1. トップ
  2. ファッション
  3. 【齋藤飛鳥】待望の新連載♡ あしゅが愛読書の世界を語る。初回は柚木麻子著『終点のあの子』

【齋藤飛鳥】待望の新連載♡ あしゅが愛読書の世界を語る。初回は柚木麻子著『終点のあの子』

  • 2025.8.24

今月からスタートする、齋藤飛鳥・新連載。読書好きで知られる飛鳥ちゃんがオススメの本を1冊ピックアップし、その本の世界観をファッションやメイクなどガールズマインドな視点で表現。本の魅力にも、飛鳥ちゃんのNEWな一面にも触れられる、めくるめく愛読書の世界へようこそ。

vol.1 『終点のあの子』柚木麻子著

「終点」は同時に「始発」でもあり過去と向き合い新たな成長が始まる

登場人物達が駅で立ち止まって過去と向き合い、未来を考えて成長していく姿を、10代のあのころを感じさせる服装とヘアメイクで表現。「終点は、向こうにとっては折り返しの始発駅」という朱里の言葉のように学校生活や思春期の「終点」を迎えたときに誰もが感じる、初めて自分を再定義できる瞬間―。


作中に登場する勿忘草色の絵の具のような儚く柔らかな色彩を纏う“あの子”を体現

ワンピース ¥46,200(ザ シンゾーン/シンゾーン ルミネ新宿店)、スニーカー ¥51,700(オートリー/ジャーナル スタンダード ラックス 表参道店)

内部進学生の希代子と高校から入学した朱里の友情・憧れの関係がいつしか憎しみへと変化する様子が繊細に丁寧に描かれている第1章“フォーゲットミー、ノットブルー”。勿忘草(わすれなぐさ)の花に似た儚げなブルーを意味し、絵の具の色として登場するこの色を想起させるようなドレスや空の色でリンク。控えめながらも存在感のある「あの子」を感じさせる余韻に包まれて。


“工事が未完成の駅”に立ってみることで感情の揺れや心の痛みを受け止めるきっかけに

シャツ ¥28,600、バッグ※11月発売予定 ¥104,500、ブーツ ¥62,700、ドットハンカチ ※参考商品(全てアニエスベー/アニエスベージャパン)、デニムパンツ ¥31,800(スキーブ/ジャーナル スタンダード 自由が丘店)、リング ¥62,700(ete)、ベルトはスタイリスト私物

「自分とあの子の関係が何だったのか……」未完成で不安定なまま進む思春期は工事中の駅のよう。そこに立ち寄り、過去の痛みに気づき始める朱里。遠い記憶に思いを巡らせ、電車に乗り込む彼女の姿は、自身の新たなる出発を示唆している。未熟で揺らぎやすい思春期の人間関係の中で、未整理のままだった朱里の感情を辿るように、力を入れ過ぎず自然体なスタイルで寄り添う。


誰しもが10代のころに必ず通るような心の揺らぎや心情が濃密かつ繊細に描かれた作品

ワンピース ¥75,900(リブ ノブヒコ/ハルミ ショールーム)、リング ¥24,200(ete)

「今回の企画を進めていくなかで、まず一番に思いついたのがこの本でした。ストーリーや描写がすごく記憶に残っていて、写真で世界観を表現したらすごく素敵なんだろうなと自信がありました。まさに、連載第1回目に相応しいな、と感じた作品です。

10代のあのころに必ず誰もが経験するような心の揺らぎや、細かくて人に言うまでもない感情や気持ちの変化がすごく丁寧に描かれていて、登場人物それぞれの心情に「分かる、分かる」と納得。

4章からなるこのストーリーのなかでも、主人公のひとりで写真家の父を持つ奔放な高校生・朱里と内部進学生・希代子との関係を描く第1章「フォーゲットミー、ノットブルー」が一番印象的でした。ここでは希代子の感情が軸となりストーリーが展開されていきますが、憧れからの嫉妬、そして相手の心に傷を負わせるような複雑な心情が丁寧に描かれています。

大人になった今だからこそ、可愛らしいと感じつつもその閉鎖的な空間で起こりうる優劣感情や微妙な関係性に納得せざるを得ません。分からない感情がひとつも出てこないし、作者がなぜこんなに色々なタイプの女のコの気持ちを繊細に描けるのか不思議で感動しました。

このページで表現したのは、成長した彼女達の新たな気づき。ひとりが辛く感じた「終点」は、もうひとりにとっては新たな始まりに過ぎず、その未来を予感させるようなシーンをイメージしました。

今26歳の私からしたら、登場人物のどのキャラクターも可愛いと思えるけれど、もし実際にクラスメートや乃木坂46のメンバーとして一緒に活動をすると考えたら……、同じ感情ではいられないんだろうな、と想像します。」


今月の1冊!『終点のあの子』柚木麻子著/文藝春秋

中高一貫の女子校に通う登場人物達の友情や嫉妬、孤立などの様々な感情が交錯するリアルな女性同士の関係性を描いている。物語は視点人物が切り替わりながらも、思春期を過ごす少女達の揺れ動く感情や複雑な心情を繊細に描写する。

model : ASUKA SAITO

photo : TAKEMI YABUKI[W]

styling : MAKIKO IWATA

hair & make-up : AIKO TOKASHIKI

edit & text : MAIKO WATANABE

web edit : KIMIE WACHI

※記事の内容はsweet2025年8月号のものになります。
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください。

元記事で読む
の記事をもっとみる