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「秘密があったとは…」「震えた」放送から27年、“異例の仕掛け”に衝撃走る名作…「こんな面白いドラマないよ」称賛殺到の逸作

  • 2025.9.24

映画やドラマの中には、大きな注目を集め、名作として語り継がれる作品があります。今回は、そんな中から“話題を集めた名作”を5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『眠れる森』(フジテレビ系)をご紹介します。15年前の惨劇から生き残った女性が、失われた記憶と真実に迫っていく、緊迫のミステリーロマン――。豪華キャストの熱演に加え、伏線を散りばめたオープニングと竹内まりやさんの主題歌が、今もなお多くの人を魅了しています。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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インタビューに応じる中山美穂さん(1997年撮影)(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『眠れる森』(フジテレビ系)
  • 放送期間:1998年10月8日-1998年12月24日
  • 出演: 中山美穂(大庭実那子 役)

ドラマ『眠れる森』は、15年前の12月24日に福島で起きた市会議員一家惨殺事件を軸に描かれています。第一発見者だった大学生・国府吉春(陣内孝則)が犯人とされて逮捕・服役し、生き残ったのは当時12歳の大庭実那子(故・中山美穂さん)だけでした。彼女は「家族は交通事故で亡くなった」と思い込み、記憶の一部を失ったまま大人へと成長します。

現在の実那子は商社マンの濱崎輝一郎(仲村トオル)と婚約し、3か月後に結婚を控えていました。ところが荷物の整理中に「15年目の今日、眠れる森で逢いましょう」という差出人不明の手紙を見つけ、導かれるように故郷へ戻ります。そこで出会ったのがライティングデザイナーの伊藤直季(木村拓哉)。直季は彼女の記憶を揺さぶるような言動を繰り返し、時にはストーカーのように見えながらも、どこか彼女を守ろうとしている気配を漂わせます。

実は直季の父・伊藤直巳(夏八木勲)が催眠療法を施し、実那子のトラウマとなる記憶を書き換えていたのです。

直季と彼の幼なじみ・中嶋敬太(ユースケ・サンタマリア)、さらに仮出所後に姿を消した国府吉春との関わりの中で、実那子は「事件の生存者」という現実に向き合い、催眠療法で書き換えられていた記憶の真実、そして真犯人は誰なのかという核心へと近づいていきます――。

四半世紀を超えて語り継がれるミステリードラマ

『眠れる森』は、1998年にフジテレビ系で放送された故・野沢尚さん脚本のミステリードラマです。脚本を手がけた野沢さんは、90年代を代表する脚本家のひとりで、人間の抱える闇や葛藤をハードボイルドに描く作風は、木村拓哉さん演じる直季にも反映されています。

主演は中山美穂さんと木村拓哉さんのW主演で、高視聴率を記録する大ヒットとなりました。放送から四半世紀が経った今も語り継がれる名作です。

キャストには、主演の中山さん、木村さんをはじめ、仲村トオルさん、ユースケ・サンタマリアさん、本上まなみさん、陣内孝則さん、原田美枝子さんといった豪華な顔ぶれが集結。さらに故・夏八木勲さんや故・佐川満男さんなどベテラン勢も出演し、複雑に絡み合う人間模様に厚みを加えました。

本作の特徴は、ミステリーとラブストーリーを融合させつつ、心理学の要素を巧みに取り入れている点にあります。当時まだ一般に浸透していなかったPTSD心的外傷後ストレス障害)にも言及し、登場人物が抱えるトラウマや心の奥底に潜む記憶の問題を浮かび上がらせました。

『眠れる森』は、謎解きにとどまらず、人は過去とどう向き合い、自分自身をどう受け入れていくのかというテーマに迫った、90年代を象徴するサスペンスドラマです。

「秘密があったとは…」衝撃走るオープニング

『眠れる森』を語る上で欠かせないのが、オープニング映像と竹内まりやさんの主題歌『カムフラージュ』です。「オープニングがすでに物語の答えを示している」と話題になり、25年以上経った今も視聴した人々を驚かせています。

オープニングには、登場人物それぞれの人格や内面を示す「色」が仕込まれていました。衣装の色がキャラクターの本質を象徴していたのです。基本のルールは、白が「善」、黒が「悪」。しかし単純な二分法ではなく、曖昧さも表現。

仲村トオルさん演じる濱崎輝一郎は全身黒一色で登場し、彼の内面に潜む闇を象徴しています。外見は穏やかで誠実そうに見えても、その奥にある危うさを映し出していたのです。一方、陣内孝則さん演じる国府吉春は黒に白いシャツという装いで、悪に見えながらも完全には染まりきっていない複雑さを表していました。本上まなみさん演じる佐久間由理は白い傘を手にし、純粋で正直な人柄を象徴。ユースケ・サンタマリアさん演じる中嶋敬太は迷彩服で登場し、善悪のどちらでもない曖昧さや弱さを表現していました。

それだけではありません。オープニングには、人物の最期を思わせる“暗示”も盛り込まれていたのです。仲村トオルさんは刺されるような動作、本上まなみさんは窒息を連想させるカット、ユースケ・サンタマリアさんは木から飛び降りる姿で登場しました。

放送当初は美しい映像にしか見えなかったものが、回が進むにつれ「結末を暗示していた」と多くの視聴者に衝撃を与えました。そんな異例と言える斬新なオープニングに気づいた人たちからは、放送から20年以上経た今でも「秘密があったとは…」「震えた」と驚きを隠せない視聴者や、「初めてオープニングの意味がわかって悶絶してます」「こんな面白いドラマないよ」と感嘆の声が寄せられています。

さらに主題歌『カムフラージュ』についても、「タイトルと歌詞が真犯人や結末を『カムフラージュ』している」、という考察があり、「主題歌がすでに伏線」「歌詞も映像もすべてヒント」「エンディングの歌詞に泣けた」と話題になりました。

オープニングの仕掛けと主題歌がドラマの世界観と見事に重なり合った本作は、今も「話題を集めた名作」として語り継がれています。


※記事は執筆時点の情報です