1. トップ
  2. おでかけ
  3. ヴェネチア国際映画祭2025、ジム・ジャームッシュ監督作『Father Mother Sister brother』が最高賞の金獅子賞! ガザの悲劇を描く『ヒンド・ラジャブの声』は審査員大賞

ヴェネチア国際映画祭2025、ジム・ジャームッシュ監督作『Father Mother Sister brother』が最高賞の金獅子賞! ガザの悲劇を描く『ヒンド・ラジャブの声』は審査員大賞

  • 2025.9.8
2025 Winners Photocall - The 82nd Venice International Film Festival

第82回ヴェネチア国際映画祭が9月6日(現地時間)に閉幕し、ジム・ジャームッシュ監督の『Father Mother Sister brother(原題)』が最高賞の金獅子賞に輝いた。金獅子賞の最有力候補とされていたカウテール・ベン・ハニア監督の『ヒンド・ラジャブの声』は、審査員大賞の銀獅子賞を獲得。総合格闘家マーク・ケアーの半生を描く『The Smashing Machine(原題)』で単独監督デビューを果たしたベニー・サフディに監督賞にあたる銀獅子賞が贈られた。

『Father Mother Sister brother(原題)』で、3つの異なる家族とその力関係を描き、自身初となる金獅子賞に輝いたジャームッシュ監督は、トレードマークのサングラスをかけて授賞式に登壇し、「なんてことだ。我々は受賞をモチベーションに映画制作をしているわけではありませんが、これは本当にありがたいです」と述べ、「我々の静かな映画」を評価した審査員と観客に感謝。「芸術は、政治を直接描かずとも、政治的であることができる。芸術が共感を生み出し、それが問題解決へ向けた第一歩になるのです」と語った。

2025 Winners Photocall - The 82nd Venice International Film Festival

銀獅子賞を受賞した『ヒンド・ラジャブの声』は、ガザでイスラエル軍に殺害された5歳のパレスチナ人少女ヒンドの実話を基にした作品。ブラッド・ピットホアキン・フェニックスルーニー・マーラアルフォンソ・キュアロン監督らが製作総指揮に名を連ね、プレミア上映後に20分超のスタンディングオベーションを受けた。ベン・ハニア監督はスピーチで、パレスチナ赤新月社とガザで救護活動を行う最前線の「英雄」たちに、この賞を捧げるとして、こう続けた。

「ヒンドは世界に対し、助けを求めて叫び声を上げましたが、誰からも反応を得られませんでした。責任が追及され、正義がなされるまで、彼女の声は響き続けるでしょう。映画は、彼女を生き返らせることも、彼女に向けられた残虐行為を消し去ることもできません。しかし、彼女の声が失われないよう守ることはできます」

なお、本年度の審査委員長を務めたアレクサンダー・ペインは、この受賞結果についてこう話している。「映画祭のフェアでないところは、本来優劣などない作品同士を比べ、評価しなくてはならないところです。審査員として、我々は両作品をそれぞれ異なる点で評価し、平等に大切に扱いました。それぞれが重要な意味を持つ作品として、長く残ってほしいと願います。そして、今夜我々が授与した賞が、それぞれの形で、両作品の助けとなることを願っています」

第82回ヴェネチア国際映画祭の主な受賞結果

金獅子賞 ジム・ジャームッシュ監督『Father Mother Sister Brother(原題)』

銀獅子賞(審査員大賞) カウテール・ベン・ハニア監督『ヒンド・ラジャブの声』

銀獅子賞(監督賞) ベニー・サフディ『The Smashing Machine(原題)』

男優賞 トニ・セルヴィッロ『La grazia(原題)』

女優賞 シン・ジーレイ『The Sun Rises on Us All(原題)』

Text: Tae Terai

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる