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20年前、日本中が心弾ませた“普遍的な青春ヒットソング” 人気番組を盛り上げた“青春を歩んだ証”

  • 2025.8.29

2005年の初夏。携帯の着うたが若者文化の中心にあり、街のCDショップには新譜を告げるポスターが並んでいた。そんな時代の空気の中で、V6の新曲はドラマとバラエティの両方から流れ、人々の週末を明るく照らした。

V6『UTAO-UTAO』(作詞:御徒町凧・作曲:HIKARI)——2005年6月22日発売。

V6の27枚目を飾った鮮やかな一曲

『UTAO-UTAO』はV6にとって27枚目のシングル。ドラマ『タイガー&ドラゴン』(TBS系)の主題歌、そして同局の人気バラエティ『学校へ行こう!MAX』のテーマソングに起用された

『タイガー&ドラゴン』は宮藤官九郎の脚本による話題作で、主演は長瀬智也とV6の岡田准一のダブル主演。当時すでに俳優として高い評価を得ていた岡田が主演を務め、さらに所属グループが主題歌を担当するという構図は、物語と楽曲の一体感を強く印象づけた。

毎回の放送でエンディングに流れるたび、岡田の姿とV6の歌声が自然と重なり合い、ドラマと音楽がひとつの体験として記憶された。

一方、『学校へ行こう!』は言うまでもなくV6にとって代表的な番組だ。1997年から始まり、若者たちの放課後を盛り上げ、時に笑いと涙を届けたバラエティ。そのテーマソングとなった『UTAO-UTAO』は、視聴者にとって「番組とともに青春を歩んだ証」のような存在だった。

友達と一緒に番組を見て、翌日学校でその話をする。その背景にいつも流れていたのがこの曲であり、まさに「自分たちの青春のテーマソング」として共感を呼んだ。

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2025年、「Next on Netflix2025」に出席した岡田准一 (C)SANKEI

名作詞家とヒットメーカーが生んだポップソング

作詞を手がけた御徒町凧は、森山直太朗『さくら(独唱)』や『夏の終わり』(森山との共作)、『生きてることが辛いなら』や中孝介『花』なども手掛けた名作詞家。

叙情性に富みながらも、聴き手の日常に溶け込む普遍性を持つ彼の詞は、『UTAO-UTAO』でもキャッチーに響いた。日常を前向きに変えるような明るさが、曲全体を突き抜けさせていた。

作曲を務めたHIKARIは、彼のポップセンスがV6の世界観に鮮やかに結実した一曲といえる。V6と同じSTARTO所属では、嵐、SUPER EIGHT、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2、なにわ男子など数々のアーティストを手がけており、最近ではSnow Manのデビュー曲『D.D.』も彼が作曲を担当している。

記憶に残る特別な一曲

『タイガー&ドラゴン』の人情と笑いの世界、『学校へ行こう!』のにぎやかな青春空間。その両方で鳴り響いた『UTAO-UTAO』は、時代を彩るサウンドトラックとなった。

あれから20年。V6は2021年に解散を迎えたが、この曲を聴くと当時のテレビの画面や友達との笑顔が一気によみがえり、イントロが流れるだけで空気が明るくなる。

『UTAO-UTAO』は、単なるシングル曲を超え、テレビと音楽が一体となって青春を彩った象徴的な存在として、今も記憶に残り続けている。

2005年の街を照らしたそのサウンドは、今なお聴く人の心を軽くし、青春の匂いを呼び起こしてくれるのだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。