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倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ

  • 2025.8.12

和と洋の建物が調和するクラシカルなムード漂う倉敷美観地区を歩いていると、倉敷川のほとりで白壁の建物に映える赤い門が見えてきます。ここは岡山県倉敷市で50年以上続く自家焙煎コーヒーの店。なかに入るとレンガ積みの異国情緒あふれる空間がお出迎え。倉敷美観地区のさんぽ途中に立ち寄りたいカフェです。

倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ
倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ

観光地の喧噪を忘れさせる静寂

倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ
ドリップのようすが見られるカウンターのほかテーブル席もある

1971(昭和46)年にオープンし、現在は3代目の焙煎士・松尾さんが焙煎を引き継ぐ倉敷珈琲館。店に入ると、観光地の喧噪から抜け出して時が止まったかのような静寂に引き込まれます。BGMはあえて流さず、お客さんの話し声や新聞をめくる音さえも空間のエッセンスに。創業当時からのこだわりのひとつです。

倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ
その日の気温や湿度を確認しながら焙煎

店内の一角、窓越しに眺められる場所に焙煎スペースがあります。焙煎をするのは週に2~3日ほど。3kgの窯でこまめに焙煎することで、安定した味に仕上がります。焙煎機は創業当時から変わらず、日本のコーヒー界を牽引した人物として知られる襟立(えりたて)博保氏考案の赤外線付きの窯を使用。丁寧にえり分けた生豆のみを使い、豆の芯からふっくらと焼き上げたコーヒーは芳醇な味わいに。ハイカット・ミルで均等に挽くことで、雑味のない一杯に仕上がります。

倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ
ウィンナーコーヒー900円

メニューはコーヒードリンクのみ。3種類のシングルオリジンやブレンドのほか、ここでしか味わえない季節限定のオリジナルコーヒーも。「コーヒー本来のおいしさを余すことなく抽出するために」と、ネルドリップでていねいに淹れるスタイルを守り続けています。

店の看板メニューは「ウィンナーコーヒー」。深煎りのブレンドをベースに、底には溶けにくいザラメをしいて、飲み進めていくうちに味が変化していくのを楽しみます。上のクリームも混ぜずに飲んで、溶け合う甘さをじっくりと味わってくださいね。

倉敷建築の巨匠が手がけたヨーロッパ風の内装

倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ
クラシカルな雰囲気を醸す
倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ
中庭にはテラス席もある

江戸時代の建物を改築した空間に、フランス式のレンガ積みやステンドグラスを取り入れたヨーロッパ風の内装にも注目を。手がけたのは、倉敷で数多くの建築を設計した浦辺鎮太郎です。倉敷の伝統的な町並みに調和する近代建築を得意とし、倉敷の町づくりに深く関わった人物。倉敷珈琲館では、外観、内装、調度品は創業時から変わらず、当時の面影を感じられます。

倉敷美観地区の一角でひっそりと時を刻む「倉敷珈琲館」へ
目印の赤い門

倉敷美観地区の一角で、ひっそりと50年以上も営み続ける倉敷珈琲館。赤い門の先でおいしいコーヒーはいかがでしょうか。10月からはもうひとつの店の看板メニュー「琥珀の女王」も登場します。水出しコーヒーとリキュール、濃厚なミルクが奏でるハーモニーにファンが多いとか。倉敷美観地区の散策途中に立ち寄って、特別なコーヒータイムを過ごしてくださいね。

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