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管理栄養士「体に悪影響があることも」 何気なく使っている『ごま油』→やりがちな“NG行動”とは

  • 2025.8.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ごま油は、料理に香ばしさと深みを加える魅力的な調味料。しかし、ちょっとした使い方のクセや保存方法によって、その豊かな風味があっという間に劣化してしまうって知っていましたか?管理栄養士も「今日からやめてほしい」と口を揃える、ごま油の風味を損ねる意外なNG行動とは一体何か?この記事では、ごま油の風味や品質を守るための知識を分かりやすくご紹介していきます。

ごま油に含まれる『リノール酸』にはどんな役割がある?

ごま油には『リノール酸』が含まれています。リノール酸は体内では作れない「必須脂肪酸」のひとつで、特に私たちの細胞や体の調子を整えるのに欠かせない栄養です。このリノール酸は「オメガ6脂肪酸」と呼ばれるグループに属していて、細胞膜の構成成分になったり、ホルモンの材料になったりと、多彩な役割を果たしています。ごま油は、リノール酸を豊富に含んでいる植物性油の代表的な存在なのです。

リノール酸は皮膚の健康をサポートし、バリア機能の維持にも貢献しているとして注目されています。また、体内の炎症反応や免疫機能にも関係しているため、健康的な体づくりのためには適量の摂取が望まれます。ただし、リノール酸は摂りすぎると体内の炎症を促進する可能性もあるため、オメガ3脂肪酸とのバランスも考慮することが大切です。つまり、ごま油のリノール酸は体に良いけれど、バランスよく取り入れることがポイントとなっています。

ただし、調理方法によってはこのリノール酸が効果的に摂取できないことも。次の章で詳しく見ていきましょう。

効果的に栄養を摂取するために…やらないほうがいいNG行動

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

実は、リノール酸は亜麻仁油やえごま油などオメガ3脂肪酸に比べると、比較的熱に強い脂肪酸ですが、長時間高温にさらされると酸化しやすく、体に悪い影響を及ぼす可能性もあります。そのため、まずは保存方法に気をつけましょう。

ごま油は光や空気に弱いので、使用後に蓋をしっかり閉めずに「瓶を直射日光の当たる場所に置く」ことも劣化につながります。開封後は、早ければ数週間で酸化が進むため、できるだけ早めに使い切ることが望ましいです。

また、高温での過熱もできるだけ避けたほうがベター。香り付けなどに使用することは問題ありませんが、強火での炒め物や揚げ物には長時間使わないようにし、仕上げに香り付け程度に使ったり、サラダのドレッシングに活用したりするのがおすすめ。

さらに、体にいいからと過剰摂取は禁物。バランスの良い食生活の中で上手に取り入れ、ごま油の豊かな香りとリノール酸の良さを楽しみましょう。

ごま油を上手に生かすコツ

ごま油の風味を劣化させるNG行動は、調理時の過度な加熱、保存時の高温や直射日光、空気に触れさせた状態です。これらを避けるために、日光を避けた場所で常温保存し、使うときは火を止めるか弱火で仕上げに加えるのがごま油の風味と栄養を守るコツ。
今日からのちょっとした意識で、ごま油の魅力を最大限に活かしましょう!


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。