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「映画館で悲鳴が聞こえた」「2度と観たくないほどトラウマ」“度肝を抜くリアリティ”に絶句…だけど「一度は観るべき」絶賛の一作

  • 2025.9.25

ドラマや映画の中には、ときに観る人の心だけでなく社会全体に強い衝撃を与えるものがあります。今回は、そんな“社会に大きなインパクトを与えた作品”を5本セレクトしました。本記事ではその第4弾として、映画『地震列島』(東宝)をご紹介します。首都・東京を直撃する大地震の恐怖を描いた本作は、公開当時から観客を震え上がらせました。あまりの迫力に、東京メトロからクレームが入ったという逸話まで残されている、本作の魅力とは――。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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女優・松尾嘉代(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『地震列島』(東宝)
  • 公開日:1980年8月30日
  • 出演: 勝野洋(川津陽一 役)

三原山火口で溶岩を観測している地震学者の川津陽一(勝野洋)は、首都を直下型地震が襲うと直感するものの、学会では耳を貸してもらえず、次第に孤立していきます。妻の裕子(松尾嘉代)との関係もすでに冷え切っており、唯一の支えは研究所の所員・芦田富子(多岐川裕美)でした。一方、ルポライターの橋詰雅之(永島敏行)とカメラマンの梅島一枝(松原千明)は各地で自然の異変を追い、やがて陽一の行動に関心を寄せるようになります。

政界で「東京は世界一の無防備都市」と発言した陽一は研究所を閉鎖され、さらに窮地に追い込まれます。富子に別れを告げるつもりが、逆に結婚を申し込んでしまう陽一。離婚の話し合いに向かう陽一と裕子、その一方で富子のもとへ向かう雅之。雅之は富子と同郷で、かねてから想いを寄せており、陽一との結婚を思いとどまらせようとしていたのです。三人の思いが交錯するなか、ついに震度7の大地震が東京を直撃します。

地下鉄は急停止し、乗客が将棋倒しになる混乱のさなか、東京湾から濁流が流れ込み、炎と煙が地下にも押し寄せます。地上では高速道路が崩れ、自動車が次々に炎上。富子は崩壊するマンションに閉じ込められてしまうのでした――。

首都を襲う壊滅的な直下型大地震

映画『地震列島』は、1970年代末から社会的に大きな関心を集めていた東海大地震の予言や不安を背景に制作されたパニック映画です。アメリカ映画『大地震』の設定を日本に置き換えた作品で、特にラスト50分にわたって描かれる首都・東京の壊滅的な状況が大きな見どころとなっています。

『地震列島』の制作陣には、日本映画界を代表するスタッフが集まりました。製作には東宝で『ゴジラ』など数々の大作を手がけた故・田中友幸さん、脚本は社会派作品で知られる故・新藤兼人さん、監督は『岸壁の母』などで名を残す故・大森健次郎さんが担当。撮影は西垣六郎さんがつとめ、東京を襲うパニックの恐怖を迫力ある映像で表現しました。

キャストには、主人公の川津陽一を演じた勝野洋さん、ルポライター橋詰雅之を演じた永島敏行さん、そして研究所員の芦田富子を演じた多岐川裕美さんが名を連ねています。いずれも第一線で活躍を続ける実力派俳優たちで、本作の劇中でも迫力のある演技が緊張感とリアリティを際立たせています。

「トラウマ級」と語り継がれる地下鉄水没シーン

『地震列島』が公開された当時、観客の心を大きく揺さぶったのは、その徹底したリアリティでした。CGのない時代に、特撮技術と役者たちの迫真の演技を組み合わせ、地下鉄に海水が流れ込む場面や炎と煙に包まれる市街地を圧巻の映像で表現しています。

実際、映画を観た人は「2度と観たくないほどトラウマ」「映画館で悲鳴が聞こえた」と語り、なかでも地下鉄水没シーンは「トラウマ級」とまで言われています。

さらに、「昭和のパニック映画はめっちゃグロかった」「大胆な破壊描写で恐怖心を煽っていた」と当時を振り返る人や「ここまでリアリティが出るのかと感心した「一度は観るべき」と称賛する声も。

映画『地震列島』は、単なる娯楽を超えて、地震大国・日本に生きる人々へ強烈なインパクトを残した名作となりました。


※記事は執筆時点の情報です