1. トップ
  2. 『食品添加物』は避けるべき? 管理栄養士が教える“添加物の中身”と“驚きの事実”とは

『食品添加物』は避けるべき? 管理栄養士が教える“添加物の中身”と“驚きの事実”とは

  • 2025.9.21
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

「食品添加物」と聞くと、なんとなく体に悪そう、避けたほうがいいのでは?と思う人は多いですよね。実際、普段のスーパーで目にする食品のラベルには、ずらりと添加物の名前が並んでいることも少なくありません。しかし、添加物とは一体何なのか、すべてが危険なのか、正しく理解している人は意外と少ないものです。この記事では管理栄養士の視点から、添加物の役割や安全性、そして「避けるべき」というイメージの裏にある驚きの事実についてわかりやすく解説します。

添加物の正体とその役割を多角的に見る

まず簡単に、食品添加物とは食品の品質を保つために加えられる物質のこと。保存料、着色料、香料、酸化防止剤など、目的もさまざまです。製造過程で食品の安全性を高めたり見た目や味を良くしたり、腐敗を防いで長持ちさせる役割があります。

ですが、「添加物=身体に悪い」と思い込んでいると、栄養面や衛生面での恩恵を見過ごしてしまうこともあるのです。たとえば、保存料のおかげで食中毒のリスクが減ったり、酸化防止剤で油脂の酸化を防いでおいしさが保たれたりすることも。こうした添加物がないと、多くの食品は鮮度が落ちやすくなり安全性が低下する可能性もあります。

もちろん、添加物すべてが無害というわけではありませんが、厚生労働省や食品安全委員会などが厳しい基準で使用を認めているものが市場に出ています。これらの評価基準は科学的根拠に基づき、過剰摂取による健康被害が起きないように設定されているので、その点では安心材料と言えます。

知られざる添加物のメリットと正しい選び方

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

添加物を使うことで、食品の生産効率が上がり、価格が安定するというメリットもあります。たとえば、長持ちするパンや飲み物は、腐敗を防ぐ添加物によって無駄を減らし、家計に嬉しい選択肢を提供しています。また、アレルギー対応や特定の栄養強化を目的とした添加物もあり、多様なニーズに応えるための役割も果たしているんです。

さらに、添加物は医薬品にも使われる場合が多いことから、「食品添加物だから危険」という単純な考え方はやや偏りがあるとも言えます。食べ物のおいしさや安全性の維持に欠かせないものという視点で見ると、その存在意義が見えてきます。

とはいえ、不安な気持ちを完全に払拭することは難しいですよね。だからこそ重要なのは、添加物を「避ける」ことだけに囚われず、摂取量を意識したり、バランスの良い食事を心掛けたりすること。例えば、加工食品ばかりでなく、新鮮な野菜や果物、魚や肉をしっかりと摂ることで体への負担を減らせます。

また、パッケージの原材料表示をチェックし、よく知らない名前の添加物があっても、その添加物がどんな役割を持っているのか調べてみる習慣をつけるのも賢い方法です。過度な恐怖心ではなく、正しい知識を持って食品選びをすることが、健康的な食生活を支える鍵と言えます。

添加物に対する誤解を解き、安心して食品を楽しもう

「添加物は絶対に避けるべき」と思い込むのは少しもったいないこと。実は、添加物は食品の安全を守り、おいしさを引き出し、経済的な価値も加えてくれる重要な存在です。もちろん過剰摂取や極端な偏りは避けるべきですが、国の厳しい基準のもとで認可されているものに関しては、日々の食生活の中で怖がる必要はあまりありません。

大切なのは、添加物を単なる「悪者」と決めつけるのではなく、その役割や安全性について正しい知識を持ち、自分に合った食品の選択やバランスの良い食事を心掛けること。そうすれば、添加物への不安から解放され、おいしい食事をもっと楽しめるはずです。


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(InstagramブログX

管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。