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「地上波の再放送は絶対無理」「かなり過激」物議を醸し“完全封印”された伝説ドラマ…だけど「人生で一番好き」大反響の名作

  • 2025.11.6

ドラマの中には、名作と評価ながらも、さまざまな事情で再放送ができない作品があります。今回は、そんな中から"地上波放送が不可能と囁かれる名作ドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第3弾として、ドラマ『17才-at seventeen−』(フジテレビ系)をご紹介します。放送当時に物議を醸した青春ドラマが映し出す、17歳の高校生たちの切なくもほろ苦い群像劇とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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ヤクルト ギネス世界記録認定授与式 内田有紀(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『17才-at seventeen−』(フジテレビ系)
  • 放送期間:1994年4月28日~9月1日
  • 出演: 内田有紀(日高巧美 役)

物語の舞台は、日本のどこかにある町「羊が原」です。この町ではラジオや雑誌が英語で表記されており、どこか外国のような独特の雰囲気が漂っています。月影翠(一色紗英)は、セントウェルトン高等学院に通う高校生で、仲間の火野恭一(武田真治)をはじめとする同級生たちと、穏やかで平穏な毎日を送っていました。

ところがある日、翠の幼なじみで都会へ出ていた日高巧美(内田有紀)が、突然「羊が原」に帰ってきます。都会的で自由奔放な巧美の登場によって、それまで静かだった学園生活は一変。波乱に満ちた日々が始まる青春ドラマです。

内田有紀×一色紗英――伝説の青春群像劇

ドラマ『17才−at seventeen−』は、1994年4月28日から9月1日まで、フジテレビ系の木曜20時枠で放送された全14話の青春ドラマです。

脚本は戸田山雅司さん、岡田惠和さん、両沢和幸さん、田中一彦さん、樫田正剛さん、演出は鈴木雅之さんや本広克之さんなど、のちに『若者のすべて』『踊る大捜査線』『HERO』といった名作を手がける制作陣が名を連ねています。

当時フジテレビが展開していた「ボクたちのドラマシリーズ」の流れを受け継ぎ、10代の日常や揺れ動く心情をリアルに描いた意欲作です。

主演は『ひとつ屋根の下』で注目を集めた、内田有紀さん。『時をかける少女』に続いて2作連続の主演となりました。共演には、一色紗英さん、武田真治さん、伊嵜充則さん、山本太郎さん、シューベルト綾さん、須藤公一さんなど、当時注目を浴びていた若手俳優が多数出演しています。さらに、伊原剛志さん、モト冬樹さん、浅田美代子さん、故・細川俊之さん、飯島直子さんといった実力派俳優陣が集結。

なかでも主演の内田有紀さんは、「みんなを振り回す役が似合ってた」と評され、「どの年代の役でもハマる個性派女優」「今も昔もずっと綺麗」「大好き」といった声が多く寄せられています。

また、作品の雰囲気を強く印象づけたのが主題歌です。TRFの「Survival dAnce ~no no cry more~」のイントロを聴くだけでこのドラマを思い出すという人も少なくないでしょう。この曲は累計約137万枚を売り上げ、TRFが初のオリコン1位を獲得した記念すべき1曲となりました。

衣装や小物も話題を呼び、RRLのTシャツ、DKNYのサンバイザー、タイメックスの腕時計「サファリ」など、当時のストリートカルチャーを象徴するアイテムが多数登場。ファッション面からも、90年代の若者文化を鮮やかに切り取った作品といえます。

さらに、本作は日本での放送後、台湾でも「熱力17歳」というタイトルで字幕付き放送され、現地での内田さん人気を高めるきっかけとなりました。

このようにドラマ『17才−at seventeen−』は、1990年代の空気感を映し出した青春群像劇として、今もなお多くのファンの心に残る一作です。

過激すぎた青春描写の余波

ドラマ『17才−at seventeen−』の見どころは、若さゆえの衝動と葛藤です。友情や恋愛、家庭への反発など、誰もが通る“17才”という不安定な時期を、理想でも教訓でもなく、あくまで等身大の視点で切り取っています。

セントウェルトン高等学院という架空の高校を舞台に、日常の中に潜む痛みや青春のきらめきをすくい上げたその世界観は、多くの視聴者の共感を呼びました。

しかし、1990年代の人気作でありながら、本作は現在に至るまで再放送・配信・ソフト化が行われていません。その理由は、未成年による飲酒や喫煙の描写が放送当時から問題視されたためと言われています。

高校生たちの“リアル”を追求するあまり、主人公たちが堂々とタバコを吸ったりお酒を飲む場面が描かれ、スポンサー降板の騒動にまで発展しました。第5話以降、しばらくは「未成年者の飲酒・喫煙は法律で禁止されています」というテロップが挿入され、最終回まで放送は続けられたものの、その後一度も再放送は行われていません。1994年の放送から現在に至るまで、30年以上にわたり地上波での再放送が実現していない、“幻のドラマ”となっています。

SNSでは、「地上波の再放送は絶対に無理」「当時としてもかなり過激な内容だった」といった声がある一方で、「大好きなドラマ」「あんな青春に憧れた」「人生で一番好き」「再放送してほしい」といった熱いコメントが今も寄せられています。

このように、『17才−at seventeen−』は、放送から30年以上が経った今も語り継がれる“伝説のドラマ”です。地上波放送が不可能といわれるほど挑発的で、一線を越えてしまった作品でありながら、そこに描かれた情熱やまっすぐな心は、今もなお色あせることがありません。制約の多い現代のテレビで再放送されることは難しいかもしれませんが、多くのファンの記憶の中で生き続ける、唯一無二の青春ドラマです。


※記事は執筆時点の情報です