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物語に深みを与える実力派俳優の“静かな説得力”「第1話から泣けた」「素晴らしい」絶賛の声が広がる“秋の新ドラマ”

  • 2025.10.20
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月10『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』(C)カンテレ・フジテレビ

10月13日から放送が開始した『終幕のロンド ーもう二度と、会えないあなたにー』。これまで数々の名作を生み出してきたカンテレと草彅剛によるタッグ作として、放送前から高い注目を集めていた本作。第1話は、主人公・鳥飼樹(草彅剛)の遺品整理人という職業を通して、故人を想うことを丁寧に描く回となった。

※以下本文には放送内容が含まれます。

故人の思いを、遺族に伝える仕事

樹が勤めているのは、遺品整理会社『Heaven’s messenger』。遺族からの依頼を受け、自宅のクリーニングや遺品の処分などをおこなう。第1話で描かれたのは、山崎直哉(吉村界人)から依頼された遺品整理の業務だった。山崎は幼い頃に別れて以降、再会することなく孤独死した母・柳原美和子(正木佐和)の自宅の整理を依頼してきたのだ。

山崎は幼い頃に自分を捨てた母に対して、ドライな態度を見せ、遺品整理に立ち会うことはせず、残されたものはすべて処分していいと告げる。そんな山崎の態度に影響されることなく、丁寧に業務を行っていく樹。新人・久米ゆずは(八木莉可子)には、自宅に残された痕跡から見える美和子の生活の豊かさを話して聞かせていた。自宅には生活の痕跡が残るものだ。その痕跡からは、故人がどのような暮らしを送っていたかが見えてくる。

美和子の自宅に残されたよだれかけをつけたくまのぬいぐるみ。ゆずはは、樹からレクチャーを受けた通り、生活の跡から見える美和子の思いに寄り添い、そのぬいぐるみの存在を山崎に伝えたいと言い出す。そして、自宅に残された山崎名義の通帳。その2つからは、美和子が抱え続けた山崎への愛情と後悔が受け取れた。

美和子は、山崎に思いが伝わらなくてもいいと思いながら生きてきたのかもしれない。しかし、ドライながらも自分を捨てた母の遺品整理を依頼したことで、山崎は思いがけぬ愛情というギフトを受け取ったのだ。亡くなっていたとしても、遺された思いは人の心をあたため、未来を生きる糧になる。樹らの丁寧な仕事ぶりは、美和子の愛情と山崎のわだかまりをほぐすことができた。

複雑な家庭環境と実の母との関係

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月10『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』(C)カンテレ・フジテレビ

遺品整理業の尊さが描かれる一方で、ヒロイン・御厨真琴(中村ゆり)が置かれている状況は複雑だ。

御厨家の専務・御厨利人(要潤)の妻の立場を持ちながら、新人絵本作家としての一面を持つ真琴。順風満帆に見えるが、義理の母・御厨富美子(小柳ルミ子)には子どもを急かされており、絵本作家としての活躍も喜ばれていない様子。利人は、富美子の態度に口を挟むことなく、真琴との性行為も不妊治療も拒否している。

また、御厨家からは、真琴の母・鮎川こはる(風吹ジュン)が清掃業で働き続けていることに対して、苦言を呈されている状態だ。穏やかな空気が流れる樹の日常とは対照的に、真琴の日常は外聞やプライドに支配され、殺伐としている。

真琴もそんな日常に辟易としている様子ではあるが、真っ向から立ち向かうこともできないようだ。そして、その焦りや憤りをこはるにぶつけているように見えた。一方、こはるは病により、余命がいくばくもない状態だ。こはるが、『Heaven’s messenger』に生前整理を依頼したことで、樹と真琴は出会うことに。

終盤には、樹が真琴とのやりとりをきっかけに、自身が妻を亡くした時の後悔、妻が残したものを受け取った時の気持ちを思い出す場面があった。樹は自分自身が遺された者だからこそ、故人と遺族に寄り添うことができるのだ。

SNSでは、「第1話から泣けた」「草彅さんの演技が素晴らしい」と、物語の題材とそれを表現する俳優の芝居に好評の声が集まっている。近い将来、真琴も遺された者になる。そんなことは知らずに自分のことでいっぱいいっぱいの日常を送る真琴は、樹というこれまでとは違った価値観を与えてくれる存在に、どのように心を開いていくことになるのだろうか。


カンテレ・フジテレビ系 月10『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』毎週月曜よる10時~

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202