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『貧血のリスク』を遠ざける → 管理栄養士が教える、レバー以外の“意外な食材”とは?

  • 2025.9.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

貧血は、疲れやすさやめまい、息切れなどの不快な症状を引き起こすだけでなく、日常生活の質に大きく影響します。特に女性や高齢者に多いこの症状は、食事による栄養管理で大きく予防・改善が可能です。管理栄養士の視点から、鉄分が豊富な食材の代表「レバー」以外に近年注目されている“意外なもう1つ”の食材の魅力をお伝えします。

貧血の原因とその予防に効果的な栄養とは?

貧血の中でも特に多いのが「鉄欠乏性貧血」です。これは体内の鉄分が不足することで、血液中のヘモグロビンが十分に作られなくなり、全身に酸素を届ける力が弱まることが原因です。ヘモグロビンは赤血球の中で酸素を運ぶ重要な役割を担っているため、この働きが落ちると疲労感や動悸、頭痛などの症状が出るのです。

では、なぜ鉄が不足してしまうのでしょうか?主な要因は偏った食生活や過剰なダイエット、女性の月経や妊娠による鉄の消費増加です。鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分類され、赤身の肉やレバーに多いヘム鉄は吸収が良いのが特徴。一方、植物性食品に多い非ヘム鉄は吸収率が低めですが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収が向上します。

そのため、日々の食事で鉄分豊富な食品を意識して食べること、さらにビタミンCを含む食品を組み合わせることが貧血予防に効果的といわれています。

血液が喜ぶ栄養満点食材!レバーとアサリの力で貧血対策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

まず、鉄分摂取の代表格といえばやはり「レバー」。豚、牛、鶏レバーのいずれも、鉄分を多く含んでいますが、味やクセ、調理のしやすさを考えると、鶏レバーが食べやすくておすすめです。鶏レバーは、100gあたり9.0mgの鉄を含む優秀な食材で、鉄だけでなくビタミンAやビタミンB群も多く含み、血液をつくる働きをサポートします。ただし、ビタミンAは過剰摂取に注意が必要なので、週に1~2回程度を目安にバランスよく取り入れましょう。

レバーに次いで鉄分を多く含む食材として有名なのは、「ひじき」ではないでしょうか。「ひじき」は、かつては鉄分を豊富に含む食材として知られていましたが、現在の製法では鉄分がほとんど残らないため、鉄補給の主役としてはやや力不足です。それでも食物繊維やカルシウム、マグネシウムなどの栄養は豊富なので、バランスの良い食事には取り入れても良い食材です。

そして、最近注目されているのが「アサリ」。実は、アサリは鉄分の宝庫です。100gあたり約2.2mgの鉄分が含まれており、さらにビタミンB12やタンパク質、亜鉛など鉄の利用を助ける栄養素も摂取できます。お味噌汁や酒蒸し、パスタなど多彩な料理に使いやすく、手軽に鉄分補給できるのがうれしいところです。

女性は月経で鉄分が失われやすいため、特に意識的に鉄分を補給しましょう。また貧血の症状がある場合は、自己判断せず医療機関で検査を受けることも重要です。

鉄分豊富なレバー、アサリで毎日の元気をサポート!

貧血は毎日の疲れやだるさの原因になり、放置すると体調不良が長引く心配もあります。管理栄養士がすすめる食材は、鉄分が豊富なレバー。そしてあまり知られていない意外なもう一つの食材アサリは、鉄分豊富で血液を元気にする頼もしい味方です。特にアサリは手軽に調理でき、日常のメニューに取り入れやすいのが嬉しいポイント。

適切な栄養バランスと食材選びで、元気な毎日を手に入れましょう。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。