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「打ち切りになってたかも…」“前代未聞の事件”が勃発→存続危機に直面するも…「日本ドラマの最高傑作」語り継がれる逸作

  • 2025.9.8

ドラマや映画の中には、現実に起こった事件と結びつき、大きな波紋を呼んだ作品があります。今回は、そんな中から"衝撃的な事件に関係している作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、ドラマ『必殺仕置人』(TBSテレビ系)をご紹介します。放送中に起きた殺人事件によって“テレビ殺人”と騒がれ、存続の危機に直面した本作の魅力とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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俳優 山﨑努(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『必殺仕置人』(TBSテレビ系)
  • 放送期間:1973年4月21日~10月13日
  • 出演:藤田まこと(中村主水 役)

『必殺仕置人』は、江戸の世に渦巻く権力の腐敗と、その陰で苦しむ人々の怒りや恨みを描いた物語です。主人公の中村主水(故・藤田まことさん)は北町奉行所の下級同心。正義感を抱きながらも声を大にして悪を糾弾できる立場ではなく、出世の望みもない小役人として、上に逆らえばすぐに潰されてしまうという哀愁を背負った存在でした。

それでも彼には、どうしても許せない“悪”がありました。金の力で罪をもみ消す役人や、競争相手を殺してまで富を独占する商人たち――。法の網をすり抜けるこうした連中を前に、主水はついに裏の顔を持つようになります。

彼に手を貸すのは、いずれも島流しから戻ったはみ出し者たち。念仏の鉄(山﨑努)、棺桶の錠(故・沖雅也さん)、鉄砲玉のおきん(野川由美子)、おひろめの半次(津坂匡章/現:秋野太作)、そして牢に繋がれたままの天神の小六(故・高松英郎さん)。彼らは時に悪人を殺し、時に権力者を失脚させ、またある時はその恥を世にさらす仕置を下しました。それは復讐であると同時に、歪んだ世の中への痛烈な反抗でもあったのです。

やがて江戸の人々は、彼らを恐れと敬意を込めて"仕置人"と呼ぶようになるのでした――。

金で恨みを晴らす“異色の時代劇”

必殺シリーズは1972年に始まった第1作、『必殺仕掛人』から幕を開けました。原作は池波正太郎さんの時代小説『仕掛人・藤枝梅安』で、故・緒形拳さん、林与一さん、故・山村聰さん、中村玉緒さんらが出演。殺し屋が金をもらって恨みを晴らすという、当時のテレビ時代劇としては前代未聞の設定でした。

その成功を受けて第2弾として制作されたのが『必殺仕置人』です。前作の基本的な枠組みを継承しつつ、藤田まことさん演じる中村主水を新たに登場させ、より強烈な表現を盛り込むことで話題を集めました。

うだつの上がらない下級同心という表の顔を持ちながら、法の裁きを逃れた悪を裏稼業で裁く姿は、後のシリーズを象徴する存在となります。また、念仏の鉄の「必殺骨はずし」をレントゲン撮影で表現するなど、映像面でも斬新な挑戦が注目を集めました。

仕置人には沖雅也さん、津坂匡章(現:秋野太作)さん、高松英郎さんら昭和を代表する名優たちが名を連ねています。さらに、主水の妻・りつ(白木万理)や姑・せん(故・菅井きんさん)も登場し、主水の家庭での肩身の狭い日常もユーモラスに描かれています。

本作を含めた“必殺シリーズ”はその後も人気を博し、昭和から平成にかけて日本の時代劇史に新たな足跡を残すことになりました。

日本で初めて“テレビ殺人”と呼ばれた事件

1973(昭和48)年6月3日、川崎市で発生した殺人事件が、放送中のドラマ『必殺仕置人』と関連づけられ、作品に予想外の波紋を広げることになりました。

深夜の川崎で検問にかかった一台の軽自動車。その後部座席から若い女性の遺体が見つかり、運転していた38歳の男は「ドラマに刺激されて襲った」と供述しました。事件は日本初の“テレビ殺人”と呼ばれ、日本中を震撼させることになりました。

男は酒を飲んで帰宅したのち、同じアパートに住む21歳の知人女性の部屋を訪ね、一緒に『必殺仕置人』を見ている最中に襲いかかったといいます。女性が抵抗すると首を絞めて殺害し、遺体を車で運んでいたところを検問で発見されたのです。

事件はすぐに全国紙で報じられ、“TV『必殺仕置人』に興奮 若い女性を殺す”“『必殺仕置人』に興奮殺人”といった大見出しが躍りました。キー局のTBSからは、内容変更、もしくは放送期間の短縮の申し出があり、シリーズは存続の危機に瀕したのです。

しかし、制作を担った朝日放送側は、殺人の引き金となったシーンは、特に過激なシーンではなかったと主張。評論家からも擁護の声が上がり、スポンサーも継続を支持しました。やがて犯人自身も供述を翻し、番組は打ち切りを免れます。

結果として『必殺仕置人』は全26話を予定どおり完走し、その後も『必殺仕事人2009』まで計31シリーズを数える人気作となりました。

この一連の事件についてSNSでは、「打ち切りになってたかも…」と当時を振り返る声や、「制作中止を止めた昔のスポンサーは気骨があった」と、当時のスポンサーの支援を評価する声があがっています。また、報道の在りかたに触れ、「マスコミの印象操作が失敗した例」と冷静に指摘する人もいれば、「この一件で殺人の描写がより丁寧になったのは良い自主規制だった」と前向きにとらえる見方もあります。

事件が残した爪痕は決して小さくはありませんが、それらを乗り越え、さらなる人気を獲得。いまも語り継がれる名作シリーズとなっています。

事件の影を背負いながらも…愛され続ける名作

予想外の事件に巻き込まれた本作ですが、視聴者の評価は大きく二つに分かれました。

「とにかく残酷」と物語の凄惨さが強く焼きついたという声がある一方で、作品自体の魅力を評価する声は今も後を絶ちません。

心情がよく描かれている」と称える人もいれば、「第1話から神回「必殺シリーズの中で一番大好き」日本ドラマの最高傑作」「誰もが認める名作中の名作」と推すファンも。また、「脚本、演出、キャラクターなど全てが完璧過ぎる」と、その完成度を絶賛する声も少なくありません。

『必殺仕置人』は、衝撃的な事件に巻き込まれ、その影を背負いながらも、いまなお語り継がれている名作です。


※記事は執筆時点の情報です


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