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管理栄養士「食べ過ぎは避けて」→実は痛風発作を引き起こす場合も…注意したい『食べ物』とは?

  • 2025.10.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「食べ過ぎは体に良くない」と頭ではわかっていても、好きなものを我慢するのは難しいものです。しかし、その食習慣が、激しい傷みを伴う痛風のリスクをひそかに高めてしまうと知ったら、どうでしょうか?痛風はかつては、「贅沢病」や「成人男性の病気」というイメージが強かったものの、近年は食生活の変化に伴って女性や若年層にも増えていると言われています。

今回は、どういった「食べ物」を食べすぎると痛風のリスクが高まるのか、管理栄養士の視点も交えてわかりやすくお伝えします。

痛風とは?体への影響と原因を探る

痛風は、尿酸という物質が体内に過剰にたまることで起こる病気です。私たちの体では、プリン体という成分から尿酸が作られ、通常は尿を通じて体外に排出されます。しかし何らかの原因で尿酸が増えすぎたり、排出がうまくできなくなると、血液中の尿酸濃度が高くなる「高尿酸血症」という状態になります。

この高尿酸血症が続くと、尿酸がトゲ状の結晶となり、 化し、その結晶が関節、特に足の親指の付け根などにたまって大暴れし、突然、激しい痛みや腫れ、赤みを引き起こします。これが、あの恐ろしい痛風発作の正体です。関節にたまって炎症を引き起こします。これが痛風の特徴的な発作で、突然の激痛や腫れ、発赤が起きることが多いです。特に足の親指の関節に起きることが多いですが、他の関節や組織にも影響が及ぶ場合があります。

しかも、痛風は発作で終わらず、痛風は急性の発作だけでなく、慢性的にこの尿酸結晶が体内に蓄積し続けるすることで関節の変形や腎臓のトラブルを引き起こすことも少なくありません。だからこそ、痛風について正しい理解を深めることは大切です。

実は納豆の食べ過ぎは痛風発作のリスクを高めることが…

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

栄養が豊富で手軽に取り入れられる「納豆」ですが、体に良いからといって食べ過ぎると、痛風の方の発作のリスクを高める可能性があることはご存知でしょうか?

納豆は大豆を発酵させた食品で、植物性たんぱく質が豊富です。大豆にもプリン体が含まれていますが、動物性食品に比べ量は少なめです。ただし、既に痛風を発症している人や、尿酸値を気にする人は注意したほうが良い場合もあります。納豆1パック(約40g)に含まれるプリン体は約45mg(100gあたり113.9mg)で、高プリン体食品とされる食費hん100gあたり200mgを大きく下回ります。したがって、納豆は1ハック程度の「適量」であればプリン体の摂取量として特に問題がありません。

しかし、体にいいからといって毎食摂取してしまったり、他の高プリン体食品と組み合わせて食べると過剰摂取になる可能性があります。日常的に納豆を食べる場合、1日1~2パック(約40~50g)が目安となり、既に痛風を指摘されている方なら、食べる量を控える必要があります。尿酸値が高めの方は定期的な検査を受け、医師や管理栄養士に相談しながら納豆含む食事内容を調整していくことがよいでしょう。

納豆を食べる際には、塩分や糖分の多い調味料を控えて、野菜や海藻類を組み合わせて食べると、バランスのよい食事になります。レバーや魚卵はプリン体含有量が非常に高く、魚介類もプリン体が豊富です。特に干物は水分が抜けているため、プリン体が凝縮されているので、生の魚介類以上に注意する必要があり、これらの食材と組み合わせて食べることのないように気を付けましょう。

また、飲酒も避けることが、痛風予防には非常に重要です。プリン体ゼロを謳うアルコール飲料も販売されていますが、実は、アルコールそのものが体内で尿酸の生成を増やし、さらに尿酸の排出を妨げる働きがあります。
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どんな食べ物も過剰摂取は控えよう

健康的な食生活を目指す上で、納豆は栄養価の高い食べ物のひとつとして親しまれていますが、痛風や高尿酸血症を指摘されている方は、納豆にもプリン体が含まれているということも覚えておくとよいでしょう。

納豆を毎日食べる場合でも、1パック程度にとどめ、他の食材との組み合わせによって、プリン体が過剰になってしまうことを避けるようにしましょう。何より大切なのは、食事全体のバランス、適度な運動、そして定期的に健康状態をチェックすることです。
どんな食べ物でも偏らずに適量の摂取を心がけましょう。その意識こそが、長く健康で、美味しいものを楽しめる毎日へとつながりますよ。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。