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管理栄養士「実は栄養がプラスされます」 生で食べるよりも栄養が高くなる“野菜の食べ方”とは

  • 2025.9.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

サラダやスムージーなど、健康志向の方に人気の「生で食べる野菜」。みずみずしさやシャキシャキした食感が魅力ですよね。でも、実は野菜の栄養は「生で食べる」だけが正解ではないんです。管理栄養士の視点から見ると、あるひと手間を加えることで、栄養価がアップする野菜も存在します。この記事では、生で食べるよりも栄養が高まる意外な食べ方について詳しく解説します。

漬物が栄養豊富!発酵でパワーアップする秘密とは?

聞き慣れているかもしれませんが、漬物は塩や酢、味噌、麹などを使って野菜を漬け込む伝統的な食品です。この過程で特徴的なのが「発酵」。発酵は微生物が野菜の中の成分を分解し、新たな栄養素や酵素を生み出します。たとえば、白菜やキャベツの漬物に含まれるビタミンCは、発酵過程によって増加することが研究で示されています。

また、乳酸菌が増えることで、腸内環境を整え免疫力アップに寄与する点も見逃せません。生の野菜はそのまま栄養を摂れるものの、漬物の発酵により、栄養素の吸収率が高まったり、新しく合成された栄養素が加わったりするのです。さらに漬物に用いられる塩分は適度なものならミネラル補給にも役立つため、食べ方や量を選べば健康をサポートしてくれます。

漬物の種類で変わる栄養価の違いと楽しみ方

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

漬物といっても種類は多彩。塩漬け、酢漬け、味噌漬け、ぬか漬け、さらにはキムチのような辛味のある発酵食品もあります。これらの漬物の中でも、とくに発酵が進むタイプは栄養価が高まる傾向にあります。

キムチは唐辛子のカプサイシンやビタミンA、乳酸菌が豊富。また、味噌漬けの漬物は味噌に含まれる良質なたんぱく質やミネラルも摂取できるため、栄養面で優秀。ぬか漬けに多く含まれるビタミンB1haエネルギー代謝を促進し、豚肉と並ぶ疲労回復効果も期待できるでしょう。

また「ぬか漬け」は、ぬか床の中で乳酸菌や酵母が活躍し、ビタミンB群やアミノ酸が豊富に含まれています。これらは疲労回復や肌の健康、美肌効果にもつながります。また、カリウムや食物繊維の摂取源としても優秀です。

ただし、漬物は塩分が多くなりがちなので過剰摂取は注意が必要です。健康的に楽しむなら、1回の食事で少量を取り入れるのがおすすめ。漬物を主役にするよりも、副菜として組み合わせることでバランスの良い食事になります。

また、食感の良さや味の変化も楽しめるので、毎日の食卓が豊かに。漬物の中には熟成が進むほど栄養価が上がるものもあり、経過によって味が変わるため、好みに合わせて選ぶ楽しみもあります。忙しい現代人にとって、手軽に栄養を補える優秀な食品といえるでしょう。

まとめ:漬物は隠れた栄養宝庫!賢く取り入れて健康アップ

長年日本の食文化を支えてきた漬物は、ただの嗜好品ではなく栄養価が高い健康食品としても注目されています。特に発酵を伴う漬物はビタミンの増加や乳酸菌の働きにより、生で食べるよりも栄養がプラスされるケースも。

しかし塩分過多になりやすい側面もあるため、取り入れ方や量には気をつけることが大切です。ちょっとずつ日常に加えて、体調管理や美容、免疫力アップに役立ててみましょう。


監修者:かきねキッチン 小池 三代子(InstagramブログX

管理栄養士×保育士|実務経験13年|現在はフリーランスの管理栄養士として、栄養相談や献立作成、記事執筆・監修を中心に活動中。「人に寄り添い、無理なく実現できる食生活のサポート」をモットーに、忙しい中でも続けられる、簡単でおいしい時短レシピを発信している。