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「民放では作れない」「NHKだからできること」“比類なき作品力”に称賛の嵐…「本当に全人類観て」“圧倒的支持”を得た至高ドラマ

  • 2025.9.26

素晴らしいドラマは、最終回の寂しさと同時に、「もっとこの世界を見ていたい」という強い願いを視聴者に残します。魅力的な登場人物たちのその後の人生に思いを馳せ、未回収の伏線の先に広がる物語を想像してしまう。今回は、そんな“続編が熱望されるドラマ”5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、2023年放送のドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

続編が熱望されるドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』

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映画の公開記念舞台あいさつに出席した橋本愛(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK)
  • 放送日:2023年12月16日(前編)、2023年12月23日(後編)

あらすじ

丸山正樹さんの小説『デフ・ヴォイス』を原作に、NHKにて全2回で放送されたテレビドラマ。

仕事と結婚に失敗し、家族や恋人にも心を開けずにいる荒井尚人(草彅剛)。彼は、耳の聞こえない両親を持つ「コーダ(Children of Deaf Adults)」です。生活のため、尚人は唯一の技能である手話を生かし、「手話通訳士」として新たな道を歩み始めます。

穏やかな日常を取り戻し始めたかのように見えたある日、尚人のもとに法廷での手話通訳という依頼が舞い込みます。この仕事をきっかけに、尚人は自身が過去に関わったある事件と再び対峙せざるを得なくなります。現在進行している法廷の謎と、封印していた過去の事件の謎が複雑に絡み合い、物語は思わぬ真相へと向かっていきます―。

ドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』の見どころ※ネタバレあり

ドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は、これまで深く描かれることの少なかった「ろう者」や「コーダ(CODA)」の世界を多角的に描き出している点が魅力です。単に手話通訳士の仕事を紹介するだけでなく、ろう者を取り巻く社会的な課題や独自の文化、コーダの複雑な感情の機微を丁寧に描いています。当事者への深いリスペクトを根底に据えながら、重厚な人間ドラマとして描き切った本作に対し、「民放では作れない」「NHKだからできること」「本当に全人類観て」といった称賛の声が集まりました。

また、草彅剛さんをはじめ、橋本愛さんや松本若菜さんといった演技派俳優陣による熱演も見どころです。特に、多くの方から「ほんとに草彅さんの手話きれい」「草彅さんの手話うまっ」といった声が寄せられている草彅さんの手話は必見。手話通訳士という役柄上、スムーズな手話が求められる難しい役作りが必要ななかで、完璧に荒井尚人を演じ切った草彅さんの演技に脱帽です。

また、橋本愛さんは、荒井尚人の過去や葛藤に深く関わる重要な役どころを見事に演じています。繊細な表情や抑えた声のトーンで、内面の複雑な感情を丁寧に表現。尚人との関係性の変化や微妙な心理描写も自然に描き、物語に厚みを加えています。手話を使ったシーンでも違和感なく演じ切り、リアリティを損なわない演技力は圧巻です。

原作がシリーズ化されていることもあり、ドラマでも「是非シリーズ化して欲しい」「シリーズ化熱望!!」という声が上がりました。

ろう者・難聴者の役に約20名の当事者が参加…制作陣の凄まじい熱量が伝わる一作

主演・草彅剛氏の圧巻の演技が話題を呼んだドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』。スリリングな物語展開だけでなく、作品全体に宿る圧倒的なリアリティが視聴者の心を掴みました。そのリアリティを生んだ背景には、ろう者・難聴者の役を選考するため、なんと約80名にも及ぶ手話によるオーディションの実施がありました。

オーディションによって、約20人ものろう・難聴の当事者である方たちが作品に参加。当初、ここまで多くの当事者の方が参加する予定ではなかったものの、オーディションが進むにつれてろう者・難聴者の役を当事者でキャスティングする方針が固まっていったそうです。エキストラを含めると30名以上にものぼる彼らの存在と、手話監修・手話指導を徹底した制作陣の凄まじい熱量が本作の物語に計り知れない深みと説得力を与えました。

まだドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“圧巻のリアリティで描かれる法廷ミステリー”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です