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“テニスブレスレット”が再熱中。意外な誕生秘話と進化の軌跡

  • 2025.7.31

意外な誕生秘話──今改めてトレンドをリードする“テニスブレスレット”

1987年のUSオープン。試合中、アメリカのレジェンドテニスプレイヤー、クリス・エバートの手首からブレスレットがするりと滑り落ちた。金具が外れ、ダイヤモンドがコートに散らばる──彼女は試合の一時中断を申し出たのだった。

手がけたのはジュエラーのジョージ・ベドウィ。このドラマティックな出来事をきっかけに、ダイヤが連なるミニマルなブレスレットは“テニスブレスレット”として知られるようになる。だがその約10年前、すでにこのジュエリーの存在を予感させるシーンが生まれていた。

1987年クリス・エバート
Chris Evert , 19871987年クリス・エバート

1976年のチャリティのテニスマッチに登場したのは、チャーリーズ・エンジェルとして時代のアイコンとなったファラ・フォーセット。スポーティなルックに、きらめくダイヤモンドブレスレットを2本重ねた彼女のスタイルは、肩の力を抜いてジュエリーを楽しむ“エフォートレス・ラグジュアリー”そのものだった。

1976年ファラ・フォーセット
bracciale tennis1976年ファラ・フォーセット

1987年のクリス・エバートに続き、2002年のコートで輝きを放ったのはセリーナ・ウィリアムズ。彼女の手首を彩っていたのは、約29,000ドル(約435万円)のハリー・ウィンストンHARRY WINSTON)のダイヤモンドブレスレット。その一本は、彼女のパワフルでしなやかなプレースタイルを映すように、気品と存在感を放っていた。

Serena Williams
Serena Williams Presents Harry Winston's New Diamond Line Tennis BraceletSerena Williams

テニスブレスレットに込められた意味とは?

均一に並んだダイヤモンドが、しなやかなラインを描いて光を放つテニスブレスレット。ミニマルでありながら、確かな品格と意志を感じさせるその佇まいは、もはやジュエリーの域を超えた“静かなステートメント”だ。

この名が広く知られるようになったのは、1987年のUSオープンでのドラマティックな出来事がきっかけ。けれど、時代を超えて愛され続ける理由はそのエピソードではない。控えめな華やかさとエレガンスが共存する確かな存在感こそが、人々を惹きつけてきたのだ。

節目の記念日や、大切な人との絆を象徴するギフトとして──テニスブレスレットはどんなスタイルにも自然になじみ、身につける人の美しさと自信をそっと引き出してくれる。

なぜ、テニスブレスレットは贈り物として選ばれるのか?

人生の節目にそっと寄り添ってくれる、タイムレスな名品。エフォートレスなエレガンスを湛えたこのジュエリーは、婚約指輪の代わりとして選ばれることもあれば、家族や親しい人への感謝を託す贈り物としても愛され続けてきた。

流行に左右されることなく、想いとともに時を超えて輝き続ける1本。だからこそ、変わらない気持ちを託すのにふさわしい存在なのだ。

そして今、テニスブレスレットはクラシックな魅力はそのままに、“ジェンダーレスな名品”へと進化を遂げつつある。しなやかでミニマルな構造がダイヤモンドの美しさを際立たせ、ジュエリーボックスにひとつは持っておきたい定番アイテムは、感度の高い男性たちのスタイルにも静かに溶け込んでいる。

ブレスレットからネックレスへ──“テニス”ジュエリーの進化

そんなテニスブレスレットが、いま静かに進化を遂げている。ジュエラーやデザイナーたちの再解釈から生まれたのは、首もとを彩る新たな定番「テニスネックレス」。

ダイヤモンドが連なる繊細なラインは、ゴールドチェーンに代わる洗練のアクセントとして注目され、長さやレイヤードの重ね方次第でスタイリングに自在な表情を添えてくれる。さらに、エメラルドやルビー、サファイアといったカラーストーンをあしらったバリエーションも豊富に揃い、より自分らしい1本に出会えるのも魅力のひとつだ。

Instagram Hailey Bieber
Instagram Hailey Bieber

そしてここ数年、テニスブレスレットそのものへの関心も再び高まっている。ソフィア・リッチー、ヘイリー・ビーバー、ヨーヨー・カオといったセレブリティが、シンプルな一本をさらりと身につけたり、ほかのジュエリーと重ね付けしたり──現代的なスタイリングをSNSで披露しているのがその証拠だ。

Foto @yoyokulala
Foto @yoyokulala

Text: Selene Oliva Adaptation: Mei Fujita, Saori Yoshida

From: VOGUE.IT

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