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太陽・木星が蟹座へ入り、一気に“エモい”ムードに【美と心の星サプリ 第11回・前編】

  • 2025.7.1

心にフォーカスを当て、“自分”を見つめる太陽蟹座期間

yuji(以下y) いよいよ最終回を迎える本連載ですが、7月はまさに“自分を深掘りする一年”の締めくくりにふさわしいテーマですね。蟹座が象徴するのは、「心の安定や基盤、家庭、食事、居場所」といったものです。太陽に加えて、拡大や発展をつかさどる木星も蟹座にいるので、よりパワーが強まる時期。蟹座は12星座のなかでも、トップ、あるいは2番目くらいに、メンタルとの関係の深い星座です。蟹座木星期間に入る直前からモヤモヤしたり、心が落ち着かないと感じたりする人が多いのではないでしょうか。さらに、心に正直になった結果、外側の自分と内側の自分が乖離していると感じたり、我慢して社会性を前面に出してきた人ほど反動を受けたりするような、“振り子現象”が起きがちです。

由佐(以下由) 近年、“外側に合わせる生き方”が難しくなってきたと感じている人は多いのではないでしょうか。常識や、世間がよしとする物事の評価軸、すなわち“外の羅針盤”で生きても、あまり幸せではないことに気づいて、内面にフォーカスする人が増えているのだと思われます。かつては世間的によいとされる目標や価値観に沿って生きていれば、報われるようなムードがありました。ところが、時代を経るにつれ、その常識が崩れていき、最近は若い方のほうが、早くからマインドに関心を持つようになっていますね。

社会規範から“エモ”へとシフト

y 星の動きでいうと、去年の11月までは、山羊座の部屋に冥王星が16年間くらいいました。ひな型通りにやって、成功への原則に従っていれば、社会が提供してくれる物質的なものは保証され、ある程度のステータスを得られるという、目に見えるメリットがあったと思います。ところが、11月に水瓶座の部屋に冥王星が移動し、人間社会が作り上げたひな型という“幻想”が崩れていった結果、本来の自然の摂理へとシフトしていったように感じられます。

由佐さんが仰る通り、若い方は心のことを話したり、“エモいこと”を表現したり、が非常に上手ですよね。上の世代は社会について語るのに対し、彼らは“エモい”議論をSNSで繰り広げているような印象を受けます。やはり、どの時代のバイブスを浴びて育ったかが、人に及ぼす作用は大きいようです。

最近の主流は、本音や“素”といった「ありのままがカッコいい」という価値観ですよね。逆に、取り繕っていることがカッコ悪い。私を含め、上の世代は取り繕ったり、本音を隠す技術が磨かれていて、むしろ社会人になるとはそういうことだ、という雰囲気がありました。今や、それが見事にひっくり返ったような感じがありますね。

私は“宇宙軸”と呼んでいるのですが、宇宙や自然の成り立ちに則って生きるほうが、自然体でいられるし、調和するし、生きやすいと考えています。例えば、学校や会社に行きたくない、行けないといった、社会規範にあわせようとすると苦しさを感じる人たちは、無理に頑張って合わせる必要はないのではないかと思うのです。

自然の法則へ回帰するシーズン

y 自然のサイクルは西洋占星術にもありますね。12星座は生命の流れを示していて、先頭の牡羊座で生まれて、成長して社会的な成熟を迎え、最後に朽ちていく……というようなリズムがあります。もともと私たちの暮らしには、朝日とともに起き、夕暮れに食事をして眠るというような自然のリズムがあったのですが、次第に生産性や成長神話、経済合理性といった社会的なことのほうが重視されるようになりました。

その時期を経て、いわゆる“風の時代”へ突入──冥王星が山羊座から水瓶座に以降したことが象徴的なのですが、山羊座以降の時代である水瓶座と魚座の影響で、サステナブルやリジェネラティブ、サーキュラーエコノミーなど達観した世界観の広がりとともに、無限成長していく社会という集団幻想からの解脱が起きています。そのため、今は過剰なものやこれからの世界線において要らないものを削ぎ落としていくようなバイブスが流れているように感じます。逆に、125年後くらいに冥王星が半周して蟹座や獅子座の部屋に戻ってくると、また価値観が反転する可能性もありますけれど。

“個”が目覚めるとき

リズムも何もなく無限に右肩上がりの成長を続けることを求める社会には、不自然さしか感じません。不老不死を妄信しているような違和感です。もうひとつ、“個人軸”というのもあります。人間は自我が生まれ、自分を確立していき、その結果、社会が発達していくというように、個人の自立がないと関係性が生まれず、よい社会にならないと思うんです。ところが、これまでの社会における教育は、自分を確立することのないまま、自我を押し殺してまわりに合わせるというのをよしとしてきました。

y 自分を確立して、個人を“味わい切る”前に、早々に社会の仕組みに投じられ、ずっとひな型のなかを歩かされますよね。その反動のように、昨今は多くの人のなかで内側からムクムクと、まるで「一揆」のように“個人軸”への回帰が起こっているので、水瓶座らしさをかなり感じています。

これまでは、自分が何者かがわからない人が多かったと思います。社会としては、何者かわかっていないほうが、道具や部品として使いやすいという人材育成方法だったのです。でも、皆の内側にあるものがだんだんと目覚めてきて、違和感や葛藤が噴出しているのが今なのかもしれないですね。

y 眠っていたゴジラが目覚めた、みたいな感じがありますよね(笑)。

まさに“ゴジラ化”している人はかなり多いと思います。

Profile

yuji

星読み係、ヒーラー。 香川県高松市生まれ。18歳でイタリアに渡り、現地大学院卒業。ミラノにてプロダクトデザイン事務所に勤務するも、ヒーラーとしての宿命に抗えず拠点を東京に移し、ヒーラーとして活動する決心。現在は書籍執筆、連載、講演などで活躍する一方、毎日星読みを行い、星々からのメッセージをSNSにて発信している。https://youtube.com/@yuji-universe

由佐美加子

Co-Creation Creators(CCC)代表。幼少期から海外で育ち、米国の大学卒業後、帰国。野村総合研究所、リクルートで勤務した後、グローバル企業の人事部マネジャーを経て、2011年に独立。公開講座、企業内研修やチームビルディング、エグゼクティブコーチングなどに携わり、内的世界の理解を通じたよりよい生き方を提唱している。著書に『ザ・メンタルモデル 痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー』など。www.cc-creators.com

Photos: Kaori Nishida Text: Kiriko Sano Editor: Rieko Kosai

>>本当の自分を知りたいなら、まず“感情のリハビリ”を──。後編は、7月2日(火)7:00に公開予定。

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