1. トップ
  2. 「これは辛い」「衝撃…」遂に迎えた“まさかの最終回”に抗議殺到…だけど「全人類観るべき」歴史に刻まれる傑作ドラマ

「これは辛い」「衝撃…」遂に迎えた“まさかの最終回”に抗議殺到…だけど「全人類観るべき」歴史に刻まれる傑作ドラマ

  • 2025.9.27

ドラマの世界には、ただ面白いだけでなく、観る者の心を鷲掴みにして離さない魅力を持つ作品があります。その作品ならではの世界観とキャラクター描写は、私たちを現実から引き離し、物語の中に完全に没入させてくれます。今回は、そんな“虜になる名ドラマ”5選をセレクトしました。

本記事では第1弾として、1968年放送のドラマ『男はつらいよ』(フジテレビ系)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“虜になる名ドラマ”『男はつらいよ』

undefined
舞台主演の女優・長山藍子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『男はつらいよ』(フジテレビ系)
  • 放送期間:1968年10月~1969年3月

あらすじ

家出をしてから約18年、フーテンの車寅次郎(渥美清)が故郷の柴又へと帰ってきました。叔父のおいちゃんこと竜造(森川信)や叔母のおばちゃんことつね(杉山とく子)、そしてたった一人の妹・さくら(長山藍子)との感動の再会を果たします。

しかし、そのお調子者で破天荒な性格から、すぐに家族と衝突して家を追い出されてしまいます。翌日、寅次郎は家に戻るも再び旅に出ると、幼い頃の恩師である坪内散歩(東野英治郎)を訪ねました。そこで寅次郎は、坪内の娘で幼馴染みの冬子(佐藤オリエ)に一目惚れしてしまい―。

ドラマ『男はつらいよ』の見どころ※ネタバレあり

ドラマ『男はつらいよ』は、1968年から1969年にかけてフジテレビ系列で放送された、山田洋次さん原案・脚本のテレビドラマです。後に全50作に及ぶ国民的映画シリーズの原点となった作品であり、主人公の車寅次郎を渥美清さん、その妹さくらを長山藍子さんが演じました。物語の基本的な設定はこのテレビドラマ版で確立されましたが、映画版とは一部のキャストや寅次郎の人物描写に違いが見られる点が特徴です。

本作では寅さんだけではなく、破天荒な兄に振り回される妹・さくらを演じた長山さんの演技も見どころです。特に、最終回で見せた兄を必死に想うがゆえの感情的で生々しい演技は、心を揺さぶられるほどの迫力がありました。長山さんの演技に対して、作品を視聴した方からは「狂気に入り込んだ演技が凄みがあって素晴らしい」「長山藍子の演技も涙を誘います」と絶賛のコメントが寄せられていました。

そんな本作ですが、あまりにも衝撃的な最終回が今もなお語り継がれています。全26回という壮大な物語の結末は、なんと旅先の奄美大島で、寅さんがハブに咬まれてあっけなく死んでしまうというものでした。人気を集めていたこともあり、放送局には寅さんの死を惜しむ熱烈なファンからの抗議が殺到。近年のSNSでも「これは辛い」「衝撃…」など、悲劇的な幕切れに驚きをあらわにする方からのコメントが多く投稿されています。

衝撃の最終回に抗議殺到→映画化…現存は初回と最終回のみの伝説的ドラマ

渥美清さん主演で全50作が制作され、今なお日本中に愛される国民的映画シリーズ『男はつらいよ』。しかし、この映画シリーズは、テレビドラマ版の衝撃的すぎる結末に対する視聴者からの抗議がきっかけで生まれたことをご存じでしょうか。1968年から放送されたドラマ版の最終回で、主人公の寅さんはハブに咬まれて亡くなってしまいます。この悲劇的な結末に、フジテレビには抗議が殺到。その声に作品への手ごたえを感じた脚本家・山田洋次さんが自らメガホンを取り、寅さんを“復活”させる形で映画化がスタートしました。

そんな超人気シリーズの原点であるドラマ版ですが、実は初回と最終回しか放送テープが残っておらず、今や“幻の作品”となっています。大人気映画の原点が2話しか残っていないことに、視聴者からは「第1話と最終回しか現存していないなんて」と、驚きの声が上がっています。なお、奇跡的にマスターテープが残っていた初回と物議を醸した最終回は、後にDVDとして発売されました。

「全人類観るべき」と称されるドラマ『男はつらいよ』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“寅さんの誕生と伝説的な最期”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です