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「そっちの都合なんて知らないよ」セール期間中の『お約束トラブル』→配達員が見た“便利すぎる時代”の裏側とは

  • 2025.10.30
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出典:photoAC(写真はイメージです)

こんにちは。引っ越し・家財の集配をしているしーやんです。

引っ越しや家財の集配業務の現場では、思わぬ事態に遭遇することがあります。

今回は、ネットショッピングのセール期間中の配達エピソードをご紹介します。荷物の大小に関わらず、配達作業員が困る“配達予定日”に関するお話です。

バタバタの午前中にかかってきた“今日中に”コール

ネットショッピングのセール期間中のある朝、バタバタしながら営業所を出ると、例のセールで椅子を買った男性から電話がかかってきました。

「ネットで確認したら“本日配達予定”になってんだけど、何時に来てくれるの?」

セール期間中によくいただく、配達時間に関するお問い合わせのお電話でした。

その椅子の書類は手元にありましたが、椅子自体は営業所になく、営業所を出発する前に確認すると、まだ別の営業所にあるようでした。

「今のところ、別の営業所にあるようです。申し訳ないのですが、セールの影響で物流全体がパンクしそうな勢いなので、『本日配達予定』になっていても、本日中にこちらの営業所に届くかどうかもわからないんです」

そう説明しても、お客さんの反応は変わらず、

「でもサイトには“今日配達”って書いてあるし。そっちの都合なんて知らないよ。外出するから3時までに持って来て」

と、『サイトの表示を信じているのに』という、お客さんのお困りの様子が伝わってきました。

私は「営業所に届き次第、すぐにお持ちします」とお伝えするのが精一杯でした。なんとかご期待に応えたいのに、物理的に難しい。トラックに戻ると、他の作業員も同じように歯がゆい表情を浮かべていました。

「どうにかしてでも届けなければ」現場のリアル

ネットショッピングの「配送ステータス」は発送元から届くまでの流れが可視化されているので便利です。

しかし実際の物流は、そんなに単純ではありません。

特にセール期や年末は通常の数倍の荷物が全国を飛び交い、仕分けセンターには段ボールが山積みになります。それは家財でも同じです。

配達員や営業所のスタッフは“どうにかしてでも届けなければ”という責任感で動いています。

予定どおりにすべての荷物を正確に処理するのは、奇跡に近いことなのです。

午後3時のタイムリミット

荷物の積み替えのために一旦営業所に戻ると、電話をかけてきたお客さんの椅子が届いていました。しかし、その時点で営業所を出ても、お客さんが言っていた午後3時には間に合わなさそうでした。

「怒られるかなぁ…」

そう思いながらも、お客さんに今から向かう旨を電話で伝え、到着したのは午後3時半過ぎ。インターホンを押すと、出てきたのはなんと外国人のお客さんでした。

どうやら私たちに電話をかけてきたのは、その外国人の方の代わりに購入した日本人のお客さんで、外国人の知り合いを待たせるまいと苛立っていたようです。

その外国人の方は全然怒っておらず、結果的には予定日に配達できたので、作業員みんなでほっとしました。

便利な時代だからこそ

私たち作業員も、心待ちにしているお客さんの元へ、一秒でも早く確実にお届けしたいと常に願っています。その上で、もし以下の点を少しだけご配慮いただけますと、物流全体の流れがよりスムーズになり、結果としてお客さんにより良いサービスの提供に繋がります。

  • サイトに表示される配達予定は確約ではない
  • ネットで大型の家財を購入し、作業員が搬入する場合は安全上時間がかかる
  • 到着予定日時がわかっている場合は余裕を持って受け取る
  • 可能な限り日時指定、場所指定を利用し、再配達0に

「今日中に届けろ」という言葉には、受け取る側の事情もあるでしょう。ですが、ネットショッピングが主流になった昨今だからこそ、やむを得ない理由で遅延してしまう可能性があることもご理解いただけると幸いです。



ライター:しーやん

日本語教師をしながら、ライター業、引っ越し・家財の運搬業務をしております。現在は、鉄道、受付、テーマパークなど様々な業種で培った経験をもとに「正しい日本語で心に刺さる文章を」をモットーに執筆中。


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