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食事の前に食べるだけ…管理栄養士が教える『血糖値の急激な上昇を抑える』おすすめの“食べ物”とは?

  • 2025.11.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

食事を楽しむ時間に、ちょっとした工夫を加えるだけで血糖値の急激な上昇を抑えられるかもしれないと聞いたら、どう思いますか?毎日の食事で、血糖値が急に上がると、体への負担が大きいと言われています、食後の血糖値の急上昇を抑えることは、糖尿病予防や生活習慣病のリスク軽減にもつながる可能性があり、注目されているポイントです。

今回の記事では、管理栄養士の視点から「食事の前に食べるだけ」で血糖値の上昇をおさえる食べ物をご紹介。その背景にある血糖値の仕組みや工夫のポイントについてわかりやすく解説します。

血糖値の急激な上昇を抑えたい人は注目!きゅうりの役割とは?

血糖値とは、食事から摂取した糖分が消化吸収されて血液中に取り込まれた際に示される数値のことです。食事をすると血糖値が上がりますが、その上がり方が急激だと体に負担がかかりやすいといわれています。血糖値の急激な上昇を抑えることは、糖尿病予防や生活習慣病のリスク軽減に関わる可能性も指摘されており、注目されています。

そんな中で、注目したい食べ物は「きゅうり」です。きゅうりに注目したい理由は3つあります。

1つ目は食物繊維の含有量。きゅうりは水分が約95%と高く、低カロリーな野菜ですが、不溶性の食物繊維も含まれています。食物繊維には、腸内で糖の吸収をゆるやかにする働きがあるとされており、食物繊維を先に摂ることで食後の血糖値上昇のスピードを抑える効果が期待できます

2つ目は、満腹感を得やすいことです。きゅうりに含まれる水分やミネラルは胃腸の働きを助け、満腹感を得やすくしてくれます。満腹感が高まることで、食べ過ぎを防ぎやすくなる点もメリットです。

3つ目はきゅうり自体に糖質が少ないこと。きゅうり自体の糖質は非常に少なく、その点からも血糖値への負担が比較的低いと見られています。加えて、きゅうりはハウス栽培もされているので、1年中スーパーで比較的安価で手に入ることも嬉しいポイントです。

おすすめの食べ方は?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、血糖値の上昇を抑えるため、どのようにきゅうりを食べたらよいのでしょうか。おすすめの食べ方をご紹介します。

<おすすめの食べ方>
・生のままスティック状にカットし、食事の15分程前に食べる
・ドレッシングではなく塩少々で味を整えると余計な脂質を採らずにヘルシー

これらの方法は、手軽に取り入れやすく、食事前の習慣づけにもつながりやすいです。

一方で、血糖値変動は体調や個人差が大きいため、きゅうりを食べたからといって血糖値の変動が劇的に抑えられるとは限りません。また、きゅうりに含まれる食物繊維量は大量ではないため、他の食物繊維豊富な食材(例えば、ごぼうなどの根菜類、レタスや小松菜などの葉野菜、海藻など)と組み合わせてバランスをとることが大切です。

また、体質によってはきゅうりが合わずに胃もたれや冷えを感じることもあるので、食べ過ぎは控えましょう。

きゅうりはあくまでも血糖変動をやわらげる手段のひとつであり、単独で健康を左右するものではないということは知っておきましょう。

血糖値のコントロールを意識してみよう

血糖値のコントロールは「難しそう」「大変そう」と感じるかもしれませんが、実はちょっとした工夫でも続けやすい対策があります。血糖値の急激な上昇を抑えたい人にとって、きゅうりを食前に取り入れる方法は手軽で続けやすい方法です。「大きなガマンや特別な準備をしなくてもできる」という点も嬉しいポイントですよね。

ただし、血糖値の管理は食べ物だけに頼らず、運動や睡眠、ストレス管理などもトータルで考えることが大切です。必要があれば医師や管理栄養士に相談してみてくださいね。健康的な体を手に入れるため、毎日の食事の内容を考え直してみてはいかがでしょうか。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。