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おいしいけれど毎回悩む…『ラーメンのスープは飲み干してもいいの?』【管理栄養士がズバリ回答】

  • 2025.8.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ラーメンの醍醐味といえば、麺はもちろん「スープ」!あの香ばしさやコク、旨みが詰まったスープを最後の一滴まで飲み干したいという人は多いですよね。
でも、「スープって全部飲んだら体に悪いの?」「塩分や脂肪の摂りすぎって本当?」なんて疑問を感じる人も少なくありません。管理栄養士の視点から、スープを飲み干すべきか残すべきか、その“まさかの真相”を掘り下げてみましょう!

ラーメンスープを飲み干すか残すか。

ラーメンのスープには、旨み成分として昆布や鰹節、豚骨のエキスなど多くのこだわりが詰まっています。その香りや味わいは、まさにラーメンの命。しかしそれと同時に、スープには塩分が多く含まれているのも事実です。たとえば一般的なラーメンのスープには、1杯あたり6~8グラムの塩分が入っていることがあります。これは厚生労働省が推奨する1日あたりの塩分摂取量(男性で7.5g未満、女性で6.5g未満)にほぼ匹敵する量ともいえます。

「だからスープは残した方がいいの?」と思うかもしれませんが、味の濃さや種類、そもそも自分の体調や生活習慣によっても答えは変わってきます。たとえば塩分を制限するように医師から指示を受けている方や高血圧の人なら、飲み干さずに残すのがおすすめ

さらに脂質の面でも注意が必要です。豚骨スープや味噌スープには脂肪分が多く含まれ、健康管理の視点からは脂質の過剰摂取になりやすいです。脂質の過剰摂取は肥満や動脈硬化のリスクを高めるため、これもスープを飲み干すかどうかを決める大切な要素になります。

自分の食生活と相談が必要

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

管理栄養士の視点からは、「スープは必ず残すべき」「飲み干すべき」と一律には言えません。しかし、ラーメンをスープまで飲み干すと、推奨される1日あたりの塩分摂取量とほぼ同量になることがあるため注意が必要です。もしスープを半分残した場合は約1/2~1/3程度の接種する塩分を抑えることができることも覚えておきましょう。ポイントは「バランス」と「自分に合った食生活」を意識することです。

たとえば、味噌ラーメンやとんこつラーメンなどの、濃厚さが特徴のラーメンはスープを飲み干さないことで塩分や脂肪分の摂取過多を防げます。もちろん、塩ラーメンのように透明感がありあっさりしていても、スープ全体の塩分量は意外と高いこともあるので、注意しましょう。

また、セットメニューや毎日の食生活の中で塩分や脂肪の総量を調整する方法もあります。たとえば、ラーメンのスープを飲んだら、その他の食事は塩分を控えめにしたり、野菜中心の食事を心がけるといった工夫です。

ラーメンを健康的に楽しもう!

普段から健康な方なら、ラーメンのスープは飲み干しても残しても問題ありませんが、塩分や脂肪、カロリーを気にするなら、スープを飲む量や、ラーメンを食べる頻度を調整したりするのが理想的

また、ラーメンを選ぶ際には、スープ以外にも「麺や具材とのバランス」にも気を配った健康的なラーメンを選んでみるのもおすすめです。例えば脂は控えめで野菜たっぷりのラーメン、鶏肉や玉子が入っているラーメンなど種類によって栄養バランスが大きく変わってくるからです。ラーメンのスープとの付き合い方を工夫しながら、美味しさと健康のバランスを楽しんでいきましょう!


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。