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「朝からイライラする」「途中離脱した…」“美化された脚本”に苦言を呈す視聴者も…だけど「間違いなく最高峰」大絶賛の至高ドラマ

  • 2025.9.27

毎朝を彩ってくれるNHK連続テレビ小説、通称「朝ドラ」。そんな朝ドラ作品の中には、その内容や表現をめぐって議論を呼んだ作品も。今回は、そんな"物議を醸した朝ドラ作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、ドラマ『らんまん』(NHK総合)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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第36回東京国際映画祭 レッドカーペット 浜辺美波(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)
  • 放送期間:2023年4月3日~9月29日
  • 出演: 神木隆之介(槙野万太郎 役)

土佐の酒蔵に生まれた槙野万太郎(神木隆之介)は、幼い頃から病弱で孤立しがちな少年でした。しかし、一人で野に出れば名もない草花たちが友達のように彼を迎えてくれる――母を早くに亡くし、家の跡取りとしての重圧を背負っていた彼の心を支えていたのは、この植物の世界でした。

やがて万太郎は、「植物を知りたい」という想いこそが自分の人生の意味だと気づきます。その決意を胸に土佐を離れ、東京へと旅立つ万太郎。上京後、少しずつ研究者としての道を歩み出し、やがて東京帝国大学植物学教室の助手となります。かつて憧れだった学者たちと肩を並べる日々が始まったのです。周囲の教授や研究者との衝突、資金不足や立場の弱さに苦しみながらも、新しい植物を見つけては名を与え、記録を残していく——万太郎は植物研究に全てを注ぎ込みました。

そんな彼を支えたのは、菓子屋の娘・寿恵子(浜辺美波)です。貧しい暮らしの中でも明るさを失わない彼女は、万太郎の夢を信じ、共に歩む伴侶となりました。

明治から大正、そして昭和へと続く激動の時代を生き抜きながら、槙野万太郎は「日本中の植物を明らかにする」という壮大な夢を生涯かけて追い続けたのでした――。

“植物に魅せられた少年”が追い続けた夢

『らんまん』は、植物学者・牧野富太郎さんの生涯をモデルにしたオリジナルストーリーで、NHK連続テレビ小説第108作として制作されました。舞台は幕末から昭和初期の日本。植物に魅せられた一人の青年が、時代の荒波に翻弄されながらも研究に打ち込む姿を描いています。

本作は、主人公の人生を通して身近な草花に宿る価値や美しさを伝えるだけでなく、学問の自由が限られ、身分や性別の壁が厚かった時代にあっても夢を諦めず挑み続けた人々の姿を描きました。

さらに、酒蔵の家業を継ぎながら自分の道を模索する姉(佐久間由衣)や、幼なじみである番頭の息子(志尊淳)など、万太郎の周囲にいる人々の人生も並行して描かれ、伝統と革新のはざまで揺れる時代の空気感が丁寧に映し出されています。物語は単なる伝記にとどまらず、家族や仲間との絆を織り込みながら、多くの人の視点を重ねる群像劇として仕上げられているのも特徴です。

脚本はドラマ『燕は戻ってこない』の長田育恵さん、語りは宮﨑あおいさん、主題歌『愛の花』はあいみょんが担当しました。主演の神木隆之介さんをはじめ、佐久間由衣さん、志尊淳さん、松坂慶子さん、要潤さんら多彩なキャストが出演し、物語に厚みを加えています。

なかでも、万太郎の妻・寿恵子を演じた浜辺美波さんには、「毎朝癒された」「目の奥に芯のある静かな強さが流れていた」「和装が似合いすぎて完璧」といった称賛の声が多数寄せられています。

このように、朝ドラ『らんまん』は、視聴者に親しまれながら多くの共感を集めた作品となりました。

自分の居場所を切り拓こうとする女性の姿

『らんまん』には、当時の社会に深く根付いていた女性蔑視の価値観が鮮明に描かれています。万太郎の姉・綾は幼い頃から酒造りに情熱を抱いていましたが、「女は蔵に入るな」「酒蔵に女性が入ると酒が腐ってしまう」という言い伝えに阻まれ、思うように腕を振るうことができませんでした。家業に誇りを持ちながらも、性別を理由に夢を阻まれる姿は、女性が自由に生き方を選べなかった時代の象徴といえます。佐久間由衣さん演じる綾の「この先、未来永劫、女は汚れちゅうと言われ続けるがか!」という痛切な叫びは、多くの視聴者の涙を誘いました。

また、作中では女性が結婚や家庭のために自分の人生を犠牲にせざるを得ない現実も描かれています。綾だけでなく、万太郎の妻・寿恵子も、夫が植物研究に資金を注ぎ込む中、限られた家計をやりくりし、家庭を支え続けました。

女性蔑視の風潮に抗いながら自分の居場所を切り拓こうとする彼女たちの姿は、時代を超えて多くの視聴者の心に深く響きました。

SNSには、「女性差別が胸にズシンときた」といった感想や「差別をさりげなく織り込み、奥行きを深めていたのがすごい」といった肯定的な評価も多数寄せられています。

こうした反応が示すように、『らんまん』は女性蔑視の現実を丁寧に描き出し、その時代の矛盾だけでなく、今の時代にも通じる問いを投げかけた作品です。

「雑草という草はない…」波乱万丈な生き方が伝えたもの

『らんまん』は、明治から昭和にかけて植物と共に生きた槙野万太郎さんの人生と人間模様、そして当時の時代背景を丁寧に描いた作品です。

肯定的な意見はもちろん、苦言を呈す視聴者も見られました。特に、主人公・万太郎の行動には賛否の声があり、「あそこまで甲斐性がない人も中々いない」「好きな事してお金の工面は他人任せ」「朝からイライラする」「途中離脱した…」「万太郎さんの生き方はだいぶ美化されている」といった厳しい評価がある一方で、「夫婦愛が美しすぎて泣いた」という声や、「『雑草という草はない』という万太郎の言葉が心に残った」「植物への情熱と波乱万丈な人生に心打たれた」「神木隆之介の万太郎は文句なし」といった称賛の声も多数寄せられました。

さらに「毎日欠かさず観てた」「登場人物たちが懸命に生きる姿に心を打たれた」といった感想に加え、「最終回から一週間が経ってもロス」「間違いなく最高峰」と絶賛する熱心なファンも。

このように、夫婦愛に感銘を受ける視聴者もいれば、美化していると捉える視聴者もいるようです。同じ作品を観ていても、感じることはそれぞれであり、さまざまな意見が飛び交うことで、生き方を考えるきっかけにもなりますよね。そんな連続テレビ小説『らんまん』は、これからも語り継がれていくことでしょう。


※記事は執筆時点の情報です