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「かけ離れすぎじゃない?」「泣きそう」“まさかの改変”に原作ファン苦言…だけど「一見の価値有り」世界が注目した秀作ドラマ

  • 2025.7.12

リアルタイムでドラマを追う楽しみとは違い、自分のタイミングで作品の世界観にどっぷり浸かることのできる配信ドラマ。テレビでは味わえない自由な表現と、映画のようなクオリティを兼ね備えた作品が次々と登場し、「観る」体験を豊かにしています。そこで今回は、“面白すぎる配信ドラマ”5選をセレクトしました。本記事では、第3弾としてドラマ『舞妓さんちのまかないさん』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

花街で舞妓たちの食事をつくる“まかないさん”の成長物語

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(C)SANKEI
  • 作品名:『舞妓さんちのまかないさん』(Netflix)
  • 配信開始日:2023年1月12日〜

あらすじ

京都の花街で生活をする舞妓さん。彼女たちが共同で生活する屋形で、舞妓さんたちの食事を作るのが「まかないさん」です。キヨ(森七菜)は、舞妓さんになることを目指し、地元・青森から京都へやってきました。共に舞妓さんを志す幼馴染であり親友のすみれ(出口夏希)は、舞妓として将来を期待され成長していきますが、キヨは才能がないと言われてしまいます。そこでキヨは、まかないさんになると決意。果たして二人は、この花街で夢を叶えることができるのでしょうか?

原作と違う!実写配信ドラマに賛否両論

配信版『舞妓さんちのまかないさん』は、Netflixシリーズは全9話となっていますが、原作は小学館『少年サンデー』で長く連載されてきた、多くのファンを持つ作品です。2021年10月にはアニメ『舞妓さんのまかないさん』(NHKEテレ)として放送もされました。

「地上波と違って配信ドラマって時間とお金かけてる感じ」「一見の価値有り」と、Netflix作品のクオリティへの評価が集まる一方で一方で「原作から改変されすぎで酷い」「泣きそう」「オリジナル作品だとは知ってるけど、かけ離れすぎじゃない?」などの声も。

オリジナルキャラクターや原作にない話が追加されているため、原作の世界観から離れてしまい、戸惑う声も多く見受けられました。特に、原作漫画から感じられる、ほのぼのとした素朴な感じや純朴さが失われていることが厳しい声につながっているようです。

一方で、「キャスト陣が豪華で見ごたえ抜群!」「映像がとてもきれいで神秘的」「音楽が相まって感情移入しやすい」など、実写ドラマへの肯定的な意見も多く集まっていますよ。

また、原作を知らずに実写版を初めて観た視聴者にとって、京都の舞妓さん文化を知ることができ、映像作品としての美しさも相まって非常に高い評価を集めています。また、世界で注目されているNetflixにより配信されたことは、作品が世界的な注目を集めるきっかけにもなったようですよ。

女優二人の相性抜群の快演

『舞妓さんちのまかないさん』を実写化することにあたり、是枝監督はとにかくキャスト選びにこだわったそうです。主演の2人に関しては、オーディションで決めたのだそうです。

舞妓のすみれ役に決まった出口夏希さんについて映画.comで次のように語っています。

出口さんはまだまだ荒削りで、とても良いテイクと全然できないテイクが交互にあるような人。でもある瞬間、急にフワッとできる瞬間が出てくる。たぶん自分でも分からず、そういうのが出てきちゃっている感じだから、現場で見ているとハラハラするんだけれど。いい形でそれを森さんに引き出してもらったと思います。二人は本当にお芝居の相性が良かったですね。出典:森七菜&出口夏希&是枝裕和監督が語り尽くす「舞妓さんちのまかないさん」オーディション裏話、撮影で得たものとは?(映画.com)2023年1月28日

この発言からは、出口夏希さんの持つ“伸びしろ”や“未知の可能性”に是枝監督が魅力を感じていたことが伺えます。そして、その不安定さを受け止めながら引き出していったのが、キヨ役の森七菜さん。森七菜さんは、是枝監督の作品に出ることが夢だったのだとか。このドラマで夢が叶い、撮影が終わった後でも、フワフワ浮いている気持ちが続いたそうです。

ほっこりと穏やかな気持ちで観ることができるドラマ『舞妓さんちのまかないさん』、ぜひ観てみてはいかがでしょうか。


※記事は執筆時点の情報です