1. トップ
  2. 「“見られたくない物”だけでも片づけて…」引越しのプロが「汚部屋」の住人に“切実な願い”。お互い気まずくなる瞬間

「“見られたくない物”だけでも片づけて…」引越しのプロが「汚部屋」の住人に“切実な願い”。お互い気まずくなる瞬間

  • 2025.10.29
undefined
出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。引っ越し・家財の集配をしているしーやんです。

引っ越しや家財の集配業務の現場では、思わぬ事態に遭遇することがあります。

今回ご紹介するのは、時々ある「汚部屋」の引っ越しエピソードです。荷物やゴミが散乱しているお部屋での作業には、さまざまなリスクがあり、思わぬトラブルにつながる恐れがあります。

床が見えない部屋

引っ越し当日、指定されたアパートのドアを開けた瞬間、思わず言葉を失いました。

お客さんは「すみません、荷物まだまとまってなくて」と申し訳なさそうに言いましたが、部屋の中は“まとめる”どころの話ではありませんでした。

衣類、空き缶、ペットボトルが散乱し、フローリングは真っ黒でベタベタ。玄関には靴を脱ぐスペースもなく、お客さん自身も、普段から靴のまま生活している様子。

しかし、私たちが「土足で上がっていいですか」と聞くわけにもいきません。

そんな中でお客さんも「要るもの」と「要らないもの」がわかっておらず、何から片づけたらいいのかもわからない、途方に暮れた表情。

部屋は「今日引っ越せる」状態ではありませんでした。

汚れ・ホコリとの戦い

ひとまず「これは持って行く」と言われた家電や家具を運び出すことにしました。ところが、手をかけた瞬間にホコリが舞い上がり、手袋越しにベタつく感触が伝わってきます。冷蔵庫の裏や洗濯機だけでなく、机や棚にもホコリが積もっていました。

さらに、そういった汚れた家財は手袋をしていても滑りやすく、特に重い物は落とさないよう神経を使います。

私たちは少しずつ通路を確保しながら、搬出ルートをつくっていきました。トラックに積み終えたころには、腕やズボンにまでホコリがびっしりで、手袋はベタベタ。

終わってからは笑い話にできますが、実際は体力も気力も奪われる“重労働”です。

最低限の準備と配慮を

部屋が散らかってしまう背景には、多忙や心身の不調など、ご本人にもどうしようもない事情があるかもしれません。しかし、今回のような事例では、作業員の負担が大きくなるだけでなく、思わぬトラブルにもつながる可能性があります。

お客さんにとっても、何がどこにあるかわからない状態での荷詰めは、大切なものを失うリスクが高まります。

また、お客さんのプライベートな物品が、思わぬ場所から出てきてしまうこともあります。スタッフとしては、そうした品を発見した際にお声がけすべきか迷うこともあり、お互いに気まずい思いをしてしまうケースも少なくありません。

家電や家具の表面にホコリや汚れがある場合は、軽く拭いておくとともに、「これは見られたくない」というものは、事前に片づけておいていただけると助かります。

それだけでも作業が安全に、スムーズに進みます。

物も心もきれいに整えて、「気持ちのいい引っ越し」で新生活を迎えましょう。



ライター:しーやん

日本語教師をしながら、ライター業、引っ越し・家財の運搬業務をしております。現在は、鉄道、受付、テーマパークなど様々な業種で培った経験をもとに「正しい日本語で心に刺さる文章を」をモットーに執筆中。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名OK】