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管理栄養士「できるだけ避けて」 実は『小松菜』と相性の悪い食べ物があった…食べ合わせが"NGな食材"とは?

  • 2025.11.6
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

スーパーや八百屋で手軽に手に入る緑黄色野菜の小松菜。栄養豊富で、和食や洋食にも大活躍する食材ですが、実は一緒に食べると相性がよくない食べ物があることをご存知でしょうか?ヘルシーだからといって毎日いつも同じ食材と合わせてしまうと、せっかくの栄養が十分に活かせなくなることもあるんです。

管理栄養士の視点を参考にしながら、小松菜と“できるだけ避けたほうが良い”食べ合わせについて詳しく探ってみましょう。

意外な盲点!?小松菜と食べ合わせが気になる食材は…

小松菜は鉄分やカルシウム、ビタミン類を豊富に含む優秀な野菜です。でも。実は一緒に食べる時に注意したい食材は「ほうれん草」なのです。ほうれん草も鉄分などを多く含むため、「一緒に食べればより健康的」と思ってしまうかもしれませんが、実は鉄分やカルシウムの吸収効率の面では注意が必要とされています。

その理由は両方の野菜に含まれる成分「シュウ酸」にあります。ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれ、非ヘム鉄(植物性の鉄)の吸収を妨げたり、カルシウムと結合して腸からの吸収を阻害してしまう可能性があるといわれています。小松菜自体にもシュウ酸は含まれていますが、ほうれん草より少ないため、小松菜を単体で食べるときには比較的影響は小さいと考えられています。

しかし、両者を一緒に摂るとシュウ酸の総量が増え、結果として鉄分やカルシウムの吸収率が下がるおそれがあります。特に小松菜に含まれる鉄は植物性の「非ヘム鉄」であり、もともと吸収率が低いため、調理や組み合わせによる影響を受けやすいのです。

管理栄養士がすすめる“小松菜の栄養素を無駄にしない食べ方”

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

少量なら問題ありませんが、鉄分やカルシウム補給を目的に食べる場合は、次のような工夫がすすめられます。

  • ほうれん草は下茹でしてシュウ酸を減らす(水溶性なので茹でこぼしで減らせる)
  • 小松菜はビタミンCを含む食材(レモン汁、パプリカ、柑橘類など)と合わせると鉄の吸収が高まる
  • 鉄分を含む食品(肉・魚などのヘム鉄)と一緒に摂ると吸収が促進されるので避ける
  • ビタミンDの豊富な鮭やキノコ類と一緒に食べてカルシウムの吸収率UP
  • お茶やコーヒーなどのタンニンを含む飲み物は食後すぐには避ける

鉄分の吸収を助けるたんぱく質(肉や魚、大豆製品)やビタミンCを含む食品と一緒に摂ると、効率的に体に取り入れることができるようになるのです。また、カルシウムの吸収をサポートするためには、ビタミンDの豊富な食材や、マグネシウムの豊富なひじきやわかめと一緒に摂ることもおすすめです。食べ物の組み合わせというちょっとした工夫で、植物性食品の鉄を効率よく取り入れられるようになりますよ。

食べ合わせを意識して小松菜の栄養をしっかりチャージ!

今回は「小松菜とほうれん草の組み合わせ」が鉄分吸収やカルシウムの吸収に与える影響についてご紹介しました。どちらも栄養価の高い野菜ですが、同時に食べると鉄の吸収がやや下がる可能性がある点は覚えておきたいところです。

もちろん、時々食べる程度で大きな問題になるわけではありません。ただし、貧血気味の方や鉄不足が気になる方や、カルシウムを積極的に摂りたいと考えている人にとっては、食べ合わせや調理法を少し工夫することで、より効率的に摂取できるでしょう。バランスを意識しながら、小松菜やほうれん草を美味しく、そして賢く取り入れていきましょう。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。