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「痛すぎるでしょ…」「かなり生々しい」“あまりのリアリティ”に騒然…「凄いものを観た」“圧倒的な完成度”に称賛殺到の名映画

  • 2025.11.6

映画のなかには、痛みを抱えながらも前に進む人を描いた作品があります。今回は、そんな中から"傷ついた心の再生を描いた作品"を5本セレクトしました。本記事ではその第4弾として、映画『青くて痛くて脆い』(東宝)をご紹介します。人付き合いが苦手な大学生・楓と、空気を読まない発言で浮いていた秋好。理想を掲げて始めたサークルが変質していくなかで、楓が暴走する青春サスペンスです。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画「ババンババンバンバンパイア」舞台あいさつ 吉沢亮(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『青くて痛くて脆い』(東宝)
  • 公開日:2020年8月28日
  • 出演:吉沢亮(田端楓 役)

人付き合いが苦手な大学生・田端楓(吉沢亮)は、ある日、空気を読まない発言で周囲から浮いている秋好寿乃(杉咲花)と出会います。正反対に見える2人でしたが、「世界を変える」という理想を掲げ、秘密結社サークル「モアイ」を立ち上げました。

しかし秋好は突然、この世界から姿を消してしまいます。残された「モアイ」は、当初の理想とはかけ離れ、就職活動のために人脈を広げようとする意識高い系のサークルへと変貌していきました。

楓の心に積もるのは怒りと憎しみ。秋好が夢見た居場所を踏みにじられた喪失感が、彼を暴走させます。どんな手を使ってでも「モアイ」を潰そうと決意した楓は、親友や後輩を巻き込み、奪われた理想を取り戻すための計画を仕掛けます。

青春の青さと痛み、そして脆さが交錯する中で、楓が最後に見出すものとは――。

“二十歳が一番読んだ小説”を映画化

本作の原作は『君の膵臓をたべたい』で知られる住野よるさんの同名小説です。累計300万部を突破したデビュー作に続き、第5作目となる本作は、住野さん自身が“最高傑作”と語った意欲作で、2018年には「二十歳が一番読んだ小説」に選ばれるなど、若い世代に広く支持されました。

メガホンを取ったのは、映画『メタモルフォーゼの縁側』や『映画 妖怪人間ベム』を手がけた狩山俊輔さん。青春の光と影を切り取る手腕に注目が集まりました。

脚本は、『総理の夫』や『#真相をお話しします』で知られる杉原憲明さんが担当。

キャストは、主人公・田端楓を吉沢亮さん、ヒロイン・秋好寿乃を杉咲花さんがつとめるW主演です。吉沢さんは『キングダム』や大河ドラマ『青天を衝け』のほか、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『国宝』など話題作に出演し、幅広い役柄で実績を重ねています。

杉咲さんも『湯を沸かすほどの熱い愛』や朝ドラ『おちょやん』に加え、『片思い世界』『52ヘルツのクジラたち』『アンメット ある脳外科医の日記』『海に眠るダイヤモンド』などで存在感を放ち、実力派女優として確かな地位を築いています。

さらに岡山天音さん、松本穂香さん、清水尋也さん、森七菜さん、茅島みずきさんら新鋭が集い、柄本佑さんや光石研さんといったベテランが脇を固めました。

主題歌を担当したのはロックバンド・BLUE ENCOUNT。原作小説では彼らの楽曲「もっと光を」がテーマソングとして使用されており、映画化にあたっては原作者の強い希望で再びタッグが実現。書き下ろしの新曲「ユメミグサ」は登場人物たちに宛てた“手紙”のように紡がれ、観る者の胸に深く響くラストを彩りました。

青春の青さや未熟さをリアルに描きながら、人間の弱さや欲望を鋭く映し出す本作。豪華キャストとスタッフが結集して完成させた、鮮烈な青春ドラマです。

「陰キャ大爆発」と話題になった青春ドラマ

本作の見どころは、主人公・楓が抱える嫉妬や妬みなど、歪んだ感情がリアルに描かれている点にあります。

吉沢亮さんが特に印象に残ったと語るのは、秋好から「気持ち悪い」と言われるシーン。芝居だとわかっていても本気で言われているように感じ、思わずへこんでしまったほど生々しいやり取りだったと振り返っています。さらに、楓と秋好が食堂で最後に別れる場面では「孤独」が胸に迫ったと明かしています。大学生ふたりの間に流れる張り詰めた感情と複雑な思いが凝縮された名場面です。

SNSでは「自分を客観的に見ているよう」と冷静に受け止める人もいれば、「痛すぎるでしょ…」「かなり生々しい」と感情移入する声も目立ちました。

一方で、「理想と現実の落差は残酷だ」「嫉妬や妬みで感情が歪むと人は愚かな行動をしてしまう」と、人間の弱さを悟ったような声や、「主演二人のどちらに共感するかで見解が分かれそう」との感想もあり、楓と秋好という対照的な主人公の存在が、観る人の受け止め方を大きく分けていることがうかがえます。

それでも「面白いしテーマが現代に刺さる」と肯定的に受け止める人や、「まるで自分の物語のようだった」「学生時代を思い返した」と振り返る人も。「ラストで咽び泣いた」「凄いものを観た」「放心状態になった」といった感想もあり、多感な時期の不安定な感情を「自分ごと」と受け止める人もいました。

主人公・楓の負の感情をさらけ出すことで、人の脆さとその先にある心の回復を描いた本作は、「傷ついた心の再生を描いた」名作です。


※記事は執筆時点の情報です