京都よりみちこみち　下鴨本通【後編】

鴨川デルタは、京に暮らす人にとって憩いの場。天気のよい日は、水辺に座っておしゃべりを楽しんだり、ひとり静かに本を読んだり、飛び石をはしゃぎながら渡ったりと、思い思いの時を過ごす人たちの姿を見ることができます。 その背後には、下鴨神社を包み込むようにこんもりと糺ただすの森が茂ります。縄文時代からの記憶をとどめるという、この森の西側に沿った道が下鴨本通です。通りからは、下鴨神社へといざなう小径が幾筋か伸び、お参り帰りにひと息つける昔ながらの茶店やカフェ、スイーツショップが並びます。

前編では、7月の土用の丑の日の前後、約10日間にわたり「御手洗祭」が行われる下鴨神社と、昔ながらの茶店やごはん処を案内しました。
後編では、カフェ、スイーツショップ、京みやげをご紹介します。

丹波の新鮮野菜を使ったこだわりデリでランチ＆ディナー「下鴨デリ」

農薬をほとんど使わず大切に育てられた野菜を中心に、ひと手間＆ひと工夫かけて手作りされるヘルシーな洋風総菜が人気の「下鴨デリ」。イタリアンのシェフの経験がある店主が、多種のスパイスやハーブ、ビネガーなどを使いこなし、世界各国の料理を創り上げています。

毎日15種程度のデリが並び、これからの季節はトマトやナスなどの夏野菜を使ったラタトゥイユなども登場します。

ランチはパスタやパエリア、キッシュなどをメインに、好きなデリを3品選んで付けられるセットがおすすめです。写真は、旨みの強い味わい鶏をハーブなどでマリネしてチーズでカリッと焼き上げたボリュームたっぷりのメインと3種のデリ。
バラエティに富んだデリは何度通ってもあきることがなく、スイーツも充実しています。

夏の京みやげには爽やかな山椒が香るおじゃこを「京のおじゃこふみ屋」

下鴨育ちの元漬物職人が手がける山椒ちりめんの専門店「京のおじゃこふみ屋」。徳島県、鹿児島県沖で獲れたちりめんじゃこを、和歌山のぶどう山椒とともに炊き上げています。
山椒ちりめんは、店により味のバランスや食感に違いがあり好みが分かれることも多いですが、ふみ屋のものは、小さめのおじゃこをソフトに、薄味に仕上げるのが特徴。「おじゃこご飯の素」など珍しいものもありますよ。

新たな下鴨門前名物が誕生。爽やかな手作りジェラート「友和堂」

下鴨神社西参道入口にあるジェラート店「友和堂」。ほんわかした店名は、店主夫妻の名前から一文字ずつとったことが由来だそう。

風味豊かな小麦のおいしさがギュッと詰まったパン「ナカガワ小麦店」

開店と同時に次々とお客さんが訪れる、地元で根強い人気を誇るベーカリー「ナカガワ小麦店」。ショーケースには毎日20種弱のパンが並び、飛ぶように売れていきます。

リニューアルを終えた下鴨生まれの京の洋菓子店「バイカル 下鴨本店」

70年前に「本物のおいしいお菓子を良心的に届ける」ことを掲げ、下鴨で誕生したバイカル。当時から、まだ珍しかった生クリームのケーキを販売するなど新しいことに挑戦し続けています。2024年秋に下鴨本店がリニューアルオープンし、全面改装されました。

店内で目をひくのは、本店限定スイーツの数々。昔からの名物アップルパイをはじめ、ユニークな京都らしいプチガトーは、今回新しく設けられたイートインスペースで、ぜひ味わって。

もっとよりみち

下鴨本通から葵橋を渡り南へ向かうと、豆餅で知られる和菓子店「出町ふたば」があります。そこから活気ある「出町桝形商店街」はすぐ。商店街を通り抜け、さらに5分ほど歩くと「京都御苑」に到着します。
雅やかな「京都御所」を見学したり、緑あふれる森の木陰で休憩したりできますよ。