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管理栄養士「食べ過ぎは避けて」→胃腸への負担になってしまう場合も…注意したい『スーパーフード』とは?

  • 2025.10.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

スーパーフードと聞くと、健康に良いイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。青汁、チアシード、アサイー、キヌアなど、栄養価の高さが話題になり、日常の食事に取り入れる人が増えています。実は、スーパーフードの中には、栄養価が高い反面、消化に時間がかかったり、腸内環境に影響を与えたりするものもあります。

今回は、そんな「食べ過ぎに気をつけたいスーパーフード」について、管理栄養士の監修のもと、詳しく見ていきましょう。

食べ過ぎに注意が必要な「ブロッコリースプラウト」まずは基本をチェック

近年、健康志向の高まりとともに「スーパーフード」が注目を浴びています。その中でも「ブロッコリースプラウト」は、手軽に取り入れやすい野菜として有名です。

ブロッコリースプラウトは、一般的なブロッコリーの新芽部分を指し、成長の初期段階で収穫されます。同じブロッコリーでも、成長段階が違うだけで栄養の含まれ方が変わることが知られており、実はこのスプラウト(新芽)の段階で特有の成分が多く含まれている点が注目されています。一般のブロッコリーよりも苦味がやや強めですが、その刺激的な味わいが好きな人も多いですし、加熱せずに生で食べることが一般的です。

このブロッコリースプラウトの栄養素の中で、特に注目されているのはスルフォラファンという成分です。 スルフォラファンは体内のサビつきを防ぐ強力な抗酸化作用を持つとされ、細胞をダメージから守る力が期待されています。さらに、体内の解毒酵素や抗酸化酵素の働きをサポートする作用にも注目が集まっており、体の内側から健康を整える力につながると言われています。このほかにも また、ビタミンCやカリウム、食物繊維も含まれており、これらの高い栄養価からスーパーフードと呼ばれています。

胃腸に負担をかけることもある理由とは

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

管理栄養士が「食べ過ぎには注意を」と伝える理由のひとつに、ブロッコリースプラウトに含まれる成分が、人によっては胃腸の違和感を引き起こす場合があるとされています。

具体的には、ブロッコリースプラウトに含まれる豊富な食物繊維や、アブラナ科野菜特有の辛味成分が、特に胃腸が敏感な人には注意が必要です。では、過剰に食べることで胃もたれや腹痛、ガスの発生、下痢などの不調につながることがあります。また、ブロッコリー類に含まれる微量成分の中には、甲状腺の働きに影響を与える可能性が指摘されているものもあり、食べすぎには注意が必要とされています。

とはいえ、通常の食事量であれば問題になることはほとんどなく、日常的な摂取も問題ありません。ブロッコリースプラウトを無理なく食生活に取り入れるには、まず「少量からスタート」することがおすすめ。サラダにひとつまみトッピングすることからはじめて、一般的には1日に10〜20g程度(小鉢1杯分くらい)を目安にしてみると良いでしょう。生で食べる場合は洗浄をしっかり行い、衛生面にも気を配ることが大切です。特に鮮度が落ちやすいので購入したら早めに食べることが望ましいでしょう。

普段から胃腸が弱いと感じている方は、過剰摂取を避け、医師や管理栄養士に相談をしてみるのもよいでしょう。何事も「適量を守る」という基本が健康的なスーパーフード生活の鍵となります。

スーパーフードの賢い活用法

スーパーフードとして期待されるブロッコリースプラウトは、食感も楽しめるヘルシーな食材です。注目の成分が多いとはいえ、毎日大量に食べ続けることはおすすめできません。健康の秘訣は特定の食材を過剰に摂取するのではなく、さまざまな食材をバランスよく摂り入れることです。

ブロッコリースプラウトの持つ優れた栄養を体にしっかり取り込むためにも、適量を守り、多様な食品と組み合わせることを意識して、健康的な食生活を送りましょう。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。