1. トップ
  2. 『秋の味覚は太りやすい』は間違いだった…管理栄養士が教える“食べ方のコツ”とは

『秋の味覚は太りやすい』は間違いだった…管理栄養士が教える“食べ方のコツ”とは

  • 2025.10.31
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

秋になると、栗やさつまいも、かぼちゃ、さんまなど、旬の美味しい食材が店頭に並びます。どれも秋を代表する味覚ですが、「美味しいけれど太りそう…」と感じる人も多いのではないでしょうか。確かに、甘みのある果物や脂ののった魚は「カロリーが高そう」というイメージを持たれがちです。

今回は、管理栄養士の視点を参考にしながら「秋の味覚が太りやすい」という印象の裏にある意外な事実を深掘りしていきます。

「秋の味覚=太る」は誤解?カロリーの実態をチェック

まず、「秋の味覚=高カロリー」という印象がどれほど正しいかを確認してみましょう。
たとえば、さつまいも(100gあたり)には約126 kcalのエネルギーが含まれています。栗は100gあたり約164 kcal、かぼちゃは比較的低く、約49 kcal程度とされることもあります。一方、魚の代表例であるさんま(可食部)も、秋頃は脂がのるため比較的高めのエネルギー量になることがあります。

確かに秋の味覚にはエネルギー量が多いものもありますが、それが他の主食や肉類と比べて極端に高いというわけではありません。むしろ、秋の食材は食物繊維・ビタミン・ミネラル・良質な脂質など、代謝や体の調子を支える成分を持つことが多いのも特徴です。

管理栄養士の視点から見た、秋の味覚の栄養について解説していきます。

  • さつまいも・かぼちゃ:食物繊維が豊富で、血糖値の上昇を緩やかにする作用が期待されます。皮ごと食べることで便通の改善にも効果的。
  • :糖質はやや多いものの、ビタミンCやカリウムが含まれ、疲労回復やむくみ予防に役立ちます。
  • さんま:DHA・EPAなどの不飽和脂肪酸を多く含み、血中脂質のバランスを整える働きがあります。

つまり、「高カロリーだから太る」ではなく、「栄養価が高いからこそ適量を意識して摂ることが大切」なのです。

太らない食べ方のコツとは

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

秋の味覚を上手に楽しむための鍵は、食べる量と食べ方の工夫です。たとえば次のようなポイントを意識すると、満足感を得ながら摂取カロリーを自然に抑えられます。

  1. よく噛んで食べる
    よく噛んでゆっくり食べることで満腹感を得られ、食べ過ぎを防ぐことができます。

  2. 主菜(魚・肉)は焼く・蒸すを基本に
    さんまなどは焼き魚で食べると、余分な脂を落とせます。

  3. 主食(さつまいも・かぼちゃなど)は適量を味わう
    甘みを活かして砂糖やバターを控えたり、1日に食べるのはさつまいも半分程度などと量を決めれば、十分満足できます。

このように、食べ方や調理法を少し工夫するだけで、秋の味覚は太るどころか、満腹感と健康の両立が可能になります。

さらに、秋の食材を楽しむときは、1回の食事で多品目を少しずつ取り入れるのがおすすめです。複数の食材を組み合わせることで栄養バランスが整いやすく、食事の満足感も高まります。特に秋は、きのこ、根菜、魚、果物など旬の食材が豊富で、無理なく栄養のバランスを取ることができます。

旬の恵みをうまく取り入れ、野菜や海藻などと組み合わせて多様な食材を味わうことが、心も体も満たす秋の食卓につながります。

秋の味覚は「太る食材」ではなく「食べ方次第」

秋の味覚には、太るというイメージに反して、体を整える栄養がたくさん含まれています。大切なのは、量・調理法を意識すること。脂ののった魚も、甘い根菜も、食べ方を工夫すれば健康的に楽しめます。

「食べる方に気をつけ、旬を味わいながらバランス良く食べる」それこそが、秋の恵みを心も体も喜ぶ形で取り入れてみてくださいね。


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(InstagramブログX

管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。