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『野菜を一番最初に食べる』って健康にいいの?管理栄養士が教える“まさかの答え”とは?

  • 2025.9.13
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

食事の順番を変えるだけで健康に効果がある…そんな話を聞いたことはありませんか?特に「野菜を最初に食べると良い」とよく言われますが、実際のところ本当に効果があるのでしょうか?管理栄養士の視点から、この説の根拠や食べる順番による影響をわかりやすく解説します。

「ベジファースト」ってそもそも何?効果は本当にあるの?

まずは「ベジファースト」とは何か、整理しておきましょう。これは文字通り「食事の最初に野菜を食べる」ことをす。主食のごはんやパン、主菜の肉や魚料理の前に、野菜料理をたべることで、血糖値の急上昇を抑えたり、早食いの予防、満腹感の向上などの効果が期待されます。

ここで気になるのは「どれだけ効果があるのか」という点。最近ではベジファーストの効果は個人差が大きいのではないか?という疑問の声や、食事全体のバランスがより重要だろうという主張もネット上にみられます。

健康的な食習慣のポイントは食べる順番以外にも…

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、野菜を最初に食べること以外に注意すべき点は何でしょうか。それは、食べる順番だけでなく、食事全体の栄養バランスと、食事にかける時間です。 

まず第一に、ベジファーストは単に野菜を先に食べるだけでは十分な効果が得られません。まず 食事全体の栄養バランスが整っていることが前提です。炭水化物や脂質、たんぱく質が偏った食事では、野菜を先に食べても血糖値のコントロールや満腹感の向上といった効果は限定的です。

また、血糖値の急上昇を抑えるためには、野菜を ゆっくり噛みながら、少なくとも5分以上かけて食べることが重要です。噛む回数を増やすことで唾液中の酵素が糖の分解を助け、血糖値の上昇を緩やかにするだけでなく、満腹感も得やすくなります。短時間で流し込むように食べても効果は薄く、習慣として続ける工夫も必要です。

そこまでゆっくりとした食事の時間が取れない場合には、たんぱく質を含む主菜をご飯やパンなどの主食より先に食べることでも一定の効果が感じられるでしょう。先にたんぱく質を摂ることで満腹感が早く得られ、食べ過ぎ防止になるケースもあります。
ただ「野菜を先に食べる」だけよりも、「バランスよく、よく噛んでゆっくり食べる」ことが重要で、時間がない時には、たんぱく質を先に摂ることも有効と言えます。

毎日の食習慣を見直そう

野菜を最初に食べる=ベジファースト」は、野菜を先に食べれば効果があると言うものではなく、食事全体のバランスや、よく噛んでゆっくりと食べることも大切な要素です。食べる順番を変えただけで劇的に健康になるわけではないのです。

大事なのは「食べる順番」と「全体の食事バランス」「食べる速度」「噛む回数」などを総合的に見直すこと。質の良い野菜とたんぱく質をしっかり取ること、炭水化物の適切な量、ストレスなく続けられる食習慣づくりがポイントです。他の健康的な食習慣と組み合わせながら、あなた自身に合った続けやすいスタイルを見つけてみてくださいね。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。