗(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『こういうのがいい』(朝日放送テレビ系)
  • 放送開始日:2023年10月22日
  • 出演者:西山潤、田中美麗、岸明日香、冨手麻妙、青山凌大 ほか

村田元気(西山潤)は、恋人をつくることにも、深く関わることにも疲れてしまった20代の青年。そんな彼の前に現れたのは、同じように“誰かと一緒にいること”に疲れた女性・友香(田中美麗)。二人は「恋人でも、ただの友達でもない関係」を提案し合い、“フリーダムフレンド(フリフレ)”というルールで過ごし始めます。恋人のように一緒に過ごす夜もあれば、まるで他人のように距離を取る日もある。気楽で、傷つかず、束縛もない――そんな“軽さ”を理想とした関係が、いつしか少しずつ形を変えていきます。

友香の過去、村田の不器用さ、そして二人の間に流れる微妙な温度差。それは恋愛とも友情ともつかない“心の重なり”であり、現代を生きる大人のリアルを静かに映し出していきます。夜明け前のコンビニ、ラブホテルの朝、バイト帰りの会話。何気ない日常の一コマ一コマに、“こういうのがいい”と感じる瞬間が散りばめられています。

原作ファンも驚いたドラマ化…過激さを描いた名作

今作は、双龍さんによる原作漫画『こういうのがいい』(集英社 ヤングジャンプ コミックス刊)の実写化作品です。実写ドラマ化が発表されると「地上波でやっていいの?」「ドラマ化できる?」と驚きを感じたファンもいたようです。

しかし、放送を観た原作ファンは「正直不安だったけどドラマ版もいい!」「マンガとはやっぱ違うけどこれはこれでいいな」と好評を集めました。さらには、「生きがいになった」という声も見られ、それも、各エピソードに散りばめられた細かい心理描写や丁寧な表現の賜物といえるでしょう。

“フリーダムフレンド(略してフリフレ)”という、恋人でもなければただの友達でもない――そんな新しい関係性を描いた本作。ドラマ『こういうのがいい』の“過激さ”は、刺激的な描写よりも、むしろその“静けさ”と“等身大のリアル”にあります。

まず第2話では、村田(西山潤)と友香(田中美麗)がホテルで夜を明かしたあと、朝の光の中でハンバーガーショップに立ち寄るシーンが印象的です。“非日常”の夜から、“いつもの日常”へ。二人はまるで何事もなかったように、ハンバーガーとコーヒーを手に穏やかに会話を交わします。そこにあるのは熱や衝動ではなく、淡々とした優しさと距離感。恋愛の余韻を“冷ます”ような描写にこそ、今の時代らしい“過激さ”が潜んでいます。

続く第5話では、男女の“性癖”というテーマがさりげなく差し込まれます。ファッションや体型、そして“におい”への無意識な反応。一歩間違えばセンシティブな話題を、軽やかでリアルな会話の中に溶け込ませることで、キャラクターたちの人間味が浮き彫りになります。観ているこちらが少しドキッとする瞬間もありつつ、笑いと照れくささのバランスが絶妙です。

第6話では、「睡眠欲・性欲・食欲」という三大欲求が登場。昼過ぎまで寝て、寝起きのまま過ごす二人の姿が描かれます。だらしなく見えるシーンの中に、“欲望に素直であることの自由さ”が映し出されていて、観る人の心をふっと軽くするような解放感があります。“過激”というよりも“正直”。ありのままの生き方を肯定するようなトーンが、本作全体に流れています。

恋人未満、でも他人以上。そのあいまいな関係の中に生まれる静かなユーモアリアルな息づかい――それこそが、『こういうのがいい』の本当の“過激さ”なのかもしれません。

自分らしい価値観を見つめるきっかけにーーぜひ一度ご覧ください

『こういうのがいい』は、恋でもなければ友情でもない“その先”を、ゆるやかに、でも確かに描いたドラマです。西山潤さん、田中美麗さんの演じる村田と友香は、追いかけるでも追われるでもない、ただ“隣にいる”関係を選びました。好きになること、付き合うこと、束縛すること…すべてが選択肢であって義務ではない。

そんな価値観が画面を通して伝わってきます。こういうのがいい――その言葉の余韻を、あなたもきっと味わうはずです。


※記事は執筆時点の情報です