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「結局今でも観れてない…」「未だに許せない」当日に“急きょ放送中止”された伝説回に嘆く声…「全人類観るべき」隠れた至高ドラマ

  • 2025.9.24

大きな話題にはならなくとも、観た人の心に静かに、深く残り続けるドラマがあります。視聴率や話題性だけでは測れない、脚本の緻密さや俳優陣の熱演が光る作品たち。今回は、そんな“隠れた名作ドラマ”5選をセレクトしました。

本記事では第3弾として、2007年放送のドラマ『セクシーボイスアンドロボ』(日本テレビ系)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“隠れた名作ドラマ”『セクシーボイスアンドロボ』

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大後寿々花(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』(日本テレビ系)
  • 放送期間:2007年4月10日~6月19日

あらすじ

黒田硫黄さんの同名漫画を原作に、日本テレビ系列で放送された実写ドラマ。

七色の声を自在に操る特殊能力を持つ“ニコ”と呼ばれる14歳の少女・林二湖(大後寿々花)は、家と学校を往復するだけの退屈な毎日に飽き飽きしていました。そんなある日、ニコは偶然にも血まみれの男たちが争う衝撃的な事件現場を目撃します。

興奮したニコは、誰かにこの出来事を話したくて、テレクラに電話をかけます。大人の女性の声色を使い、電話口の相手を現場に呼び出すことにしました。そこに現れたのは、通称・ロボと呼ばれる女好きでロボットオタクの風変わりな青年・須藤威一郎(松山ケンイチ)でした。

ニコの幼さに驚くロボでしたが、彼女に言いくるめられ、一緒に事件の捜査を始めることに。レアなフィギュアで買収されたロボとニコは、奇妙なスパイコンビを結成し、謎の真相に迫っていきます。捜査を続ける2人は、3日間しか記憶が持たない謎の男、三日坊主(中村獅童)と出会い親しくなります。しかし、やがて彼の衝撃的な「正体」を知ってしまい、物語は思わぬ方向へと展開していきます―。

ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』の見どころ※ネタバレあり

ドラマ『セクシーボイスアンドロボ』は、凸凹バディが織りなす、奇妙で心温まる関係性が本作の大きな見どころです。本作は、七色の声を持つスパイ志望の中学生ニコと、特撮ロボットを愛するさえないオタク青年ロボという、異色のコンビが難事件に挑む物語。2人が出会い、互いの欠点を補い合いながら、社会の裏で起こるさまざまな事件を解決していく過程が、コミカルかつスタイリッシュに描かれています。

また、本作のもうひとつの魅力は、優しさと少しの切なさに満ちた世界観です。スパイ活劇というエンターテインメント性の高い設定のなかに、孤独やコミュニケーションの難しさといった現代社会が抱える問題が巧みに織り込まれています。登場人物たちが交わすユーモアに富んだセリフや、心に寄り添うような丁寧な人間ドラマが、物語に深い余韻を与えました。

作品を視聴した方からは「なんで評価されてないのか理解に苦しむ」といった、不遇の名作であると指摘する声がありました。しかしSNSでは、「全く色褪せない隠れた名作」「人生を変えた作品」「全人類観るべき」という熱狂的な絶賛の声も多数寄せられています。その独特の世界観と心に響く物語は、多くの視聴者に強烈な印象を残したようです。

「放送されなかった」ファンが語り継ぐ伝説回

松山ケンイチさんと大後寿々花さんが主役を務め、独特な世界観が人気を集めたドラマ『セクシーボイスアンドロボ』。そんな本作ですが、実は視聴者の間で「幻の第7話」「連ドラ未放送の第7話」と語り継がれている“幻の第7話”が存在します。なぜ、第7話は放送されなかったのか。その裏には、当時実際に起きた事件への配慮がありました。

2007年5月22日に放送予定だった第7話は、ナイフを持った男がファミリーレストランに立てこもるという内容でした。しかし、その放送わずか5日前の5月17日、愛知県で元暴力団員による立てこもり事件が発生。警官が殉職するという痛ましい結末を迎え、社会に大きな衝撃を与えていました。日本テレビ側は、ドラマの内容がこの事件を想起させる可能性があると判断し、放送当日に急遽放送を中止するという異例の決断を下したのです。

その後も第7話は最終回放送までテレビで放送されることはなく、DVDにのみ収録されるかたちとなりました。その存在はファンの間で伝説となり、「放送されなかった第7話が観たくてBOXも買いました」という人もいたほどです。一方で「結局今でも観れてない…」「未だに許せない」と嘆く声も見られました。なお、肝心の第7話のストーリーについて、実際に鑑賞したファンからは「放送されなかったけど、いい話」と、そのクオリティを称賛する声が上がっています。

まだドラマ『セクシーボイスアンドロボ』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“唯一無二の世界観と心に響くセリフが詰まった一作”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です