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「再放送は難しい」「諦めてる」“完全封印”されていた伝説ドラマ…だけど「大傑作」24年ぶり“待望の再放送”に称賛殺到の名作

  • 2025.9.30

朝ドラの中には、その内容や表現をめぐって議論を呼んだ作品があります。今回は、そんな中から"物議を醸した朝ドラ作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第3弾として、ドラマ『オードリー』(NHK総合)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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インタビューを受ける堺雅人(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『オードリー』(NHK総合)
  • 放送期間:2000年10月2日~2001年3月31日
  • 出演: 岡本綾(佐々木美月 役)

『オードリー』の舞台は京都・太秦。映画の町で生まれた佐々木美月(岡本綾)は、実母の愛子(賀来千香子)と、父の元恋人で老舗旅館の女将・滝乃(大竹しのぶ)という“二人の母”のあいだで育ちます。アメリカ帰りの父・春夫(段田安則)からは“オードリー”と呼ばれ、幼い頃から複雑な家庭環境に翻弄されながらも、次第に映画の世界への強い憧れを抱くようになりました。

やがて美月は両親の反対を押し切り、大京映画の大部屋女優として撮影所に飛び込みます。ところが時代は映画からテレビへと移り変わる真っ只中。華やかな光の裏には、多くの挫折が待ち受けていました。切られ役俳優・錠島(長嶋一茂)との出会い、映画人たちの情熱や矜持に触れる日々、そして数々の別れを経て――。美月はやがて“映画監督になる”という夢に向かって歩み始めます。

物語は、戦後の混乱から高度成長期、そして時代劇の衰退期へと移りゆく日本映画とテレビの歴史を背景に、美月が映画監督として自らの居場所を見い出していく姿を丁寧に描き出していきます。

SNSで再評価広がる『オードリー』、若き才能が光った朝ドラ

『オードリー』は、2000年度下半期に放送されたNHK連続テレビ小説の第63作です。脚本は『ふたりっ子』『光る君へ』『星降る夜に』『離婚しようよ』『しあわせな結婚』などで知られる大石静さんです。音楽は溝口肇さん、語りはヒロイン役の岡本綾さん(2007年引退)本人がつとめました。

SNSでは、岡本綾さんの演技に対し、「可憐で可愛い」「高校生でこの演技は素晴らし過ぎる」といった感想が寄せられています。また「当時18歳で40代までを演じているのがすごい」と称賛する声や、「オードリーを観て好きになった」というコメントも見られます。

キャストには岡本綾さんをはじめ、大竹しのぶさん、賀来千香子さん、段田安則さん、長嶋一茂さん、佐々木蔵之介さん、堺雅人さんなど豪華な顔ぶれが揃いました。特に佐々木蔵之介さんと堺雅人さんは、この作品をきっかけに全国区で知られるようになります。

2024年の再放送では、当時まだ若手だった二人の姿に「二人とも本当に若い!」と驚きの声が上がる一方で、「さすがの演技」「最高すぎる」との絶賛も。さらに「若い時から輝き方が違う」「ここから売れっ子になっていく理由がよくわかる」と、初期の頃から光っていた才能に改めて注目が集まりました。

24年の封印を経て甦った“幻の朝ドラ”

『オードリー』は2000年度の放送以来、一度も再放送されることがありませんでした。

事態が動いたのは2006年。中村獅童さんが酒気帯び運転で検挙・書類送検された際、同乗していたのが岡本綾さんだったと報じられ、不倫スキャンダルへと発展しました。清純派として注目を浴びていた時期だっただけに衝撃は大きく、仕事は激減。2007年には所属事務所を退社し、無期限の休養へ。そのまま公の場から姿を消してしまいました。

その後は関係者ですら連絡が取れない“消息不明”の状態に。2014年には大河ドラマ『元禄繚乱』の再放送を前に、映像コンテンツ権利処理機構に「探しています」と掲載されるに至りました。出演者の許諾が不可欠な再放送で、岡本さんと連絡が取れなかったのです。

こうした経緯により、『オードリー』は長らく“再放送不可”とされ、SNSでも「再放送は難しい」「諦めてる」という声が見られ、24年間封印されてきました。ところが2022年、『カムカムエヴリバディ』の劇中劇として『オードリー』が登場したことから、再放送への期待が高まります。

そして2024年、ついにNHK BSで初の再放送が実現。「本人と連絡が取れたのでは」と憶測が広がりましたが、NHKは「番組の編成については、自主的な編集判断に基づいて、その都度、総合的に判断しています」とコメントするにとどまり、詳細は明かされませんでした。

再放送開始後、SNSにはさまざまな声があふれました。「オードリーの映像をまた観られて嬉しい」と懐かしむ声、「最高に面白い」「脚本も演出も役者も素晴らしい」と絶賛する声も多数寄せられました。「何度も号泣した」「最終回に近づくほど感動が湧いてきた」との感想や、「大傑作」「脚本に心を鷲掴みにされた」といったコメントも寄せられ、24年を経てもなお支持を集めていることが伝わってきます。

まさに『オードリー』は、“物議を醸した朝ドラ作品”を象徴する一作といえるでしょう。


※記事は執筆時点の情報です