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子どもの盗み癖が発覚したら?年齢ごとに異なる特有のサインを見過ごさず理解することが大切です

  • 2025.7.3

子どもが盗みをしてしまった!こんな時、どうしたらいいんだろう?どんな対応ができる?そんな悩みについて、今回は、臨床心理士であり、小学校教諭、保育士の資格もある一般社団法人マミリア代表理事の鎌田怜那さんにお伺いしました。

ママ広場

幼少期の子どもの「盗み」について

年齢が低ければ低いほど、衝動性が問題になります。4歳以降になれば、人のものを盗ることはダメなことはわかっていますが、それでも盗むのは、自分の気持ちを抑えきれないコントロール・自律の力が不十分だと考えられます。
また、「盗んでいる」認識がないこともあり、盗った事実だけを見て叱っても効果は期待できません。子どもには、何が間違っていてどうすることが適切なのか・・・を繰り返し伝え続ける必要があります。

「盗み」自体にメッセージが含まれていることも多々ある

きょうだいの誕生によって、盗み現象が見られることもあります。
子ども本人としては「ママを取られた」ことの不快感が現象として出てしまうことがあります。これも、本人にははっきりと自覚がないことが多いです。両親の離婚で環境が大きく変わることや、可愛がってくれていた祖父母が亡くなったなども根底は同じ「昔の幸せを取り返す」現象でもあります。言葉にならない心の痛みに寄り添うと、現象は出てこなくなります。
「いい子」として育っている子にも盗み現象は見られます(意外にこのパターンは中高生の女子にも見られます)。

「いい子」は、親に叱られないように事前に回避する力に長けているとも言えます。それゆえ、「叱られるとどうなるか」を経験したことがなく、叱られることへの恐怖心だけが膨らんでいることがあります。それ故、「いい子」の部分だけ親に見せ、叱られそうな自分はひた隠しにしています。

このように親にちゃんと叱られたことがない子の盗み現象は、「私の悪い部分も含めて私を見て」という悲痛なメッセージと理解できます。盗みが見つかって叱られてもどこか嬉しそうにしていることがあり、周囲から反省していないと誤解されてしまうこともあります。

このように色々な背景を含む現象のため、一つひとつ丁寧に現象・背景を理解していきたいところです。しかし、「盗む」という現象は誰にでも生じることではなく、その子特有のサインとして受け止め、理解していいただきたいです。「いつか止むだろう」と見過ごしていると、習慣・癖となり、問題が深刻化する可能性もあります。

ママ広場

借りたものを返さない:愛着の問題が影響している場合
自他の区別がついていない、自分の物の管理も難しいなどが問題の背景にあると考えられます。意図的にやっているというよりは、無意識にしています。指摘されても、それがそんなに重大なことなのか?という程度の受け取り方しかしていません。

誰かのものを盗ってくる、万引きをする:心に抱えた課題が影響している場合
他者のことを羨ましく思う気持ちが根底にあるような羨望や妬みから、特定の子の持ち物を盗ることがあります。ある1人の子と限らなくても、似たようなタイプの子(盗っている本人のコンプレックスに関連する特徴を有している子)の物を盗ることがあります。対象はランダムで特定の物を盗ることもあります。物に執着する時は、その物自体に個人的な意味づけがあることが多いです。しかし、本人には自覚がないことが多いため、理由を聞いても説明ができません。

私が関わったケースで、母親がとても神経質なタイプで幼少から汚れることに対して厳しく躾けられていた女児が、小学校中学年になって突然、消しゴムを盗り溜める癖が出現したことがあります。初めは落とし物を拾ったことがきっかけでしたが、そのうち人のもの、先生のもの、お店のものとエスカレートしていきました。「ちょっとした汚れも気になる=消しゴムで消す」が彼女の無意識の中で繋がり、止められなくなっていたようです。さらに、悪いことをしている自分も「汚れ」であるので、盗ることをやめられなくなっていました。保護者面接をする中で、母親から幼少期の躾の話が語られ「厳しくしすぎた」と反省され、娘との緊張関係を改善しようと意識を変えられてから、娘さんの盗り癖は解消されていきました。

中学生以降の子どもの「盗み」について

ここまでは、小学校低学年くらいまでの子どもや、高学年以降であっても「初めて盗った」状況を想定した内容です。盗み現象にも気づいてもらえなかった・・・など、子どもの心の声に応えないまま思春期を迎えると、非行などにつながるような盗みを繰り返すことにつながります。
・スリルや刺激を求めて・・・
・習慣、癖になって・・・

習慣・癖になると、改善は一筋縄ではいきません。玉ねぎの皮を剥くように、何度も何度も繰り返し、少しずつ減少していくものだと理解しておいた方が、大人も希望が持てます。
盗み癖がエスカレートすると、他者に指示して盗みを強要したり、盗んだ物を売って現金化したり・・・と犯罪に触れるところまで進展します。これらの現象は突発的に生じるのではなく、長い歴史があることを理解する必要があります。置いてけぼりにされた心の声に気づいてくれなかった親・大人・社会への攻撃でもあると考えられます。

盗みが発覚した場合、中学校であれば、指導を担当する先生や担任が対応に当たられ、高校であれば退学となることがほとんどです。このタイミングは子どもたちが盗み癖を断ち切るチャンスなので、対応を学校や警察だけに任せ、一方的な指導で終わるのではなく、心の奥に沈めた触れ難い感情が存在していることを認識した上で関わっていただきたいです。子どもは誰でも「親」を待っています。子どもが外で問題行動を起こす時というのは、家庭内では解消できないと子どもが思っている問題を、子どもたちが社会に助けを求めていると思って対応しましょう。親としては「家の恥」と感じるかもしれませんが、社会の力を借りながら、家庭の問題に向き合ってみましょう。親であるあなたにとって、必要なことでもあるはずです。

しかしながら、必死に心の声を沈めてきた子どもにとって、また思春期の子どもたちにとって、一番の理解者であってほしい保護者だからこそ知られたくないという両面の気持ちも持っています。わかってもらえなかった時の痛みを考えると当然ではあります。家族だけでは立ち行かない状況もあって当然なので、その時には、話し合いの場に子どもに寄り添える親族(祖父母、おじ、おば、いとこ)や学校の先生にも立ち会ってもらうことをお勧めします。

また、抱えた痛みの解消や親子関係の改善のために、カウンセリングを受けることもお勧めします。盗み癖が解消されても、子どもが獲得してきたストレス対処法や親子関係の理解や改善まで到達できていなかったら、社会人になった時・親になった時などに似た現象が再燃することがあります。
子どもの未来のために、心の声を大事に拾いあげてください。

執筆者

プロフィールイメージ
鎌田怜那
鎌田怜那

一般社団法人マミリア代表理事
臨床心理士・公認心理師

子どもの‘発達する力’に魅了され、その魅力を伝える活動をしている。
昨今の育ちの環境に危機感を覚えつつも、愛情深い母親たちの出口の見えない悩みに、道筋を示せるよういろんな方法で情報を発信している。
自身も3児の母でもあり、支援しつつも支援してもらいながら、思い通りに行かない子育てを楽しんでいる。
悩んでいるうちに、子どもは大きくなりますよ!子どもと、仲間と一緒に発達していきましょう!!

一般社団法人マミリア

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