【大阪・関西万博】音と遊びで心がふわっと軽くなる場所　クラゲ館を体験

こんにちは！ 夢洲取材も気づけば10回を超えた編集部・なおKです。それでもまだ見ぬパビリオンが山ほどある中、今回シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」（愛称クラゲ館）へ。

ⒸKURAGE Project & steAm, Inc.

クラゲのようなフォルムが印象的なこのパビリオンは、作曲家でSTEAM教育者の中島さち子さんがプロデュース。０歳から120歳まで、すべての人が“こども”のように、感性のおもむくままに遊び、学び、響き合う場所です。クラゲ館には、遊び心をくすぐる丘「プレイマウンテン」、音や展示を自由に体感できる「いのちのゆらぎ場」、そして創造性と向き合う予約制の地下空間「いのちの根っこ」の3エリアが。まるで自分の中に眠っていた“なにか”が目を覚ますような、そんな不思議でワクワクする体験が待っていました。

まず向かったのは、「クラゲ館」の入口となる“プレイマウンテン”。パビリオンの外周をぐるりと囲む道には、ただ歩くだけじゃもったいない、五感をくすぐる仕掛けがあちこちに。

白くニョロニョロと地面から生えている不思議な物体は、その名も「振るーと」。手で揺らすと、風鈴のような軽やかな音色が響きます。足元に目をやれば、漫画に出てきそうなチーズ型の遊具や、座ると身体を預けたくなる「べ椅子」など、あれこれ寄り道を楽しみながら歩けます。途中には「土と水のカーテン」と名付けられた水辺のスポットもあり、水音が響く涼やかな日陰で、ひと息つくことができました。

丘のてっぺんに現れるのが「いのちのゆらぎ場」。ここは、展示というより“体験する公園”のような遊び場。誰かと一緒に音を奏でたり、目の前の魔法のような展示体験に夢中になったりと、予測できない出合いが生まれるのも魅力です。

頭上の物体は、ガーナ、カンボジア、日本国内の各地の学校でワークショップを実施し、ペットボトルのごみを集めて作ったアート作品「ミドルクラゲ 海月（うみつき）」です。こんな風に、ワークショップなどで作ったアート作品があちこちに飾られています。

中央部にあるのは「創造の木」。万人万物のいのちの創造性を象徴する木で、4,600本ほどの吉野杉からできた角材を組み合わせて、複雑にゆらぐクラゲ膜の形を形作っています。

そのほかにも、世界中の子どもたちが描いたクラゲをあしらった「希望のピアノ」、AR（拡張現実）技術を使って音や絵を奏でる「ごちゃまぜオーケストラ」、不要になったパソコンの解体廃材で作り上げた「転生オルガン」など、みて、触って、奏でて楽しめる展示がいっぱいです。

暗闇で耳を澄まし、映像を楽しみ、音楽に体をゆだねる「いのちの根っこ」エリア

さらに足を踏み入れたのは、予約制エリアの「いのちの根っこ」。ここはガラリと雰囲気が変わり、自分の内面と向き合うための、静かで深い体験の場。

薄暗い空間で自分と対話したり、360度映像と生バンドの演奏にあわせてみんなで踊ったりと、「創造性の発見」とテーマにした体験の場になります。

最初の「わたしを聴く」では、30人ほどが静かに座って参加。エオリアンハープ、コウモリの超音波、ベトナムのカエルの声…聴いたことがないのにどこか懐かしさを感じる音が、響いてきます。音の豊かさ、深さがじんわり心にしみてきました。

そしていよいよ「わたしを祝う」へ。360度映像に包まれた空間で、世界中の民族の仮面や祭りが次々と現れます。中でも国立民族学博物館の仮面たちがスクリーンに登場した瞬間、1970年の大阪万博とのつながりを感じて、思わず胸アツ！

映像は国内外の祭りを巡る旅へと続き、アイヌの儀式から、アフリカや南米のエネルギッシュなダンスまで、息をつく間もない没入感。クライマックスでは、なんと主役は私たちに。音楽家による生演奏が始まり、スタッフさんの誘導で、見知らぬ人たちと一緒に、自由に歩き、踊り出す時間が訪れます。

ほどよい暗さと、生演奏の高揚感、まわりの“お祭りムード”に包まれて、気づけば自然と体が揺れていて…。自分の奥底に眠っていた創造性（？）が、目を覚ましたような不思議な感覚。外に出たときには、心がふっと軽くなっていて、「なんだか元気出たかも」と、余韻に浸れました。

クラゲ館は、ただ見て終わる“展示”ではなく、“いのちと遊ぶ”が体験できる場所。自分でも知らなかった、心の奥にある創造性と出会えるチャンスです。万博でしか味わえないこの体験、ぜひあなたも体感してみてください。

大阪・関西万博公式Webサイト

https://www.expo2025.or.jp/

いのちの遊び場 クラゲ館 公式サイト

https://expo2025-kuragepj.com/