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3.1 フィリップ リム、新章へ。CEOウェン・ゾウ&新デザイン責任者ミシェル・リー 国内独占インタビュー

  • 2025.9.9
(左)ミシェル・リー(右)ウェン・ゾウ
(左)ミシェル・リー(右)ウェン・ゾウ

2024年11月、共同創業者でありクリエイティブ・ディレクターのフィリップ・リムが退任。以降、3.1 フィリップ リム3.1 PHILLIP LIM)は、共同創業者兼CEOのウェン・ゾウのもと、新たな歩みを始めた。21年目を迎えるいま、ゾウは“3.1 re-rooted(原点への力強い回帰)”を掲げ、ブランドの核である「レジリエンス」「コミュニティ」「アジアン・アメリカンのスピリット」を再び前面に打ち出す。

この新章を象徴する存在として、ミシェル・リーがヘッド・オブ・デザインに就任。マーク ジェイコブスMARC JACOBS)やデレク ラムDEREK LAM)で経験を積み、自身のブランドも手がけてきた彼女は、2026年春夏コレクションで初めて3.1 フィリップ リムのクリエイションを披露する予定だ。

今回、『VOGUE JAPAN』のためだけに、ゾウとリーが国内独占インタビューに応じてくれた。未来のビジョン、日本への思い、そして新章への抱負を語る。

──新たにヘッド・オブ・デザインに就任された今のお気持ちをお聞かせください。

リー: この新たな役割を担うことになり、胸の奥深くから光栄と感謝の念が湧き上がっています。3.1 フィリップ リムは、私にとってニューヨークファッションの世界観を形づくり、デザイナーとして歩む道を照らし続けてくれた存在です。 そのブランドの歴史を引き継ぎ、新たな章を共に紡いでいけることを、言葉では言い尽くせないほど誇りに思います。 これから広がっていく未来に、心が高鳴り、期待で満たされています。

──「アジアン・アメリカン・スピリット」をブランドの核に掲げていますが、日本のファッションやカルチャーから影響を受けたこと、また特にインスピレーションを感じる点があれば教えてください。

リー: 日本文化を見つめるとき、その美学と哲学には常に深い感動を覚えます。 たとえば「生け花」に宿る精神は、簡素さの中に繊細な緊張感を秘め、静けさと複雑さが響き合う姿を体現しています。 ファッションにおいても、日本の人々は驚くほど自然体でありながら、いつも凛とした存在感を放っていると感じます。流行を追うことなく、無理をせず、それでいて常にタイムレスで、奥行きがあり、シルエットに対して直感的で研ぎ澄まされた感性を持っている。 本能と知性が調和するそのスタイルは、私が自身のデザインで探し求めている直観的なバランスと重なり、深い共鳴を覚えます。

──今後、日本のクリエイティブコミュニティやファッションシーンとの関わりやコラボレーションについて、どのような可能性を描いていますか。

ゾウ: 可能性は無限に広がっています。想像力を解き放てば、その先には限りない未来が待っているのです。 3.1 フィリップ リムが信じてきたのは、常に「コミュニティの力」。国境を越え、美と実用性、そして対話という普遍の価値観を通じて人々をつなぐ創造性です。 日本と向き合うときに思い描くのは、伝統と革新が寄り添い、クラフトが「身にまとう芸術」へと昇華する場所です。ニューヨークのブランドと日本のブランドが対話を重ねることで生まれるのは、単なるファッションを超えたもの。衣服を文化とし、つながりとし、生き方そのものと捉えるグローバルな視座です。

──日本の読者へのメッセージをお願いします。

ゾウ: この20年余り、私たちを支えてくださったのは、日本の家族のような存在である皆さま、友人、ファン、パートナー、仲間、そして大切なお客様です。その揺るぎない愛とサポートに、心から感謝いたします。 そして今、私たちは共に「Chapter 2」へと歩みを進めます。どうかこの旅路にご一緒ください。美が確かな意味を持ち、創造性が恐れを知らず、そして常にコミュニティがその中心にある世界を、共に紡いでまいりましょう。 20年以上にわたるご支援に、改めて深い感謝を申し上げます。近いうちに、皆さまと直接お会いできる日を心待ちにしています。

初コレクションは2025年09月11日から開催される、ニューヨーク・ファッションウィーク期間中にお披露目される予定だ。ニューヨークを代表する存在であり続ける3.1 フィリップ リムが描く、新たな物語に期待したい。

Photos: Courtesy of 3.1 Phillip Lim

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