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管理栄養士「今日からやめて」→実は『胡麻』の風味を劣化させている…多くの人がやりがちな“NG行動”とは?

  • 2025.9.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康志向の高まりと共に、日々の食生活に「胡麻」を取り入れている人が増えていますよね。胡麻は豊富な栄養素を含み、独特の風味が料理のアクセントにもなる万能食材。でも、管理栄養士が注意を促すのは「実は多くの人が胡麻の風味を劣化させるやりがちな間違いがある」ということ。せっかくの香ばしい香りや栄養を台無しにしないためにも、今日から見直すべきNG行動について詳しく解説していきます。

胡麻の風味を左右するポイントとは?見落としがちな落とし穴

胡麻は脂質を多く含むため、酸化しやすい性質をもっています。酸化が進むと、独特の芳ばしい香りが損なわれ、苦味や酸っぱい風味に変わってしまいます。このため、胡麻の風味を守るために最も大事なのは「酸化を防ぐ」ということ。

「酸化」とは食品中の脂質や香り成分、色素などが空気中の酸素と結びついて化学変化を起こし、品質が劣化することを指します。胡麻に多く含まれる脂質は不飽和脂肪酸が中心で、これは酸素と反応しやすい性質を持っているため、劣化の原因になりやすいのです。

胡麻のおいしさを長持ちさせるには、保存方法がカギ。少し手をかけるだけで、香りと栄養をしっかり守ることができます。NG行動の例として、例えば、スーパーなどで購入したときにパッケージのまま“高温多湿”のキッチン棚にそのまま置きっぱなしにしてはいませんか?胡麻は熱や湿気に敏感なため、そのような環境にさらされ続けると酸化が進み、風味や栄養価が著しく低下します。これに加え、保存用の密閉容器を使わずに空気や光に触れる状態が続くのもNGです

調理で差がつく!胡麻の香りを引き立てるワンポイントテクニック

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

胡麻の魅力を最大限に活かすために、調理方法も知っておきましょう。例えば、生の胡麻よりも「煎り胡麻」のほうが香ばしさが増し、和え物やサラダ、冷ややっこなどに使うと一層味わい深くなります。家庭で簡単にできる煎り方は、フライパンを弱火に温めて胡麻を焦がさないように軽く炒るだけ。すると香りが立ち、料理全体の印象がぐっとアップします。

また、「すり胡麻」にすると香りがさらに広がりますが、すった直後が最も風味豊かなので、使う直前にすり鉢やミルで砕くのがおすすめです。大量にすって保存しておくと酸化が進みやすいので注意しましょう。
さらに、炒り胡麻を使った「自家製胡麻油」を自分で作ることも可能で、これを料理に加えると芳醇な香りとコクが楽しめます。市販の炒り胡麻油よりもフレッシュで風味豊かな味わいが魅力的です。

胡麻の魅力を逃さないために、毎日の食生活に取り入れよう

胡麻は適切な保存と調理のコツを知ることで、その香りや味わいを無駄なく楽しめるスーパーフードです。高温多湿を避け、密閉保存、使う直前に煎る・すり胡麻にするといった一手間が、普段の食事をもっと豊かにしてくれます。胡麻の豊かな風味が引き立つことで、料理の満足度もアップし、健康にも嬉しい効果が期待できます。

ぜひ今日から、胡麻の保存方法と調理法を見直してみてください。香ばしくて芳醇な胡麻の風味が、あなたの食卓を鮮やかに彩ってくれるでしょう。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。