エルメスの初代「バーキン」、サザビーズのオークションにて過去最高14億円で日本人コレクターが落札！

7月10日（現地時間）、エルメス（HERMÈS）を象徴する「バーキン」の初代モデルが、パリのサザビーズで開催されたオークションにて、過去最高額となる860万ユーロ（約14億7000万円）で落札された。初代「バーキン」がオークションにかけられるのは、実に25年ぶりだ。

アイコニックなバッグとして知られる「バーキン」の中で、「バーキン・ヒマラヤ」は“世界で最も希少なバッグ”とも言われているが、この幻のモデルよりもレアな「バーキン」バッグの原型となるブラックレザーのプロトタイプが今回出品された。約40年前にフランス人俳優のジェーン・バーキンのために特別に作られたこのバッグには、当時彼女がステッカーなどを貼っていた後が残っている。

落札したのは日本企業の「バリュエンスジャパン」で、ブランド買取「なんぼや」「BRAND CONCIER」やプレオウンド・ブランドショップ「ALLU」、骨董・美術品買取「古美術八光堂」などを運営し、日本国内でのブランド品や時計、宝石、貴金属などのリユース事業を行っている。

エルメスの「バーキン」は荷物が多いジェーン・バーキンの必需品だった

ジェーン・バーキンと言えば、「バーキン」バッグの中に荷物をパンパンに詰めて持ち歩く姿を思い出す人も少なくない。エルメスの5代目会長、ジャン＝ルイ・デュマが、飛行機で偶然隣り合わせた彼女との会話をきっかけに、荷物の整理が苦手な彼女のためにバッグをデザインしたという有名な逸話がある。

ジェーン・バーキン流のデコバッグの特徴

ジェーン・バーキンは、「バーキン」バッグを気分に合わせてデコレーションするのがお気に入りだった。ある時は、アウン・サン・スー・チー氏のポートレートだったり、チベット国旗だったりと、世界情勢に関して自身の考えを表明するようなものも見られた。さらには、来日した時に購入したのだろうか？ 日の丸ステッカーに加えて、「鶴岡八幡宮」の御守り、こけし、和柄の巾着キーホルダーと日本愛がひしひしと伝わってくるチャーム使いまで。バッグはそのまま持つのではなく、自分らしくカスタマイズできる“キャンバス”なのだと教えてくれているようだった。

Photos: Getty Images