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35年前、40万枚を売り上げた“希望のエンディング曲” 土曜夜の勇者たちに寄り添った“力強い爽やかポップス”

  • 2025.8.31

「35年前の冬、どんな音楽が街を流れていたか覚えている?」

平成が始まってまだ1年が経ったばかりの頃。バブルの余韻に街がきらびやかに彩られ、夜のネオンはまるで永遠が続くかのように輝いていた。しかしその一方で、人々の心の奥底には新しい時代を迎える不安や戸惑いも漂っていた。

そんな中、テレビの前に座る子どもから大人までを包み込み、明るく希望を灯した1曲があった。

徳永英明『夢を信じて』(作詞:篠原仁志・作曲:德永英明)——1990年1月16日発売。

フジテレビ系アニメ『ドラゴンクエスト』のエンディングテーマとして放送され、シングルは約40万枚を売り上げるヒットを記録した。

シンガー・ソングライターが放った冒険

『夢を信じて』は徳永英明にとって9枚目のシングル。1986年に『レイニー ブルー』(作詞:大木誠・作曲:德永英明、当時の表記は『Rainy Blue』)でデビューして以来、透明感のある歌声で多くのリスナーを魅了してきた。

徳永といえば『レイニー ブルー』のようなバラードの印象が強い人もいるが、『夢を信じて』は、より爽やかで力強いポップスとして仕上げられている。

デビュー当初から自作曲を数多く世に送り出してきた彼にとっても、この楽曲はバラードとは違う側面を提示したナンバーであり、アーティストとしての幅を改めて示す存在となった

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2006年、日本ゴールドディスク大賞授賞式で歌う徳永英明 (C)SANKEI

爽やかさと強さを同時に宿したメロディ

この曲の魅力は、まずイントロから広がる清々しい響きにある。

シンプルでありながら耳に残るフレーズが序盤から心をつかみ、聴き手を自然に前へと導いていく。わずかな時間の中に、未来への期待や希望を抱かせるような空気が漂っているのだ。

さらに、サビに向かってじわじわと高まっていく構成は、胸の奥に眠る感情をやさしく押し上げていく。そこに徳永の澄み渡る歌声が重なることで、楽曲全体がひときわ鮮やかに輝きを放つ。

まるで冬の青空を駆け抜ける風のように、爽やかでありながら力強い余韻を残すのである。

国民的アニメが導いた“永遠の響き”

アニメ『ドラゴンクエスト』は、国民的ゲームを原作にした話題作。勇者たちが繰り広げる冒険の物語は、当時の子どもたちにとって土曜夜の定番だった。そのエンディングで流れる『夢を信じて』は、物語の余韻をやさしく包み込み、視聴者に「また来週も」と思わせる力を持っていた。

タイトルそのものが示す「夢を信じる」という普遍的なテーマは、冒険を続けるキャラクターたちと、未来へ歩み出す視聴者の姿を重ね合わせるものだった。アニメと音楽が出会うことで生まれた特別な感動が、作品の枠を超えて心に残っている人も多いだろう。

40万枚ヒットが刻んだ普遍性

シングルは約40万枚を売り上げ、当時のランキングでも上位に入るヒットとなった。アニメソングが一般的な音楽シーンでここまで支持を得たことで、徳永の知名度をさらに押し上げるきっかけになったと言ってもいいかもしれない。

さらに後年、数多くのアーティストにカバーされていることも、この曲が持つ普遍性を証明している。『夢を信じて』は、過剰な装飾に頼らないストレートなポップスとして、多くのリスナーに受け入れられた。

世代を超えて響く“夢を信じる力”

『夢を信じて』が持つ力は、聴く人を無理に鼓舞するのではなく、自然に前へと進ませてくれる優しさにある。

あの頃テレビの前で耳にした人々は、成長してもなお、この曲を聴くと心の奥に眠る“冒険心”を思い出す。

平成の幕開けを彩ったこの楽曲は、世代を超えて「夢を信じることの大切さ」を響かせ続けているのだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。