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「よく放送できたな…」“あまりの生々しさ”に苦情殺到→スポンサー降板の“異例事態”に…だけど「恐ろしく面白いドラマ」絶賛の逸作

  • 2025.7.28

ドラマ『聖者の行進』は1998年に放送されたドラマで、当時生々しい描写が大きな話題に。そのため、今は地上波で放送することも叶わないとか...。今回はそんな“再放送が難しいといわれている名作ドラマpart2”5選をセレクトしました。本記事では、第1弾としてドラマ『聖者の行進』(TBS系)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

絶望の中に希望を見出していくストーリー

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(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『聖者の行進』(TBS系)
  • 放送日:1998年1月9日~3月27日

あらすじ

知的障害を持った人たちが働く、地方の工場。障害を持った一人の主人公・町田永遠(いしだ壱成)を含めた工場労働者は、奴隷のように暴力や性的虐待を受けていました。劣悪な環境で、同じ障害者の水間妙子(雛形あきこ)や教師の葉川もも(酒井法子)と出会い、なんとか過酷な状況を耐え忍び、希望を見出そうと奮闘しています。ある日、永遠が社長の竹上(段田安則)の妻・裕子(水沢アキ)の宝石を盗んだと濡れ衣を着せられ、また暴行を受け、そして水間妙子が性的虐待を受けてしまいます…。

苦情殺到にスポンサー降板…大きな波紋を呼んだ衝撃作

当時、『聖者の行進』は、どの放送回も高い視聴率をキープする人気番組でした。物語の内容が過激だったため、放送当時から問題視されており、年々厳しくなる放送倫理に適合しない内容であることは間違いないでしょう。暴力や暴言、虐待シーンが多く、視聴者自身も目を伏せてしまうような内容であるため、地上波での再放送は不可能とされています。

サブスクで本作を視聴した人たちは「めっちゃ生々しくて今じゃ絶対放送できないような内容ばかりだった」「今観てみたら、よく放送できたなと感じた」などの声が集まっていました。

放送当時からTBSの電話が苦情で鳴りやまなかったとか…。そして、苦情だけでは収まらず、スポンサーサイドからも非難があがり提供クレジットを取りやめた企業や降板したスポンサーも…。

しかしながら、「恐ろしく面白いドラマ」「めっちゃ泣ける」「忘れられない」など、生々しい脚本が故に深く感情移入し、絶賛する視聴者も見られました。

『聖者の行進』は実話を元に作られている?

『聖者の行進』はドラマの背景に、とある事件が存在しており、脚色はされているものの障害者が仕事場で虐待を受けているという内容でした。

背景にある事件は“水戸事件”と呼ばれている、1995年に茨城県の水戸市で起こった知的障害者への性的虐待、暴行事件。有限会社アカス紙器(当時)は、積極的に知的障害者を雇用していることで有名で、当時の社長も尊敬されていました。しかし、その裏ではバットで殴る、長時間の正座、食事を満足に与えない、時にはタバスコをわざとふりかけたものを食べさせるなど、日々虐待を繰り返していたようです。また、女性従業員には性的虐待も頻繁に行われたいたことも発覚。このことが明るみに出て“水戸事件”と呼ばれるようになりました。

この事件を元にして作られたのが、ドラマ『聖者の行進』だったため、内容が衝撃的であることに加えてリアリティがあり、視聴者に強い衝撃を与えたようです。

聖者の行進 名セリフが心に刺さる!

生々しい脚本の中には、心に深く刺さるセリフが散りばめられています。

特に、宇野弁護士(故・いかりや長介さん)が放った「強くなることはないです。弱い自分に苦しむことが大事なことなんです。自分の痛みに鈍感になると、人の痛みにも鈍感になる。自分が強いと錯覚した人間は他人を攻撃する。痛みに鈍感になり優しさを失う」というセリフ。グサリと刺さる名言ですよね。

このセリフにSNSでは、「痛みに鈍感になると優しさを失うという言葉にドキッとした」「この言葉は障害者、健常者関係なく言える言葉で、特に健常者が心に留めておくことだと感じる」「これはドラマの中だけでとどめるセリフではない名言」「心に沁みる」という意見が集まっていました。

そんな名作ドラマ『聖者の行進』、ぜひ配信サイトでご覧になってみてはいかがでしょうか。


※記事は執筆時点の情報です