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工夫して10秒で計算してみて!「45×45」→暗算できる?

  • 2025.12.13
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九九は一桁どうしの掛け算を素早く計算するのに役に立ちます。

しかし、九九のみで二桁どうしの掛け算を暗算するのは難しいですね。

そこで今回は、「ある形」をした二桁どうしの掛け算を暗算するためのテクニックを紹介します。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
45×45

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「2025」です。

10秒以内に計算できたでしょうか?

実はこのタイプの掛け算は、「ある暗算方法」を使えば10秒でも時間が余るぐらい簡単に答えが出せるのです。

暗算方法が気になる人は、次の「ポイント」に進んでください。

ポイント

この問題のポイントは、「一の位が5の数の二乗」であることです。

※二乗とは、同じ数どうしの掛け算のことです(例:3の二乗=3×3)。

結論から言いますと、一の位が5の(二桁の)数の二乗は次のようにして答えが出せます。

「(十の位の数+1)×十の位の数」を計算した答えを、25の左横に配置する

この暗算方法は、インド式計算法の一種として知られています。

今回の問題であれば、次のように計算します。

(4+1)×4=20を25の左横に配置する
→2025

とても簡単に答えが出ましたね。

どうしてこの暗算方法が成り立つの?

先に紹介した暗算方法ですが、簡単な掛け算一つで答えが出るなんて、とても不思議ですね。

そこで、どうしてこのように計算ができるのかを考えてみましょう。

ポイントとなるのは、次の「分配法則」です。

<分配法則>
a×(b+c)=a×b+a×c
(a+b)×c=a×c+b×c

分配法則は、()の中を足してから掛けるのと、掛けてから足すのとでは、答えが同じという法則です。

では、この分配法則を使って45×45を次のように計算していきましょう。

45×45
=(40+5)×(40+5)←45を40+5と考える
=(40+5)×40+(40+5)×5←最初の40+5をひと固まりにして、次の(40+5)に掛けていく(分配法則)
=40×40+5×40+40×5+5×5←(40+5)×40と(40+5)×5に分配法則を使う

まずは、45を40+5として分配法則を使い、掛け算と足し算の形に式を変形していきます。

次に同じ40を掛けている数を、分配法則を使ってまとめていきます。

40×40+5×40+40×5+5×5
=40×40+5×40+5×40+5×5
=40×40+(5+5)×40+5×5←a×c+b×cを(a+b)×cに変形する「分配法則の逆」パターン
=40×40+10×40+5×5
=(40+10)×40+5×5←a×c+b×cを(a+b)×cに変形する「分配法則の逆」パターン
=50×40+5×5
=50×40+25

ここまでくると、暗算方法で登場した「(十の位の数+1)×十の位の数」と25が見えてきますね。

残りを計算すると次のようになります。

50×40+25
=2000+25
=2025

今回の問題の答えと一致しましたね。

分配法則を使っていくと、一見不思議に見えた暗算方法が、数学的な式変形によって支えられている様子が分かります。

まとめ

今回は、「一の位が5の(二桁の)数の二乗」に使えるインド式計算法について紹介しました。

この暗算方法はとても簡単で「(十の位の数+1)×十の位の数」を計算した結果を25の左横に配置するで終わります。

どうしてこうなるのかは、二桁の数を(a×10+5)の形にしてから、分配法則を使って変形していけば分かりますよ。

「一の位が5の(二桁の)数の二乗」の条件に当てはまる場合は、ぜひこの暗算方法を使ってみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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